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「のらぼう菜」を購入しました.菜花同様かなり美味しかったです.つぼみと葉を食べる各地の“とう立ち菜” 茎立 (くくたち) / 万葉集 かみつけの,さののくくたち,おりはやし,あれはまたむゑ,ことしくずとも

1.フラワーショップには,菜の花が並んでいます

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桃の節句用のようです.

生産者が,寒い中がんばって(おそらく)つぼみにまでした桃の花と一緒に売られていました.その葉をみると---.縮れた葉っぱでした.もしかするとナバナとして食用に売られている食用改良種と一緒かも?

我が家の菜の花は食用菜花で,葉が縮れています.

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菜花は 食料品売り場でも並んでいます。最近人気のようです.

食用菜花でも縮れていないものも縮れたものもあるようですが---

Y先生は「縮れたものは食用に改良されたもので美味しい」って言っていました.葉が美味しい同族同種の野菜,例えば白菜?と掛け合わせた品種かなって思わせますが,詳しいことは不明.Y先生に聞いておけば良かった.

アブラナ(在来種)と同じ種Brassica.rapaの"変種"とされる野菜は,ハクサイ,ノザワナ,ミズナ、カブ、コマツナチンゲンサイ 等)

「大根と日本人」(2) & アブラナ科植物の花々15種の比較 - yachikusakusaki's blog

我が家のものもつぼみの部分と一緒に花茎を切り取れば食べられますが,花鑑賞に特化して,スーパーで売られているものを食べています.菜花は大好きで,このところ毎日のように.

 

2.とう立ち

つぼみの頃食べるアブラナ科の野菜,「菜花」が代表選手,を“とう立ち菜”と呼ぶそうです(新潟ではとう菜).

博多つぼみ菜/三陸つぼみ菜もあるので,つぼみ菜と呼んでもいいように思うのですが---.

とう(薹)が立つは

「野菜などの花茎(かけい:花をつけた茎)が生じ,伸びる」ことだけではなく,

「花茎が伸びすぎ,堅くなって食べ頃が過ぎてしまう」

こともさします.日本国語大辞典

後者の意味がむしろ多く使われますね.とう立ち菜ではあまり美味しそうな気がしない---.

(なお,とうが立つことを専門用語では「抽苔(ちゅうだい)」と呼ぶそうです園芸用語集 | は- タキイ種苗

 

 “とう立ち菜”は古来から,そして,現在も沢山食べられている.また,農家の方は当たり前に“とう立ち菜”を食べているよう.

 

◎古来から食べていた:かき菜」の説明に

万葉集、第十四巻の東歌に『上野(こうずけ)の佐野の茎立』の名前で歌われている」とあり,遅くとも8世紀後半には食べられていました.

かき菜 | 日本の食べ物用語辞典 かき菜 - 佐野そだち菜

アブラナ属がとう立ちしたものは,どれも美味しい.

藤田智さんは「トウ立ちさせない栽培ポイント」の中で次のようなコラムを書いておられます.https://shop.takii.co.jp/flower/bn/pdf/2728.pdf

「『トウ立ち菜も収穫して食べよう!』

野菜を栽培して取り残した株からトウ立ちしてきたら、トウ立ち菜を収穫しましょう。食べられるのは、

ハクサイ、コマツナチンゲンサイ、ミズナ、カブ、タカナ・カラシナ類などのアブラナ科野菜です(アブラナ科以外ではホウレンソウも)。

株が大きいハクサイは太い花茎がたくさん出るので、特におすすめです。

同じアブラナ科でも、キャベツやダイコンはあまり利用しません。収穫のコツは二つ。

つぼみのうちに取る.柔らかい茎を手で折る(ポキンと折れるところは柔らかい)

 

◎農家ではいろいろな“とう立ち菜”を食べてきた

やまむファームさんは次のように 野菜のとう立ち(薹立ち・抽苔)について - やまむファーム

「食べられるのは、コマツナ、ハクサイ、チンゲンサイ、ミズナ、カブなどのアブラナ科野菜のもの。蕾のうちが食べ頃で、基本は塩茹でして食べます。

旬が短く、鮮度が命なので、ほとんど流通することはなく、野菜本来の風味に独特の苦さと甘みのある味を楽しめるのは、農家の特権ですね.」

 http://www.nakayanet.co.jp/mametisiki.html によると,

漬け物で有名な野沢菜は,とう立ち菜用に別に種を蒔いて食べているとのことです

 

 

3.のらぼう菜

昨日「のらぼう菜」という“とう立ち菜”を手にれました.

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茹でて吸物に入れて食べてみたら,なかなか美味しいし,色が菜花より深い緑でなかなかきれいでした.

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のらぼう菜を調べてみると:

「のらぼう菜は東京都西部から埼玉県飯能市周辺で古くから栽培されてきたアブラナの一種

同じく北関東を中心に作られれ来た『かき菜』が在来種系であるのに対し、こちらはセイヨウアブラナの系統とされています。

江戸中期には『闍婆(ジャバ)菜』という名で幕府がこの種を配付したことで飢饉から民が救われたとの記録が残っているそうです。

いつ頃から栽培が始まったのかは定かではないようですが、『ジャバ菜』の名前から、ジャワ島を経由したオランダ船が持ち込んだのではないかと考えられ、江戸時代の初め頃には既に栽培されていたとされています。

伸びた花芽を摘んでも、次々また脇芽が伸びてくるほど強い生育力があり、収穫は柔らかい茎を、穂先から30cm程の所で手で折りとる事で、固くなってしまった部分を収穫してしまわないようにしてきたようです」

 

4.各地の“とう立ち菜”

のらぼう菜以外にも,各地でどのような“とう立ち菜”があるか調べてみると----.ちょっと調べただけで沢山見つかりました!以下に一部掲載します.

(写真に付記したリンクはクリックしても開きません.多くのものは http://nipponsyokuiku.net/syokuzai/janru/yasai.html  を参照)

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茎立 (くくたち)/ 万葉集

かみつけの,さののくくたち,おりはやし,あれはまたむゑ,ことしくずとも

上野(上つ毛 かみつけ)の,佐野の茎立(くくたち),折りはやし,あれは待たむゑ,今年来ずとも  作者: 不明 (第14巻-3406)

上野の,佐野の茎立,折りはやし,あれは待たむゑ,今年来ずとも

 

◎折口信男(万葉集) 

今年は帰ってこられなくとも,私はあの方を,この上野の里に出来る野菜の茎立ちを折って,それで和え物なんかをこしらえて,待って居ようよ