日本のソウルフードとなったおでん.
地方ごとに様々なご当地おでんが,そして,お店ごとにこだわりのおでんが息づいてきました.
NHKBS 美の壺「おでん」では,時の流れを染みこませたおでん.食通の有名人達が愛した個性派のおでん,さらには目でも味わえる至福の空間を演出したおでんを紹介していました.
yachikusakusaki.hatenablog.com
一方,NHK総合朝の顔 「あさイチ」12月19日のテーマは「オレのおでん」.
「オレ」といっている方々は;
人気と実力,誰もが認めるイタリア料理界のトップシェフ落合努さん,
祖父から三代日本料理一筋の中島貞治さん,
中国料理の神髄を究める料理人孫成順さん.
紹介した「オレのおでん」は
▽中嶋貞治さんの「たことレタスの出汁(だし)いらずおでん」
▽落合務さんの「和風ボリート」
▽孫成順さんの「スペアリブと春雨のおでん」
これっておでん?
どれもとっても美味しそうでしたが---.
もしかすると異論が---.「これっておでん?」
番組中では
中島さん「おでんって定義が難しいよね.いろんなおでんがあるから」
孫さんの料理を味わった落合さん「中国版スキヤキって味」
確かに孫さんの料理が普通おでんと聞いて思い浮かべるものとは一番離れている感じ.
しかし,一方ではボリートをオレ流おでんとした落合さん「イタリアで,おでんみたいだなって,いつも思っていた」
これを受けたイノッチこと井ノ原快彦さん.
イノッチ「何をもっておでんかっていう話しで,(ボリートをさして)おでんといえばおでんなんだろうなって気もしますね」
いつも最後の締めはイノッチの「あさイチ」.おでん論争もこれで決着としておきましょう.
それに,定義はともかく美味しいこと間違いなしですから.
作り方(注意点まとめ)
レシピは番組公式サイトにあります.夢の3シェフ競演 オレのおでん|NHKあさイチ
作り方をまとめたブログも散見.検索すれば幾つか見つかります.
ここでは,食材の紹介と,番組中の言葉を拾って,注意点等をまとめてみます.
なお,全ての料理について共通して「煮込むときは,はじめ強火(強めの中火).沸騰したら弱火」
▽中嶋貞治さんの「たことレタスの出汁(だし)いらずおでん」
売り文句
・だしいらず.
・中島さん「今晩食べましょう」
・「だしを使わないおでん.でも,これが絶品.煮込む時間もたった7分.思い立ったら,すぐに作れる手軽さも魅力です」
“だしいらず”の訳
「全部で,5つのだしとなる素材が入ることになるので十分」さつま揚げ,ちくわ,たこ,結び昆布,イカ風味かまぼこ
中島さん「最低でも4種類のだしが出る具材をそろえて」
素材の扱い等
・しらたき:「水に入れていただいて,強火で沸騰したら,弱火2分でことこと.匂いだとれるだけでなく,プリプリ感が増します」
・ゆでたタコ(スーパーで売っているもの):「食べやすい大きさに包丁します.結構グルタミン酸とか出るんで.あとで,扱いやすいので,竹串とかでさして下さい」
「だしが出る.煮すぎるようだったら出してしまうと固くならない」
・カブ:「カブは季節で美味しいし,火の通りが早い.皮をむいて,小さいものなら4等分.こっちは沸騰しているお湯に.表面に透明感が出たらOK.一分ぐらいかな.皮もむいてあるので,より短い時間でOK」
・さつま揚げ&ちくわ,がんもどき「油抜きのために,同じ鍋で下ゆで.湯通しする感じで,20秒もいれればOK」
・レタス:「シャキシャキ感を楽しめる.最後に入れて20秒で出来上がり」
試食中の言葉集
有働さん「だしが気になりますね」
イノッチ&孫さん「あ〜.やばいですよ」「中島さんってスゴイと思いますよ」
中島さん「あまり,沢山具材が入っているのは好まないが,後はお好み.例えばゆで卵」
落合さん「簡単でいいですよね.寝かす必要もない?」中島さん「ないす.出来たらすぐ食べられる」
中島さん「カブは短時間で煮える.皮もむいてあるので.下ゆでは,お湯に入れて短時間でOK.土鍋で火が通るから計算してるんです.料理は,理を料る(はかる)」
有働さん「さすが〜」
(中島さん顔が真っ赤)「有働さんに言われると」
▽落合務さんの「和風ボリート」
売り文句
・落合さん「今週末用意して,クリスマスに食べましょう」
・「イタリア版おでん,ボリート.北イタリアの冬の定番郷土料理です.じっくり煮込んだ豚バラ肉や鶏肉は,ほろっほろ.そしてたっぷりの野菜.食べ盛りの子供も大満足するおでんです」
「ボリートとはイタリア語でゆでるという意味.具はもちろん,このスープを楽しむのが,落合流なんです」
・特製ソース(サルサ・ヴェルデ,サルサ・マヨネーズ)でいただく.サルサはイタリア語でソース.
