中国の新型コロナウイルス対策: 「ゼロコビッド」施策をとった国々がその出口戦略で躓いたり苦しんだりしている中,「集団免疫」という,これも世界の大多数の国が放棄した戦略で,新型コロナウイルスに立ち向かおうとしていること,そして,その重要なステップとして,3歳から11歳までの子供全員にワクチン接種をする方針を打ち出し大キャンペーンを行っていることを,ニューヨークタイムズが報じています.

新型コロナウイルス対策で,「ゼロコビッド」という独自の道を歩み,感染者数.死者数とも抑え込んできた中国.

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「ゼロコビッド」施策をとった国々がその出口戦略で躓いたり苦しんだりしている中,「集団免疫」という,これも世界の大多数の国が放棄した戦略で,新型コロナウイルスに立ち向かおうとしていること,そして,その重要なステップとして,3歳から11歳までの子供全員にワクチン接種をする方針を打ち出し大キャンペーンを行っていることを,ニューヨークタイムズが報じています.

 

ワクチンによる集団免疫は,ニュージーランドも模索しているようですが,中国のこの他に類を見ない戦略は果たして成功するのでしょうか?また,この施策は,個人の自由より,国家を優先させる中国政府の方針のもと遂行されていますが,更なる人権抑圧の口実となっていくようにも思います.

 

The New York Times

December 6, 2021

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中国の「小さな接種された戦士」たち

中国では,年末までに3歳から11歳までの1億6,000万人の子どもたち全員にワクチンを完全に接種するという野心的なキャンペーンを開始しました.

 

政府のデータによると,10月下旬に始まったこのキャンペーンの最初の2週間で,この年齢層の子どもたちの約半数(8,400万人)が2回あるうちの1回目の予防接種を受けました.同時期の米国では,5歳から11歳までの子供の約10%(260万人)が1回の注射を受けています.

 

これは,中国が推進している「集団免疫」という目標の一環です.

 

多くの国がこの目標を放棄している一方で,特にオミクロンのような新しい亜種の出現により,中国政府はこの目標を倍増させようとしています.すでに11億人の大人がワクチンを接種していることから,この取り組みを成功させるためには若者が重要な役割を果たすと考えられています.

 

政府は予防接種は任意であると主張していますが,場合によっては,予防接種を受けていない子供が学校から退学させられたり,親が子供に予防接種を受けていない理由を公に説明するよう求められたりしています.

 

このような親の消極的な姿勢は,中国の子ども用ワクチンの安全性に関する実績に根ざしているのかもしれません.2018年のスキャンダルでは,何十万人もの子どもたちがジフテリア破傷風,百日咳の効果のないワクチンを接種された可能性があります.また,2013年には,中国製のB型肝炎ワクチンを接種した乳児17人が死亡し,当局はすぐに批判者を黙らせました.

 

しかし,一般的には,中国製ワクチンは安全であると考えられています.6月には,シノバックとシノファームのワクチンを3歳から17歳までの子どもに使用することが承認されました.

 

親の疑問は残るものの,中国はおそらく年内にほとんどの幼い国民に接種を済ませることができるでしょう.中国政府は,看護師,医師,地域の保健員を動員して,すべての親に,子供は自分の健康のためだけでなく,国のためにも腕まくりをするべきだと説得しています.この努力は,看護師が「小さな予防接種を受けた戦士」と呼ぶような子供たちのために,赤い花のステッカー,風船,おもちゃの箱などで支えられています.

 

共産党は,中国の権威主義モデルが他の国より優れている証拠として,たコヴィド19による5,000人未満の死者の数の少なさを指摘していますが,国境は閉鎖されたままで,一般市民は流行時に個人の自由が厳しく制限されます.

 

中国の疫病専門家である鍾南山氏は,「我々に必要なのは,集団的自由,社会的自由,国家的自由である」と述べています.「これらの自由があって初めて個人の自由が得られる」と.