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相模原市で大勢の障害者が殺される事件から約三ヶ月.---私の心にも,気に入らないものをじゅうりんし,抹消しようとする怪物が巣くっています.---あらゆる人の心を差別意識が支配し得るという現実を受け止めることから,差別のない世界への歩みは始まると思います. 東京新聞「発言」より

新聞・雑誌・本 相模原 障害者 差別 抵抗

差別撤廃 自覚が第一歩 沖野生海

発言 東京新聞 2016年(平成28年) 11月1日 東京朝刊 より

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 相模原市で大勢の障害者が殺傷される事件から約三ヶ月.その衝動と戦りつはいまだ多くの人の心を浸食するほど,悲惨で理不尽な出来事でした.一方で,差別を絶対の悪と見なす論調が世論の大勢を占めることに,ある種の恐怖を感じます.他人を差別する者としない者とに切り分け,前者を徹底的に排除しようとする意見も少なくない.そこに危うさが潜んではいないでしょうか.

 人間の歴史は,絶え間ない差別の歴史だと考えます.その対象は人間だけでなく,命ある全ての存在に及ぶ.自然に対する差別が乱開発などの環境破壊を引き起こし,動物への差別が彼らの乱獲や絶滅を招き,先人への差別が伝統文化の軽視や地方社会の衰退を支え,未来の子孫への差別が貧富の差や国土の放射能汚染を拡大させているとはいえないか.同じ時代に生きる者だけでなく,死者やまだ生まれていない者さえ脅かすのが差別という現象です.

 日頃から福祉に携わっている私の心にも,気に入らない者をじゅうりんし,抹消しようとする怪物が巣くっています.様々な幸運が重なって押さえることができていますが,一つ誤れば彼らが私に成り代わり,その衝動を実現する可能性は十分あります.

「人を差別してはいけない」「差別は悪だ」と唱えるだけでは何も変わらない.だれもが自信の内に怪物を宿し,すきあらば心身を乗っ取ろうとする彼らと共存する責務を負っている.人は差別する生物で,あらゆる人の心を差別意識が支配し得るという現実を受け止めることから,差別のない世界への歩みは始まると思います.

 

東京新聞の投書欄から引用させていただきました.

書かれている中には,よく理解できない表現や私の認識とやや異なる点がいくつかあります,しかし,以下は全くその通りだと思います.

「私の心にも,気に入らない者をじゅうりんし,抹消しようとする怪物が巣くっています」

「あらゆる人の心を差別意識が支配し得るという現実を受け止めることから,差別のない世界への歩みは始まる」

投稿者にエールを送ります.

 

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