サラさんがやって来たのは,都内にある巨大施設.本所防災館.体験型の防災施設です.「すごいリアルで,本物の台風みたいだったわ」「(ドアを押しても開かない---)足使ってもいいの?----あ〜こんなの絶対無理よ.重すぎるわ」「全く同じような施設が,韓国にもあるよ.あとは,科学・生物・放射能兵器に備えてガスマスクをつける体験もあるんだ.それから,空襲に備えての体験施設もあるよ」「アメリカにも作るべきだわ」NHK BS1 COOL JAPAN「天気〜Weather〜」4

COOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜

「天気〜Weather〜」4

NHKBS1  9月20日(日) 午後0:00~午後0:45

【司会】鴻上尚史リサ・ステッグマイヤー,【ゲスト】荒俣宏,【語り】日高のり子中井和哉

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 https://www.nhk.jp/p/cooljapan/ts/P2RMMPW5JM/list/

続いては,イタリアのサラさんが,ある体験をしてきました.

サラさんがやって来たのは,都内にある巨大施設.

 

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http://risk.tokyo/knowledge/honjobosaikan/


サラ(イタリア)「今日は.はじめまして.サラです」

本多さん「マイネーム イズ ムネカタ ホンダ」

案内してくれるのは,本多宗和さんです.

 

まず,長靴を履くように指示され,さらに雨具まで.

そして部屋へ.

本多さん「こちらのまん中に来てください」

サラ(イタリア)「ここに立てばいいの?」

 

ここで,暴風雨を体験するのです.

本所防災館.体験型の防災施設です.

地震体験や,消火体験など,様々な防災体験が無料でできます.

Flood, Rainstorm, Earthquake, Fire.

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本所防災館|各施設のご案内|防災館 東京消防庁 都民防災教育センター

 

サラさんも暴風雨体験に挑戦

 

本多さん「この手すりをね,持って,前後に(足を)開いてください」

指示が終わると,サラさん以外は外へ.どんな体験になるのでしょうか?

サラ(イタリア)「超怖いんですけど---」

(ボタンを押すと,中は暴風雨)

サラ(イタリア)「Oh my God」

サラさん.声も出ません.

雨は一時間当たり50ミリ.(非常に激しい雨/イメージ:滝のように降る)

最大風速30メートル/時間(屋外での行動は極めて危険/走行中のトラックが横転してしまう強さ)

こんなに激しい雨風を体験することはあるのでしょうか?

調べてみると.2019年の台風19号は---

最大瞬間風速44.8m/s(東京神津島),一時間最大雨量95.0mm(岩手県.普代)でした.

自然のパワーは,この体験をはるかに超えるのです.

 

サラ(イタリア)「ワオ.Oh my God」

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 https://www.nhk.jp/p/cooljapan/ts/P2RMMPW5JM/list/

本多さん「はい,サラさん.OKです」

二分間の体験を終えたサラさんは---

サラ(イタリア)「すごいリアルで,本物の台風みたいだったわ」

本多さん「やはりですね.まっすぐ来るものが,また壁に当たって,乱気流を起こすような,そういう設備になってますので---」

 

リアルな暴風雨を再現するための工夫があります.

一つは,体験者の正面に設置されたノズル.これで台風のような横殴りの雨を再現.天上のノズルは,大粒の雨や,霧状の雨など,様々な雨を再現します.

更に,前方の巨大扇風機から,最大風速30m/s の風が.

この風を壁にぶつけることで,乱気流が発生.そこに雨を加えることで,暴風雨を作りだしているのです.

このような防災施設ができたのは,5000人以上の死者・行方不明者をだした,伊勢湾台風(1959年)がきっかけでした.防災意識の高まり,今では,全国に150以上の体験型防災施設ができました.

 

本多さん「近年ですと,外国人の方が増えてきておりまして.やはり,日本ならではの気候,風土っていうものがありますので,より体験して頂いて,防災に対する知識,行動を身につけて頂いている.そういった状況でございます」

自国では体験できないことを学ぼうと,日本に住む外国人や観光客の防災施設への来館が増えました.

 

そして,最近力を入れているのが---

サラ(イタリア)「何ですか?」

本多さん「こちらが,都市型の水害を体験するコーナーで---」

都市部は水はけの悪いアスファルトが多いためゲリラ豪雨による洪水の発生が懸念されます.

ここは,車のドアが,30㎝水没した状態からの脱出を体験できるコーナー.

