新型コロナウイルスデルタ株の猛威を受けながらも，1日当たりの世界の感染者数・死亡者数は減少しつつありましたが，10月半ばすぎから再び増加しはじめました．
ヨーロッパにおける感染者の急増が，その要因となっており，WHOのヨーロッパ地域担当者は「ヨーロッパがパンデミックの震源地に戻ってきた」と表現しています．
なお，感染者・死亡者は，今後更に増え続けるおそれがありますが，その急増はマスクを着けるでだけでかなり抑えられると言われています．
以下，ニューヨークタイムズの記事をDeepL翻訳で．
‘Europe is back at the epicenter of the pandemic,’ a W.H.O. official says.
W.H.O. Official: 'Europe Is Back at Epicenter of the Pandemic' - The New York Times
「ヨーロッパがパンデミックの震源地に戻ってきた」W.H.O.の関係者は言っています．
ニック・カミング・ブルース
ニューヨークタイムズ 2021年11月4日
世界保健機関（WHO）は4日，欧州では再びコロナウイルスの感染者数がほぼ記録的な水準に達しており，今後3カ月間に50万人のコヴィド関連死が発生する可能性があると発表しました．
W.H.O.の欧州地域53カ国担当のハンス・クルーゲ氏は記者団に対し，先週新たに報告された世界のコロナウイルス感染者数の59％を欧州が占め，世界のコビッド関連死亡者数の約半数を占めていると述べた．
クルーゲ博士によると，ヨーロッパ地域ではこの1週間で180万人の新規感染者と約2万4千人の死亡者が出たといいます．
「パンデミックの復活は，もう一つの重要なポイントを迎えている」と述べました．「ヨーロッパはパンデミックの震源地，つまり1年前の場所に戻ってきました．」
この地域では，人口10万人あたり，1日平均30人以上の新規感染者が報告されており，その割合は9月中旬から約2倍になっています．人口比で1日あたりの新規感染者数が最も多い20カ国のうち18カ国は，ヨーロッパまたはW.H.O.がヨーロッパ地域に含めている中央アジアの一部の国です．
ドイツでは，24時間で33,949件の新規感染が報告され，過去最高となりました．ワクチンの接種率は67％にとどまっています．
ヨーロッパでは，コヴィド関連の死亡者数も増加しています．
「このままでは，来年の2月1日までにヨーロッパと中央アジアでさらに50万人のコビッド19による死亡者が出る可能性がある」とクルーゲ博士は述べています．
クルーゲ博士によると，Delta型変異株による感染の急増は，すべての年齢層に影響を与えていますが，高齢者での死亡率が最も高くなっています．先週死亡した人の4分の3は65歳以上で，ほとんどの人がワクチンを十分に受けていなかったそうです．
世界保健機関（W.H.O.）の予測によると，53カ国のうち43カ国では，今後3ヶ月間に病院が高ストレスから極度のストレスに直面する可能性が高いとのことです．
クルーゲ博士は，マスク着用などの予防措置が緩和されていることや，ワクチン接種を受けた人が少なすぎることが原因でウイルスが急増していると述べています．
この地域の8つの国では国民の70％以上にワクチンを接種していますが，2つの国では10％以下しか接種できていないといいます．ワクチン接種率が低い国では，病院への入院率が高くなっていました．
また，ワクチン接種率が比較的高い国でも，ワクチンを接種していない集団でアウトブレイクが発生しています．人口の72％を完全にワクチン接種しているイタリアでは，最近，労働者にワクチン接種を奨励するための厳しい国の規則が施行されましたが，新規則に抗議するために数千人のワクチン懐疑論者が集まった2週間後に，トリエステ市が感染の温床となりました．
クルーゲ博士は，マスクの着用，社会的な距離の取り方，室内の換気などの基本的な予防策が引き続き必要であることを強調し，ヨーロッパでは人口の95％がマスクを着用した場合，今後3ヶ月で18万8千人の命が救われるという予測に注目していました．
クルーゲ博士は，「我々は，Covid-19の急増に対応するのではなく，そもそも発生させないようにするために，戦術を変えなければならない」と述べています．
