ロシアの独裁者が,戦車を隣国にすすめました. 「一九三一年の日本軍閥による満州事変や三九年のヒトラーによるポーランド侵攻にも匹敵する侵略戦争が,まさかこの二一世紀に堂々と行われるとは思わなかった」「自由で平等な国民が政治に参加する共和政(民主政)が必要」「最終的にプーチンの蛮行を止める力はロシア国民にしかない.ロシア国民が自ら民主主義を勝ち取るしかないのだ」前川喜平/ 東京新聞 本音のコラム

ロシアの独裁者が,戦車を隣国にすすめました.

 

血を流す大規模な侵攻は,冷戦時にも見られなかったこと.国際政治の裏側は全く理解していませんが,あってはならないことが行われていることだけは理解できます.

各報道機関が特集を組んで情報を伝えています.

一致していることは「ここまでするとは」という驚き.そして,「どのような形で終息していくのであれ,良い結末は待ってはいない」という予想.

流される血が少ないことをただ祈るのみという一庶民の願いは,吹き飛んでしまいそうです.

 

数ある報道の中から,東京新聞の本音のコラムから,前川喜平さんの論を掲載させて頂きます.

 

 

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独裁者は戦争をする 

前川喜平 

東京新聞 本音のコラム 2022年(令和4年)2月27日

 

 プーチン大統領ウクライナへの侵略戦争を始めた.国連憲章違反の暴挙,平和に対する罪として指弾されるべき蛮行だ.一九三一年の日本軍閥による満州事変や三九年のヒトラーによるポーランド侵攻にも匹敵する侵略戦争が,まさかこの二一世紀に堂々と行われるとは思わなかった.

 プーチンの頭の中は,旧ソ連が五六年にハンガリー,六八年にチェコスロバキアに軍事介入した頃のままなのだろう.ウクライナが独立国だとは思っていないのだ.「ウラジミール,君と僕は同じ未来を見ている」と呼びかけ,北方領土を返してもらおうとした安倍元首相の愚かさには今さらながらあきれる.

 逆に今は「ウクライナは弱いからやられた.日本がウクライナになってはいけない」と軍事力強化を主張する声が高まっている.しかし軍事均衡で真の平和は創れない.カントは永遠平和のために,常備軍の廃止や国際連合の創設とともに,自由で平等な国民が政治に参加する共和政(民主政)が必要だと考えた.

 独裁者は戦争をする.独裁者プーチンの戦争を止めるため,まずは民主的な国々が返り血を覚悟で強力な経済制裁を行うべきだろう.しかし最終的にプーチンの蛮行を止める力はロシア国民にしかない.ロシア国民が自ら民主主義を勝ち取るしかないのだ.

(現在教育行政研究会代表)