「ヨーロッパが大変なことになっている」という報道が目立ちますが,日本も他人ごとではありません. 1ヶ月以上ダラダラと新規感染者数が横ばいで推移していましたが,この4週間ほどで,明確にトレンドが上昇に転じています.(11/1 忽那賢志さん) 「10月以降微増傾向が続いている」 「実効再生産数:東京,大阪,北海道,沖縄などで1をはさんで前後しており,直近1週間の平均は1を超える地域が多い.全国的には,1をわずかに超える水準が続いている」(10/29新型コロナウイルス感染症対策分科会)

新型コロナウイルウイルスへの関心が低下傾向にあり,経済再開の機運の方が優っているように感じる中,新規感染者数がジワリと増加に転じつつあるように思われます.

 

ツイッターやYahooニュースで,新型コロナウイルスに関する的確な情報を発信し続けて頂いている忽那賢志さん(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)によるYahooニュースの記事(11月1日)に

次のような一文が.

 

news.yahoo.co.jphttps://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201101-00205887/

 

「ヨーロッパが大変なことになっている」という報道が目立ちますが,日本も他人ごとではありません.

第2波が完全に収まりきらずに1ヶ月以上ダラダラと新規感染者数が横ばいで推移していましたが,この4週間ほどで,明確にトレンドが上昇に転じています.

これまでの傾向では,3月中旬から下旬にかけての症例増加後に第1波が,6月中旬から下旬にかけての症例増加後に第2波を迎えており,この4週間の症例数の増加が今後の爆発的な増加の予兆でないことを願うばかりです.

気になるのは北海道での症例数増加です.

昨日も北海道では1日当たりの新型コロナ感染者数が過去最多を更新しました.

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https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201101-00205887/

 

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第13回 10月29日)の資料(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona13.pdf)中でも,<感染状況について>として,次のように記しています.

 

「10月以降微増傾向が続いている」

「実効再生産数:東京,大阪,北海道,沖縄などで1をはさんで前後しており,直近1週間の平均は1を超える地域が多い.全国的には,1をわずかに超える水準が続いている」

 

 

 

<感染状況について>

・新規感染者数は,全国的に見ると,8月第1週をピークとして減少が続いた後,ほぼ横ばいであったが10月以降微増傾向がつづいている.特に,北海道や東北・北関東の一部,沖縄などを中心に増加がみられる.

その背景としては,首都圏で感染が減少の動きとならないことや,クラスターの発生等で感染者の増加が見られる地域があることが考えられる.

また,人の移動が活発化していることにも留意が必要である.

実効再生産数:東京,大阪,北海道,沖縄などで1をはさんで前後しており,直近1週間の平均は1を超える地域が多い.全国的には,1をわずかに超える水準が続いている.

 

・感染拡大の原因となるクラスターについては,地方都市の歓楽街に加え,会食や職場及び外国人コミュニティーなどにおける事例など多様化や地域への広がりがみられる.

 

・増加が見られる地域や感染が下げ止まっている地域,地方都市におけるクラスターの発生などがあり ,適切な対応をとらなければ,増加要因と減少要因のバランスが崩れてもおかしくなく,今後の感染の動向に注視 が必要である.

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona13.pd

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エピカーブにみる増加傾向は,毎日報告された感染者数のグラフほど顕著ではありません.しかし,全国で少しずつ増えてきていることは明らか.そして,北海道のエピカーブからは,明らかな第三波到来が読み取れるのでは?

そして,実効再生産数が1より大きいということは,今後も感染が増加し続けるということ.

 

「今後の爆発的な増加の予兆でないことを願うばかりです」

 

忽那医師は,

・気温の低下により感染が広がりやすい新型ウイルスの性質,

・寒くなって屋内での換気が不十分になりやすくなること,

・世間のコロナへの関心の低下傾向

など,更なる感染増加を増やす要因を挙げ,最後に以下のように結んでいます.

 

 

現在のヨーロッパ諸国のような爆発的な流行とならないためにも,今感染者の増加を抑える必要があります.

幸い現在は,クラスターが断続的に発生しているものの,全国的には「感染者のうち接触不明の割合」や「検査陽性率」の増加は認められず市中感染が広がっている状況ではありません(第1波,第2波の初期にはこれらの指標が増加していました)ので,増加を食い止めることは十分に可能と考えられます.

今のうちに,一人ひとりが

・屋内ではマスクを着ける

・3密を避ける

・こまめに手洗いをする

といった,基本的な感染対策をもう一度見直しましょう.

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201101-00205887/

 

国レベル,マスコミレベルでも,今一度,注意喚起を徹底してほしいものです.