素材の扱い等
・野菜はセロリ・たまねぎ・トマトは欲しい.
・肉は最低3種類.出来れば骨付き肉も入れて.
・セロリは軽く叩いてから入れると香りが出る.トマトは丸ごと入れると,スープが濁らない&スープには薄い色がついて美しい.他の野菜はお好み.キャベツではなくて白菜の方が,クセがなくし上がる.
・ゴボウ,昆布はイタリアでは使わないけれど---.ゴボウは香りを良くする.
・鍋は大きめ.卵をのぞいて全部入れる.沸騰したら弱火で蓋をとったまま煮込み,柔らかくなった(竹串がすっと通るようになった)食材から順に出していく.
・すぐにも食べられますが,肉だけ入れっぱなしにして一晩寝かせるとずっと美味しくなる⇒コンソメが落ち着く.次の日,野菜を戻して,温める.
グリーンソース(サルサ・ヴェルデ):バジルとイタリアンパセリが主材.ケイパーはイタリアでは必ず入れる.アンチョビはあれば少しだけ---.「味が強いので好き嫌いがあるかもしれない」と落合さん.しかし全員に好評.
落合流サルサマヨネーズ: 混ぜるだけ.サンドウィッチやディップにも使える.スープを入れて硬さを調節.
孫さん「ソースをつければいくらでも食べられる」
▽孫成順さんの「スペアリブと春雨のおでん」
売り文句
・「旧正月に食べるという鍋料理をおでんにアレンジ.使うのは何とスペアリブ.その濃厚なうま味を,春雨と白菜がたっぷりすって,もう最高!白いご飯にも良く合いますよ」
・孫さん「簡単で,旧正月にお母さん方の手を煩わせないための料理」
素材の扱い等
・鶏ガラスープがなければ水でもOK.上レシピサイトでは鶏ガラスープの素でもよいとのこと(この場合はスープの素の塩分に注意).
・八角,けい皮,ホワジャオはお茶用のパックに入れて.
・スペアリブは鶏ガラスープが熱くなってから入れる(中華の基本).この時入れた後冷めるのを防ぐため分けて入れていくのがポイント.アクが出るのを防ぐことが出来る.
・鶏肉はぜひ骨付きで.スープが全然違う.
・冬は甘い白菜.葉の部分は手でちぎって,茎の部分は包丁の腹で叩いた後,そぎ切り!土鍋に入れるときに茎を先に入れれば,葉と同じ時間で煮える.
・豆腐は木綿豆腐を厚切りで.
試食中の言葉集
イノッチ「芯から温まる」「白菜の味がすごく良く出てます」
落合さん「中国版スキヤキって感じ」「ご飯すすむよ」
中島さん「八角のかおりだね.嫌いな人は入れなくてもいいんだろ?」「大丈夫です」「ご飯に合う鍋ってなかなかないけど,これは合う」
「本当にお箸でとれてしまうぐらい肉が軟らかい」孫さん「年配の方のためには,さらに10分〜15分長めに煮て下さい」