我が家の庭.
沢山の花々が,5月の日射しを一身に浴びています.
直近に咲いたのはオルレア(オルラヤ)とアヤメ.
オルレアは,“ホワイトレース”と呼ばれることもあるセリ科植物.
葉はニンジンそっくりで,セリ科植物の中でも特にニンジン・クミンと近縁(同じ亜科/連/亜連).
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/05/04/000500
アヤメは“美しさ”を代表する植物とされることもありますね.
⇒“何れ菖蒲か杜若 ”
イズレアヤメカカキツバタ;どれも美しくて優劣をつけがたい.選択に迷う( デジタル大辞泉).
漢字「菖蒲」には,ややこしい一面があります.
ショウブともアヤメとも読める.そもそも,「あやめ」は,現在の「しょうぶ」を表す名前だった---
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/05/18/000840
今,真っ盛りなのがムギセンノウ(麦仙翁 アグロステンマ, 学名はAgrostemma githago).
つい最近も取り上げました.http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/04/26/234500
花言葉は,gentility(高雅).
ナデシコ科ムギセンノウ属Agrostemma.
アグロステンマの由来は,アグロAgro:野原 + ステンマstemma:花冠 という意味のギリシャ語.
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/agrostemma
ヨーロッパの麦畑では雑草とのこと.
高雅で王冠に例えられても,麦の収穫にとっては邪魔者扱いということですね.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/05/02/004421
「何れ菖蒲か杜若」と同様か,それ以上によく知られているのが
「たてば芍薬すわれば牡丹」
(日本国語大辞典)
美人の姿を形容することば.通常「たてば芍薬坐れば牡丹,歩く姿は百合(ゆり)の花」の形で用いる.〔譬喩尽(1786)〕
立ば芍薬すわれば牡丹(たてばしゃくやくすわればぼたん)とは - コトバンク
我が家のシャクヤク.開いてから時を経ているためもあり,ややくたびれた姿ですが,一輪の美しさと大きさは,バラと共に園芸植物第一でしょう.
しかし,実は,“大和撫子”は“植物ナデシコの別名”が本来の意味で,女性に例えられるようになったのは江戸後期以降.
日本女性を「やまとなでしこ」と言うようになったのはいつ頃から | レファレンス協同データベース
万葉の時代にも例えに用いられていますが,相手が男か女かをとわず,
“ナデシコのように,あなたを,近くで/いつでも,愛でる(愛でたい)”
と詠われました.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/10/05/021933
▽笠女郎が大伴家持に送った歌:
朝ごとに我が見る宿のなでしこの花にも君はありこせぬかも
(あなたさまが,毎朝私が見る庭のなでしこの花であってくだされば良いのですけど.たのしい万葉集)
5月初旬.花一杯の季節.
園芸植物だけではありません.
我が家の庭にも,そして道ばた,社寺の庭の片隅に.“雑草”たちも懸命に花を咲かせています.
明日改めて取り上げる予定.