湿潤な熱帯地方で広く食べられているらしい「野菜」ハゼラン.
栽培も行われているとのこと.
Talinum fruticosumとは - 植物図鑑 Weblio辞書 https://uses.plantnet-project.org/en/Talinum_triangulare_(PROTA)
また,近年,欧米でも,「健康によい」ということで,注目が集まっているようです.
沢山の解説記事がネット上に.
https://uses.plantnet-project.org/en/Talinum_triangulare_(PROTA) Benefits of waterleaf - The Nation Nigeria Health Benefits of Water Leaf(Talinum triangulare), Gbure. – THE CREATIVE MINDS Get To Know Your WaterLeaf — Guardian Life — The Guardian Nigeria Newspaper – Nigeria and World News Health Benefits of Talinum – FOODRECAP
日本でもよく見られる抗酸化作用,さらには,民間薬的な使用法についても言及されていますが,これらは証明されている作用ではありません.
今日は,ハゼランのもつ栄養素について,その数値を,つるむらさき,モロヘイヤ,ホウレンソウ,キャベツと比較することにしました.
以下の表では,ハゼランのみが一つの研究論文の数値で,他は,日本食品成分表の数値です.
従ってこの比較から,決定的な結論を得ることは困難.大まかな傾向の比較ということになりますが,その前提で数値をみていきましょう.
脂質,タンパク質,炭水化物
ハゼランの三大栄養素の含有量には特に強調すべきものはない,と言えそうです.
タンパク質が豊富としていたサイトがありましたが,たしかに野菜としては多い方です.しかしホウレンソウと同程度.
タンパク質という点では,モロヘイヤが通常の野菜を超えていて,プロテインリッチな野菜ということができるでしょう.
ミネラル
キャベツを比較対照とした場合,ハゼラン,つるむらさき,モロヘイヤ,ホウレンソウは重要なミネラルを多く含むと言えます.
ホウレンソウは鉄を多く含む野菜として知られていますが,その2倍の値が報告されています.
カルシウムも多いといえますが,この点では.つるむらさき,モロヘイヤが更に上をいく数値になっています.
ビタミン
カロテノイド(カロテン類)が多いことが分かります.日本の分類でいえば,つるむらさき,モロヘイヤとともに.“緑黄色野菜”ですね.
そして,ビタミンC(VitC)もそれなりの数値.葉菜類の緑黄色野菜は,一般にビタミンCも多く含みますが,その点でも緑黄色野菜の性質をハゼランも持っています.
そして,この数値はホントかな?と思わせるのが,ハゼランのビタミンE(およびその類縁体 )(VitE).ここに挙げた野菜の中では飛び抜けています.
この数値は,アーモンドや食用油の数値とほぼ同程度.ビタミンEは油類の酸化を防ぐ働きが特に注目されているビタミンですが,油を一緒に摂取してビタミンEを補うのはあまり意味がありません.
もしこの数値が本当なら,とても注目に値する野菜ということになりますが---.
食品成分表にハゼランが掲載される日はまだまだ来ないように思います.
研究者の皆さん,ハゼランのビタミンEを測定してみませんか?比較のためにアーモンド,モロヘイヤ,ホウレンソウと一緒にして.