12月12日のNHKBS“食材探検おかわり!にっぽん”は白ネギ.
岡崎朋美さんが,西麻布のネギ料理を味わった後,「千住ねぎ」専門仲卸店,その産地の埼玉県のネギ農家を訪ねました.
冬の白ネギ(1)
冷え込みが厳しくなったこの季節,やっぱりこれこれ.寄せ鍋に,すきやきなんてのも,いいですね.
お肉の横には,もちろん,名脇役白ネギが欠かせません.
冬の白ネギの美味しさの秘密,それは---
寒さに耐えて,糖分がたっぷり蓄えられているんですね.
冬だからこその甘さを楽しみのが,白ネギ料理の醍醐味.
東京西麻布の料理人,古川弘英(こうえい)さんによれば,一工夫でグッと際立つそうです.
極上焼きネギ術
古川さん「はい,焼きネギです」
ネギだけで一品になるんですね.
それにしても,見事な焼き色です.こんなネギ料理初めてです.
岡崎さん「うん,甘い.外が香ばしくて,中がすごく柔らかい.噛んだときに,もうね.ジュワ〜って,出るんですね」
古川さん「生の状態だと辛味の旨さがあるんですけど-,火を通せば甘みの旨さがが出てくるので,ネギ本来の甘さを召し上がっていただくようにしてます」
なんと,味付けは一切なし.シンプルに焼くのが,この時期のオススメだそうです.
とはいえ,何かコツがあるんでしょう?
岡崎さん「よく見ると,すごく油がしっかりとついていて,つやつやしている」
「はい,焼くときに,油が多いことで甘みが出てくるので」
岡崎さん「そうなんですね」
なるほど,このつやは油でしたか.でもどうして甘くなるんでしょうかね?
作り方 今回のレシピ - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK⇒(バックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK)
(1)白ねぎの根の部分を落とし、斜めに包丁目を入れる。
古川さん「これが隠し包丁ですね.火の通りが早くなるのと,それによってネギの水分が出ないようにする」
早く火を通すことで,甘みのある水分が逃げないんですね.でも,切れ目から出て行きそうだけど.
(2)4等分に切り分ける.
(3)熱したフライパンに、サラダ油を入れる.
古川さん「油多めでいきます」
岡崎さん「結構いきますね」「そうですね」
古川さん「ネギの甘みは,水分が出ることでなくなるので,油でコーティングして,中に閉じ込めるようにした方がいい」
油で表面に膜を作って,水分は蒸発しないようにするわけですね.
(4)面が軽くきつね色になるよう弱火で5分程焼く.
フライパンで簡単.これは試してみないと!
(以下 続く)
ネギの品種
一般に白ネギと呼ばれているネギの品種は,少し専門的なウェブサイトでは「根深ネギ」と記されていました.
それに対し,関西地方などではよく見かける青い部分が多いネギは「葉ネギ」.
一体どれぐらいの種類があるのでしょうか?
代表的な品種をまとめて記載した表がありましたので一部を紹介します.
関東地方で白ネギとして出回っているネギは「千住群」に分類されているネギがほとんどとのこと.同じ根深ネギで,時々見かける下仁田ネギは「加賀群」.
葉ネギの代表は「九条群」.
現在はこの表の品種を更に改良したと思われる多くのタネが販売されています.
根深ネギ用の品種も,葉ネギ用の品種も,種としては同じネギ.
キジカクシ目 Asparagales,ヒガンバナ科Amaryllidaceae,ネギ亜科 Allioideae,
ネギ属 Allium,ネギ A. fistulosum,
ヒガンバナ科なんですね.
ヒガンバナ亜科の植物(ヒガンバナだけではなく,水仙,アマリリスなど)のほとんどが嘔吐を起こす毒性成分(一部で喧伝されているような致死性はない)を持っています.
それに対し,近縁のネギ亜科ネギ属には美味しい野菜がたくさんあって,世界中で食べられています.