昨年のクリスマス.
ドイツ,フランス,イギリスのクリスマス料理の話題を取り上げました.
yachikusakusaki.hatenablog.com
次の文章に触発されて.
「キリスト教に七面鳥は関係なく,この習慣は新しいものであった.---
だいたいドイツやオーストリア及び東欧では,クリスマスの料理は鯉などの川魚が主流で,今でもウィーンなどでは,この日ばかりは魚屋に行列ができる」
原田信男 "食をうたう"(岩波書店)
今年はその内容を再チェック.ウェブ上での情報だよりで限度はありますが,
検索のポイントは2つ:
「クリスマスに七面鳥を食べますか?」「クリスマスケーキを食べますか?」
一昨日はドイツ,
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/12/24/021906
昨日はフランス.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/12/25/013833
今日は,昨年はふれなかったイタリア.
イタリアのクリスマスフード
Natale - Christmas - Tu scendi dalle stelle
イタリア北部:七面鳥はクリスマスメニューの一つ.
ローマや南イタリア:調べた範囲内では,伝統的なメニューに七面鳥は入っていない.
どの国でも地域や都市によって食習慣はかなり異なるもの.イタリアは地域による違いがとりわけ大きいようで,少なくとも南と北は分けて考えなくてはいけないようです.
そもそも,イタリアの伝統的カソリック信者にとって,クリスマスイブは小斎(禁欲日)にあたる“day of abstinence”. (ただし,イタリア系アメリカ人は魚介類中心の晩餐会「 The Feast of the Seven Fishes」をクリスマスイブを催すのが習慣になっているとか.)http://www.italianlanguageguide.com/christmas/ Christmas in Italy -- Christmas Around the World -- whychristmas?com
肉のない(時には乳製品も)のがイタリアの伝統的なイブ.
魚(魚介類)中心の食事を摂り,深夜のミサに出かける日.ミサから帰ってもせいぜいココアとスポンジケーキ(パネトーネ)を食べるぐらい.Christmas in Italy -- Christmas Around the World -- whychristmas?com
豪華な食事はクリスマスのランチ(il pranzo).北イタリアでの七面鳥もこの時のメニューに入っていました.
クリスマスのケーキでよく知られているものは,パネトーネ(パネットーネ ミラノ風砂糖漬けフルーツ入りスポンジケーキ)panettone,パンドーロ Pandoroなど.
▽メインディッシュ
イタリア北部のメインディッシュの一例は次の通り:
クリを詰めた七面鳥,
レンズ豆とブタの蒸し煮(多分 原文は単にSmothered),
子羊のあばら肉,
ツァンポーネ(ブタの下足部の皮につめたソーセージ),
コテキーノ(ブタの足に詰めたソーセージ)
普通の腸詰めソーセージ.
イタリアって伝統としてはソーセージをよく食べる国なのでしょうか.ブタ足ソーセージまである!
http://www.italianlanguageguide.com/christmas/ Indulge in an Italian Christmas - Eat & Drink | The Star Online
http://tecnichef.it/cucinare-lo-zampone-la-guida-dello-chef/ http://mangiarebuono.it/il-protagonista-del-cenone-di-capodanno/ South Your Mouth: Italian Lentil Soup with Sausage
南イタリアの伝統料理
ちょっと驚かされるのが"Capitone" .
大きな雌ウナギのことらしい.オーブンや天日で焼いたり,揚げたり,シチューにして食べるようです.
キリスト教は魚と縁が深い.そういえば聖書には魚が沢山出てきますが.肉は?
南イタリアにも肉メニューがもちろんありました.
伝統的には子羊の肉のようです.
その他,参照したサイトには,
パスタ料理(トルテリーニまたはトルテッリィーニ,ひき肉などを包んだ四角いパスタ),
小さなトースト(クロスティーニ)も.
http://www.italianlanguageguide.com/christmas/
Anguilla (Capitone) in Umido (Stewed eel) | Recipes of Italy A Neapolitan Christmas: Capitone fritto (Fried Eel) | Memorie di Angelina
Christmas…the meal is served! | Italy Rome Tour crostini google chicken tortellini soup | Christmas Notebook
▽スイーツ
パネトーネ(パネットーネ),パンドーロの名が,どこのサイトにも.
砂糖漬けのフルーツが入っているかいないかの違い?どちらもスポンジケーキで上部を飾ることはないようですね.
その他トローネというヌガー菓子の名も.
http://www.italianlanguageguide.com/christmas/
http://www.italianlanguageguide.com/christmas/ Christmas candy: Torrone Christmas…the meal is served! | Italy Rome Tour
以上が「伝統的なクリスマスの食べ物」として調べた結果.
現在この様な伝統食がどれほど守られているかは不明です.やや気になったのは次の二点.
1. パスタ料理.上記の例のなかでは一種類のみ. クリスマスにはパスタ料理はあまり食べないのでしょうか?
2. また七面鳥・子羊が伝統とはいえ,チキンではいけないの?
というわけで,伝統を外して現在食べられている料理を調べてみると----
パスタとチキンはほとんどのクリスマスメニューにありました.
例えば,イタリア人はクリスマスに何を食べる? | AmicaMako Blogにあるメニューは,
・前菜 ANTIPASTO(アンティパスト)
ブルスケッタ,Aringa(アリンガ=ニシン)のオイル漬け,チーズ,パン
・最初の皿 PRIMO PIATTO (プリモ・ピアット)
(トルテッリーニが伝統的としながらも)
ネギと生クリームのパスタ,
ラグー=ミートソースのパスタをオーブンで焼いたPasta al fornoパスタ・アル・フォルノ
・二番目のお皿 SECONDO PIATTO(セコンド・ピアット) :
1. チキンの丸焼き,イタリア野菜の炒め物.
2. ローストビーフ
・付け合わせ、副菜 CONTORNO (コントルノ)
リンゴ・ニンジン・たまねぎのソテー.クリのピューレ,ザクロのサラダ
・デザート
パネットーネ,パンドーロ,ミルフィーユ
豪華なコース料理ですね.
しかし知らないものが多いとは言え,想像の範囲内とも言える内容?
そして,日本のクリスマスケーキは日本独自に発展したものであることを改めて実感.昨日に引き続いて.