新型コロナの新規感染者は,驚くべき早さで増え続けています.
7日間平均のデータは,既に第6波の2倍を超えています.
(以下,データは全て COVID-19 Data Explorer - Our World in Data より)
7月22日に世界一になった日本の新規感染者数は,2位以下を大きく離しつつあります.
ただ,少し光明があるとすれば,増加の割合はやや鈍りつつあるように見えること.
希望的観測をあげさせていただけば,8月第1週にはピークアウトという予想は当たるのかもしれません.
しかし,それまでにどれだけの感染者が出るのか.
人口当たりの新規感染者数でも,よく名前を聞く国々の中でトップをうかがう勢い.ピークアウトしそうでできていないオーストラリア,そして日本と同様な増加傾向を見せている韓国と,暫くつばぜり合いが続くのでしょうか?
そして,
低く抑えられていると喧伝されていた新規死亡者が急激に増えつつあります.
一番恐れていたことです.
ここ2週間でなんと4倍!
第五波の死亡者のピークを既に上回ってしまいました.第3,第4波のピークを上回るのは時間の問題.
それどころか,今までで最多の死亡者を出した第6波をも上回るような勢いに見えます.
第6波の時には新規感染者のピークと新規死亡者のピークは18日ずれていました.仮に8月第1週にピークアウトしたとしても,死亡者のピークはお盆以降になる?
大きな数字になりませんように心から祈ります.
現在の新規死亡者の数は,先の感染者のグラフに登場した国々の中ではまだ低いレベルにあります.
しかし--
より上位の国々の多くは,すでに新規感染者数ではピークアウトしているにもかかわらず,死亡者が減っていない.依然増え続けている国もある!
特に目立つのがオーストラリア,イタリア,そしてイギリス(UK).
例え新規感染者がピークアウトしても,いったん死亡者が増え始めてしまうと,長く増え続ける可能性を示しています.
日本の今後がとても心配です.
「様々な対策を行っても医療のひっ迫が深刻になった場合には、 行動制限を含めた強い対策が必要となることもある。」
としています.
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai17/7thwave_teigen.pdf
今,より強い対策が必要なのでは?
テレ朝 ニュースステーション 2022/07/27
「“BA.5は重症者少ない”期待は裏切られ…」20万人感染…現場医師に医療の現状を聞く
コロナ患者の治療にあたっている
埼玉医科大学総合医療センターの感染症専門医・岡秀昭教授に聞きます。
----中略
(Q.2週間前に出演していただいた際に『重症化予防効果があるワクチンが広く打たれ、治療薬も投与している。“重症者が増えない”淡い期待をしている。ただ、感染者数が増えれば持ちこたえられない可能性も』と話していました。淡い期待は裏切られている状況ですか?)
現実としては裏切られている可能性が高くなってきました。
何よりもこれから先、今までで一番最悪の被害を生むかもしれないという心配を持っています。
BA.5は、感染力が強くなることは2週間前にも分かっていましたが、入院リスクについてはよく分かっていませんでした。
入院リスク、つまり重症化リスクが高くなるのであれば、大変なことになると心配していました。
ここ数日の間に複数の論文が発表されました。
デンマーク国立血清学研究所の論文では、BA.5の入院リスクは、ワクチン3回接種済みの場合、BA.2と比べて1.78倍になると。
( Hansen et al https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4165630 )
ポルトガルからも、死亡率が上がるのではないかという報告が出ています。
BA.5はBA.2に比べて、感染力が強くなっているだけではなく、重症化しやすい恐れがあります。
今後、次第に重症者が増え、医療がひっ迫し、最後には亡くなる方も増えるのではないかと心配しています。