新型コロナ アメリカの死者 50万人超える
NHK NEWS WEB 2021年2月23日
新型コロナ アメリカの死者 50万人超える | 新型コロナウイルス | NHKニュース
アメリカで新型コロナウイルスに感染して死亡した人が50万人を超えました.アメリカでは去年12月からワクチンの接種が始まっていますが,専門家の多くは感染状況に大きな影響を与える水準にはまだ達していないとの見方を示しています.
ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと,アメリカでは新型コロナウイルスに感染して死亡した人が日本時間の23日午前8時現在で累計で50万159人と,50万人を超えました.
全米の死者数は先月中旬に40万人を超えたばかりで,1か月余りで10万人が死亡したことになります.
アメリカでは,去年の感謝祭やクリスマス,それに新年の休暇後に感染が拡大し先月,多い日には1日の新たな感染者数が20万人を超え,死者数も4000人を超えました.
今月に入ってからは1日当たりの感染者数は減少傾向にありますが,CDC=疾病対策センターは,さまざまな研究機関の予測をまとめた結果として来月中旬までに死者がさらに数万人増える可能性があるとしています.
▽アメリカで少なくとも1回ワクチンを接種した人は22日までに4413万人余り,人口のおよそ13%,
▽2回の接種を完了した人は1943万人余り,人口のおよそ6%となっています.
多くの専門家は,ワクチンの効果は感染状況に大きな影響を与える水準にはまだ達していないとの見方を示しています.
バイデン大統領 感染対策を改めて呼びかけ
アメリカのバイデン大統領はホワイトハウスで演説し「第1次世界大戦,第2次世界大戦,そしてベトナム戦争で命を落とした人の合計を超える数の人々が亡くなった」と述べました.
そのうえで,家族を不慮の事故や病気で亡くした自身の経験に重ね合わせて「愛する人を失うことを私は十分すぎるほどわかっている.胸にブラックホールのような穴があき,そこに吸い込まれそうになる感覚をわかっている」と述べ,死者を悼み遺族に思いを寄せました.
そのうえで「人との距離を保ちマスクを着用し,ワクチンを接種しよう.政治対立や偽の情報を振りまくのをやめなければならない.亡くなっているのは民主党員でも共和党員でもなく同じアメリカ人だ.アメリカ人として1つにまとまって向き合うことがウイルスを克服する唯一の方法だ」と述べて,感染対策を改めて呼びかけました.
ホワイトハウスには半旗が掲げられ,入り口の階段には50万人の死者を象徴する500本のろうそくがともされ,演説のあとバイデン大統領はジル夫人とハリス副大統領夫妻とともに黙とうをささげました.
「死者50万人」とは……その規模を図で
BBC NEWS Japan 2021.2.23
アメリカで22日,新型コロナウイルスによる死者数が計50万人を超えた.
新型ウイルスによる感染症COVID-19で亡くなった人数はアメリカが世界最多.死者数で見ると,2番目のブラジルの倍以上だ.
ただし,アメリカは人口の規模も3億3000万人近くで,中国とインドに次ぐ世界3位だ.このため,人口10万人あたりで比較すると,イギリス,チェコ,イタリア,ポルトガルなどに続いて世界9位だという(米ジョンズ・ホプキンス大学調べ).
アメリカで最初に確認された新型ウイルスによる死者は,昨年2月6日に亡くなった.
つまり,ひとつの国で計50万人が1年と少しで亡くなったことになる.これは,第1次世界大戦と第2次世界大戦とヴェトナム戦争で亡くなったアメリカの戦死者の総数を超える.
「50万人」がどういう規模の人数かと言うと,ジョージア州アトランタの人口が約49万人だ.
COVID-19によるアメリカの死者1人のため1分ずつ黙祷(もくとう)した場合,50万人全員をそうして追悼するのに347日間かかる.
他の死因と比べると
COVID-19は今ではアメリカの死因トップだ.昨年は,心臓疾患とがんに続く3位だったが,昨年末に感染者と死者が他の死因をはるかに超えて急増した.
インフルエンザや肺炎と比べた場合,パンデミックの前年にそのどちらかで死亡したアメリカ人の10倍以上が,COVID-19で亡くなっている.
米疾病対策センター(CDC)によると,アメリカ人の平均寿命は2020年前半に丸1年,短縮され,77.8歳になった.これはパンデミックによるものだと多くの専門家は言う.
昨年1月にアメリカで初の感染が確認されてからしばらくは,ニューヨークやデトロイトなど多様な人口構成の都市部に感染が集中していたが,昨年末の時点ではノースダコタやサウスダコタなど人口密度が最も低い州でも感染規模が悪化していた.これはアメリカだけでなく,世界各地で同じような傾向をたどった.
人種的には,アジア系を除くマイノリティー人種の死亡率は白人アメリカ人よりも高い.特にアフリカ系アメリカ人の死亡率は白人の1.4倍に達している.
また人口比の死亡率では,アメリカ先住民が特に打撃を受けた.
人種によってこうした違いが出ている理由は,そのコミュニティーが置かれている社会的要因が関係するとデータが示している.たとえば,有色人種は社会機能の維持に不可欠な職種に就いていることが多く,移動手段として公共交通機関を使い,多人数で狭い住宅に住んでいることが多いなどといった要因が,感染や重症化につながっているとされている.
(英語記事 Covid US death toll: Imagining what 500,000 lost lives look like)
新型コロナウイルスによる死亡者 国別ランキング
(2021年2月23日21時 日本時間)