いきなり,林田理沙アナウンサーに目隠しをする山田孝之さん.
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=16140
山田孝之 × Eテレ 異色の植物番組、誕生! 植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之 |NHK_PR|NHKオンライン
(目隠しをされたままの林田アナウンサー)今晩は.“植物に学ぶ生存戦略”のお時間です.山田さん,なぜ私は目隠しをしてるんでしょうか?
「はい.え〜,まずは,今回取り上げる植物の香りを楽しんで頂こうかと思いました」
香り,ですか?
「はい,では,葉っぱと実をすりつぶしたにおいを嗅いで頂きましょう」
はい.うわっ.うわっ.うわっ.何ですか.臭いですね.
「どんな臭いでしょうか?」
いや,何というか,汚物みたいな臭いがします.
「はい.今回の植物は,この臭いに生存戦略が隠されているんです」
はい
9月27日(木)[Eテレ]後11:00〜11:30 / 10月7日(日)「Eテレ]前0:30〜1:00(再放送)※土曜深夜
NET BUZZ 10月11日(木)NHK総合 23:55〜
(バズる 別表記:Buzzる 短期間で爆発的に話題が広がり、多くの人の耳目や注目を集め、巷を席巻すること、といった意味で用いられる言い回し。主にインターネット上におけるソーシャルメディア等を通じた拡散などについて用いられる )
【出演】山田孝之,林田理沙
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「では,目隠しを外しますね」
はい.
「今の臭いがする植物は,こちらです」
えっ,こんなにかわいい花が,あんなに臭いんですか?
「はい.そこがこの植物のしたたかなところです」
え〜
「大きくすると,こういう感じです」
ふ〜ん.すごい,かわいらしいお花ですが,この植物,何という名前なんですか?
「この植物の名前は,---ヘクソカズラです.
この,“へ”は何だと思いますか?」
“へ”っておならですか?
「では,“くそ”は」
う,---ウンチですか?
「はい,そうです.まるで,おならやうんちの臭いがするので,付けられた名前です」
でも,いくら何でも,あんなに臭いからって,ちょっとこの名前はかわいそうですよね.
「はい.もし林田さんが,ヘクソアナって言われたら,どうしますか?」
いや,もう,ショックですよね.立ち直れないです.
「ええ.僕もエゴサーチして,もし,ヘクソ俳優と書かれていたら,それはちょっと落ち込むと思います」
そうですよね.
「人間は弱いですからね.でも,ヘクソカズラはこうしている間にも,元気に生きてます」
ああ.
「今回は,そんなハートが強いヘクソカズラに,生存戦略を学びましょう」
「ヘクソカズラは,日本全国の野山や市街地などで,ごく身近に見られるツル植物です.釣り鐘型の小さくかわいらしい花が咲くのは,8月から9月頃です.
花の命は,わずか1日.ぽろぽろと落ちてしまいます」
山田さん.お花がこんなに,とってもきれいなヘクソカズラですけども,なぜ,こんな強烈な臭いを持っているんですか?
「はい,つまりは,こういうことです」
はい.
「どなたかおわかりになりますか?」
由美かおるさんですか?
「はい,演じている方はそうですね.
ほお.
「非常に美しい顔立ちとからだ.まるで,ヘクソカズラみたいですね」
そうですね.
「でも,かげろうお銀は,忍者です.このかわいい姿にだまされてはいけません.跳び蹴りやハイキックなど,かなり半端ないです.平気で人も殺しますし,忍術を使って身を守り,悪いやつには,この柔肌を一切触れさせません」
ふ〜ん.
「ヘクソカズラも,かげろうお銀のように,見た目はかわいらしいのに,臭いという強烈な攻撃で,悪いやつから身を守っているんです」
では,ヘクソカズラにとっての,その悪い奴らとは,誰なんでしょうか?
「え〜,これは,アブラムシやガの幼虫など,茎や葉っぱをガジガジかじる虫のことですね」
ほ〜.
「この虫たちが食べようとしても,臭いにおいで撃退することができるんです」
ふ〜ん.なるほど.
「ところで,林田さんは合コンは好きですか?」
ああ---.きらいではないですね.
「そうですか.じゃあ,合コンにこちらの3人の男性が来たら,どうしますか?」
年収2,000万円の医者 バツイチ
年収700万円の公務員 実家暮らし
年収100万円の俳優の卵 イケメン
「林田さん,誰を選びますか?」
う〜ん.皆さん,すごく魅力的ですし---.これだけだと,ちょっと決められないですよね.
「うん---.決めてください」
では,お医者さんとか憧れるので,お医者さんにします.
「はい,年収2000万円の医者をゲットするために,林田さんはどうしますか?」
例えば,相手に楽しんでもらうために,トークを頑張ったりですとか,あとは,お料理も頑張りますね.
