各国のクリスマス2(ドイツ編) クリスマスに七面鳥を食べますか?クリスマスケーキを食べますか? 昨年に引き続き,ドイツ・フランス・イタリアのクリスマスの食べ物をウェブ上で調べてみました.

昨年のクリスマス.

ドイツ,フランス,イギリスのクリスマス料理の話題を取り上げました.

yachikusakusaki.hatenablog.com

次の文に触発されて.

キリスト教七面鳥は関係なく,この習慣は新しいものであった.

元々七面鳥は,新大陸特有の大型食用鳥で,移住した清教徒達が行っていた十一月末の収穫祭の食べ物であった」

「この収穫祭がアメリカ独立後に感謝祭として法定休日となった.その日に振る舞われていた七面鳥やシカの肉が,クリスマスにも用いられるようになり,二十世紀に入って,他の西欧の国々でも食べられるようになった」

「だいたいドイツやオーストリア及び東欧では,クリスマスの料理は鯉などの川魚が主流で,今でもウィーンなどでは,この日ばかりは魚屋に行列ができる」

原田信男 "食をうたう"(岩波書店

 

いつもの事ながら,昨年の記事もその日に調べてアップしたもの.「間違えてない?」がいつも気になる.

そこで,今日・明日で昨年の内容を再チェックしていくことに.ただ,ウェブ上での情報だよりで限度はあります.各国に出かけて実際に経験してみたいのですね----.

 

検索のポイントは2つ:

「クリスマスに七面鳥を食べますか?」「クリスマスケーキを食べますか?」

 

今日はドイツ.明日フランス,そして昨年はなかったイタリアの予定.

 

食べ物の話が主で,以後,あまり触れませんが,

「各国とも,キリストの生誕を祝う日で,家族で集うのが原則.という点で,日本とはだいぶ異なっています」

 

ドイツのクリスマスフード


Christmas songs from Germany - O how joyfully (O du fröhliche)

ドイツでは七面鳥は食べません.

そして人気のあるクリスマスケーキは「レーズンとレモンピール,オレンジピールを練りこんで焼き上げたケーキ」

 

▽メインディッシュ

ドイツの代表的な伝統的なクリスマス用メインディッシュは,"Karpfen blau (鯉料理カルプフェン・ブラウ)"という魚料理.

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ドイツ大使館 ドイツ総領事館 - クリスマス・レシピ集

大使館情報なので,間違いではないのですが----.

英語で「Germany Christmas dishes」で検索してもこの料理の画像は出てきません!英語圏の人にはあたかも無視されているようで---.

検索で出てくる画像はガチョウの丸焼きとレーズン入りケーキばかり.

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German Christmas Dinner Recipes | HuffPost

注意深く見ていくと---.例えば German Christmas Traditions and Staples: Goose, Carp and Sweets には,以下の内容の記述が

 

『魚(鯉;日本の鯉とは似ていませんが)』

:伝統をより重んじるクリスチャンは魚を食べる,また,ドイツ北部では魚が好まれる.

『ガチョウ』

:ドイツ南部では,ガチョウが好まれる.これは,もともと11月11日のSt. Martin's day に食べられていたもの.

ガチョウも現在ではクリスマスのメインディッシュとして認められているようですね.

ただ,ガチョウは食べられているけれど,ドイツでは七面鳥は食べられていない!この点で,原田信男氏は正しかった.

(一方,昨年のブログで曖昧にしてあったフランスでの七面鳥の扱いですが----

よく食べられてきた.しかし,現在では人気がなくなってきているようです.明日もう少し詳しく記載の予定.)

 

そして,

ドイツでも元々はクリスマスイブがメインで,クリスマスツリーの下に置いたプレゼント交換をこの日に行い,そのあと豪華な食事をするのが伝統的なクリスマス.German Christmas Traditions and Staples: Goose, Carp and Sweets

ただ,日本語で書かれたドイツ情報では,「クリスマスイブの食事はソーセージや鮭の簡単なもの」としています.ドイツ人が書いたものも含めて.

そしてクリスマス当日のランチで豪勢な食事をとるとか(これはイタリアと同じ:明日掲載予定)

ドイツ式クリスマス・イヴの過ごし方:ドイツ再発見:So-netブログ ドイツ人のクリスマスイブの過ごし方 - Ecomドイツ語ネット クリスマスイブにドイツの家庭で食べられているのは、なんと! ドイツ/ベルリン特派員ブログ | 地球の歩き方

日本の正月と同じ?

忙しくなって簡略化している家庭がかなりの割合を占め,若い人や外国人(例えば日本人)からは,「これがドイツのクリスマス」と思われているような気がします.

 

▽スイーツ

これも,ドイツ大使館の情報を信じて.

(実際には新しいスイーツがどんどん入ってきているような気もします)

ドイツ大使館 ドイツ総領事館 - クリスマス・スイーツ

「クリスマス前になるとドイツでは,だいたいお家でクッキーを焼きます.

時間をかけて,腕をふるい,伸ばした生地を型抜きしたり,手で形を作ったり,生地を搾り出したりしてクリスマスのクッキーを作ります」

クリスマスのクッキーは地域や家庭によってさまざまですが,

「プレッツヒェンと呼ばれるものが一般的」「特に人気があるのはレープクーヘンという,香辛料を練りこんだ生地を,少し大きめに円形や四角にしたクッキー」

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また,

「クリスマスのお菓子の代表といったらやはり『シュトレン』でしょう.

これは,こってりとした酵母の入った生地に,レーズンとレモンピール,オレンジピールを練りこんで焼き上げたケーキで上には粉砂糖がたっぷりかかっています」

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