モクレンが満開です.
かつては多くのお宅の庭で見かけたものですが,最近は少なくなってきているような気もします.飽きられてしまったのでしょうか?
シロバナもありますね(種が違うそうです).こちらの方が愛されているような気も---
モクレンは漢字では木蓮が一般的ですが,木蘭と書かれる場合も.
どのように使い分けられるのか,歴史的にどのように使われてきたのか?
モクレン - Wikipedia では,根拠なしに
「昔は『木蘭(もくらん)』と呼ばれていたこともあるが,これは花がランに似ていることに由来する.今日では,ランよりもハスの花に似ているとして「『木蓮(もくれん)』と呼ばれるようになった」
とありますが---,勝手に想像で書いた匂いがプンプン.
「日本国語大辞典 小学館」では「(モクレンという)名は木蘭の字音」と記載してあります.そして,「もくらん」と呼ばれていたとの記載は,ウィキペディア以外にはどこを探して見つかりません.
古い時代に中国から渡来しました.
モクレンとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版によれば,
外側が紅紫で内側が白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代中期に編纂された『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にもその名が見られるとのこと.
もともとは、観賞のためではなく、漢方で「辛夷」(しんい)と呼ばれる蕾を、頭痛や鼻炎の薬とするために植えられたようです.
分類では,科と属の間に亜科を設けて分類されるので,
モクレンは
モクレン科Magnoliacea モクレン亜科Magnolioideae モクレン属Magnolia モクレンM. quinquepeta
となります.モクレン科 - Wikipedia
そして,
:園芸店では知る人ぞ知る名前.といっても,私は知りませんでしたが.
モクレンの仲間で美しい花を咲かせる園芸品種がたくさんつくられていて,皆カタカナ名で「マグノリア」と呼ばれているとのこと.
マグノリアとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
マグノリアは外国では人気で,米国 Louisiana 州,Mississippi 州の州花になっています.日本ではタイサンボク(Magnolia grandiflora)として知られているマグノリアです.
マグノリアの花言葉は「love of nature(自然愛)」(ランダムハウス英語辞典 小学館).
外国から見れば日本のモクレンもマグノリアということになりますが,日本のモクレンに限った花言葉は「壮麗」とのこと(カラー歳時記花木 - Google ブックス)
近縁植物の花々
モクレン属以外のモクレン亜科の植物は,日本ではあまり知られていないよう.
でも,そのモクレン属にはなじみ深い花々が数多く見られます.
モクレンとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 樹木図鑑(ハクモクレン)
白いモクレンは,別種.知りませんでした.一名ビャクレン.
モクレンの別名の「シモクレン(紫モクレン)」は花色にちなんでいます。
近年は、同じく中国原産のハクモクレンがより広く栽培されますが、モクレンとハクモクレンは、花色以外も大きく異なります。
ハクモクレンは樹高20mに達する高木で、単幹で幹が太くなりますが、モクレンは樹高4~5mほどの中高木で、株立ちになりやすく、やや横に広がります。
また、ハクモクレンは、花弁は9枚で、開花後に葉が出るのに対して、モクレンは、花弁が6枚、開花中に葉が出て花が終わるころには葉に隠れてしまいます。
(モクレンとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版)
コブシは,昔から春を告げる花としてとても有名ですね.桜の花に最近は押されっぱなしですが.
コブシとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 コブシとは |ヤサシイエンゲイ タイサンボクとは|ヤサシイエンゲイ
樹木図鑑(ホオノキ) オオヤマレンゲ - Wikipedia 樹木図鑑(ユリノキ)
ホウノキは,花より葉っぱの方が良く知られている?
「朴葉(ホウバ)焼き」「朴葉(ホウバ)味噌」に使われる葉ですね.
ここでとりあげた花木の中では,ユリノキのみがモクレン亜科ではなく,ユリノキ亜科ユリノキ属.
モクレンを詠んだ歌(カラー歳時記花木 カラー歳時記花木 - Google ブックス )
以下の歌の中では,竹尾忠吉はモクレンを詠っているようですが,北原白秋,斎藤茂吉はハクモクレンですね.
木蓮の幹は光りて日に白し花はこ青の空に揺れたり 前田夕暮
木蓮の木の細き枝にたるみあり花を保ちて皆空をさす 竹尾忠吉
白木蓮の花の木の間に飛ぶ雀遠くは行かぬ声の寂しさ 北原白秋
木蓮の白き花びら散りしける木の下かげをとほりて行ける 斎藤茂吉
最後に,再び我が家の庭からの写真
梅の木に小さな梅,黄色以外のチューリップも開花.
そして,咲くまでまだ何年もかかるササユリが芽を出しました.