「はい.林田さんは,今,いろんな条件を考慮して,3人の中から,男性を1人選びました.そして,その1人を獲得するための戦略をお話しされました.実はヘクソカズラも同じ事をやっているんです」
どういうことですか?
「花粉をはこぶ虫をえり好みして,その虫が自分のところにやって来るように戦略を仕掛けているんです.
ヘクソカズラの戦略はこちらです.このモジャモジャの毛です.この剛毛で虫をえり好みしてるんです」
毛ですか?
「はい.こちらの花の断面を見てください.モジャモジャの剛毛ジャングルが,密のある,奥まで続いています」
はあ〜.たしかに剛毛ですね.
「例えば,ありが蜜を求めてやってきても,ごらんお通り,剛毛に阻まれて,うまく中に入っていけません.諦めて行ってしまいました.
一方,こちらはハチ.花の中へ入りました.ヘクソカズラの花粉を遠くまで運んでくれるハチは,アリより力が強いため,剛毛ジャングルをものともせず,花の蜜を求め,自由に分け入っていくことができるんです」
ふ〜ん.
「ハチは.剛毛ジャングルをかき分け,鼻の奥にある蜜にありつける代わりに,体中におしべの花粉をつけて,他の花へ,運んでいってくれるんです」
ふ〜ん.毛でえり好みしてるんですね.
「はい,ちなみに,これは何だかわかりますか?」
これは胸毛ですか?
「はい,これは,私の胸毛です」
はあ,立派な胸毛ですね.
「立派な胸毛です.そして,私のヒゲです.
はあ〜.立派ですね.
「はい,こちらも,立派です」
(写真の横に並んでカメラの方を向いてしばらく静止)
「私も,ヘクソカズラに負けないほどの剛毛です.この剛毛を好む女性と,毛嫌いする女性とに大きく分かれます.どうやら,人間にとっても,植物にとっても,毛は生えていれば生えているほど,対象となるものを仕分けする事ができる能力があるようです.
ちなみに,林田さんは毛は好きですか?」
あっ.嫌いではないです.ね.
「つまりまとめると,ヘクソカズラは見た目はかれんな少女のようなのに,その正体は,強烈な体臭を持ち,女性の好みにうるさい,剛毛のおっさんです」
強烈なキャラですね.
「はい,しかし,フェチやタイプというものは,千差万別で,このおっさんに,ぐいぐい近づく,変わったやつもいるんです.それがこちらです」
ヘクソカズラヒゲナガアブラムシとは - アブラムシ図鑑 Weblio辞書
真っ赤な虫ですね.
「名前は,ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ といいます」
はい.
「アブラムシはヘクソカズラにとって,あの臭〜い臭いをだしてまで遠ざけたい,葉っぱや茎を食べる悪い虫です」
そうですね.
「林田さんにとって,年収の低い男みたいなものです」
ああ〜
「でも,こいつは,他のアブラムシと違って,ヘクソカズラの臭いにおいが大好きなんです.わざとヘクソカズラを傷つけて,臭いにおいをだして,それを食べて,体内にため込むド変態なんです」
ああ〜.
「自分を臭くすることによって,アブラムシの天敵であるテントウムシに食べられないようにしているわけです」
みんな,生きるために必死なんですね.
「はい,生き残るためならば,全身を臭くする.これは人間も学ぶべき事だと思います」
---(無言)
「今,我々日本人は,全員に好かれようとして,無理に自分を作り,結果,多くの人から嫌われてしまう人が多いような気がします」
(カメラの方に向きを変えて)
「嫌うやつには嫌われていい.例え少なくても自分のことを好きでいてくれる人のために生きる.これこそが植物に学ぶべき生存戦略かと思います」
はあ〜,深いですね.
植物に学ばなければいけないと,改めて思いました.
山田さん,ありがとうございました.
「ありがとうございました」
植物に学ぶ生存戦略.また,次回,お会いしましょう.さよなら.
付録
ヘクソカズラ Paederia scandens
リンドウ目 Gentianales,アカネ科 Rubiaceae,アカネ亜科 Rubioideae,ヘクソカズラ属 Paederia,
ヤイトバナ,オトメバナの名前もいただいているのに,この名前で呼ばれることはほとんどない.
咲いている花には匂いはほとんど無いのに,手折ったときに---.最も強い悪臭物質の一つジメチルスルホキシドの匂いとのこと.
「どんな名前を付けられようと結構,可愛いからと言って採取しないで下さい」という古来からの自己主張でしょうか?
でも青い実は,シモヤケやアカギレに良く効くとか.人間は,簡単には諦めません.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/08/19/020757
ヘクソカズラ - Wikipedia ヘクソカズラ Paederia foetida - Wikipedia http://www.e-yakusou.com/sou/sou327.htm.