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本所防災館|各施設のご案内|防災館 東京消防庁 都民防災教育センター

 

サラ(イタリア)(ドアを押しても開かない---)足使ってもいいの?----あ〜こんなの絶対無理よ.重すぎるわ.映画とかだと簡単にやっているけど,実際はこんなに大変なことなのね」

 

体験して初めて分かる災害の怖さ.異常気象による災害が頻発する日本.避けては通れない問題となっているのです.

リアルに体験できる日本の防災施設.いかがですか?

 

「すごいね」

「すごいですよね.さあ,実際に暴風雨を体験したサラさん.いかがでしたか?」

サラ(イタリア)「イタリアではこういう暴風雨や洪水があまりないから,とても興味深かったわ.もし体験してなければ,浸水したときのドアの重さなんてわからないから.本当に大事だと思うわ」

 

「なるほどね.皆さんの国にも,こういう防災の体験施設っていうのはありますか?」

ジュン(韓国)「イエス

「お〜韓国はある.似たような感じ?」

ジュン(韓国)「全く同じような施設があるよ.あとは,科学・生物・放射能兵器に備えてガスマスクをつける体験もあるんだ.それから,空襲に備えての体験施設もあるよ」

「う〜ん.そうか.エアレイドair raidがあるのか.なかなか,リアルですね.

「アバンは,ありますか?」

アバン(シンガポールシンガポールには自然災害はすくないけど,僕は消防士だったから訓練があったよ.また,毎週土曜日には,地元の人たちが消防車で防災体験ができるんだ.特に化学兵器に対する訓練は役に立ったよ.

でも洪水や暴風雨の体験施設はなかったと思う」

「なるほどね」

 

「この自然災害をリアルに作ってる感じはどうでしたか?」

ネイサン(オーストラリア)「初めてこういう施設があることを知ったよ.オーストラリアにはないけど,山火事の体験施設があったらいいな.体験しないと,防災意識も生まれないと思ったよ」

「はるほどね.はい」

ホルヘ(チリ)「自然災害を経験するのは大事だよね.ほとんどの人が日本に来る前に体験したことがないからね」

「台風は来るの?チリは」

ホルヘ(チリ)「台風もあるし,山火事も地震もあるよ」

「そうか.アメリカにあってもいいのにね.これぐらいの」

ケリー(アメリカ)「私もそう思うわ.何でないのか分からないわ.消防署に行けば,体験できるかもしれないけど.あらゆる自然災害があるのに----アメリカにも作るべきだわ」

「そうだよね.特にハリケーンがいっぱいあるところとか」

ケリー(アメリカ)「ハリケーンも竜巻もあるから必要だわ」

「そうだね」

 

石原「皆さんも日本に来てああいうシビアウェザーみたいなものって遭いました?」

「ああ,やっぱ,何人か遭ってますね」

アバン(シンガポール「去年の台風19号が初めての経験で,世界の終わりの映画みたいだったよ.アパートが段ボールでできているみたいに揺れたんだ.

でも,もっと驚いたのが,翌日,全ての電車が復旧して,みんな仕事に行くために,ホームに並んでいたんだ.父から心配の電話がかかってきたんだけど,仕事してると言ったら驚いていたよ.日本には自然災害の歴史があるから,回復力がすごいんだよ」

「なるほどね」

ケリー(アメリカ)「日本で驚いたのは,大雨でも傘でなんとか出かけようとするの.ちょっと笑っちゃったわ.アメリカなら,車の中にいて落ち着くのを待つけど,日本人は,なんとかして天気と戦おうとしてるのよ」

「なるほど.はるほど.ほおっておいてもうちにいるみたいです.アメリカ人は」

 

リサ(イギリス)「雨が降った後の日本の空はきれいよね.マジックアワーっていう夕暮れの景色も好きよ」

石原「で,その,台風って衛星写真で見ると,すごいこう渦を巻いていてきれいなんですよ.安全なところにいて,台風を1日ゆっくり見ていたら,こんなこというと不謹慎かもしれないけど,こんな,面白いものないんです.先ず最初に東から西に空の低いところに黒い雲がダ〜タッタッタッタッタって走って,南風が吹いて,その内雨がザ〜っと降って,うわ〜怖いなと思っているうちにだんだん進んでいくうちにm風向きが北向きに変わっていって,都会のスモッグを全部台風の雲が持ってって,きれいな台風一過の青空が出る.日本はスケールは小さいけどものすごくいろんな雲が見れるんで,日本の天気の素晴らしだだと」

「なるほどね.日本料理につながる細やかさなわけですね」

石原「そうです」

 

さあ,今日は,日本の天気を見てまいりました.

「天気を気にする日本人」「てりふり人形」「暴風雨体験施設」

この中から,世界に発信した新たなジャパニーズクールを,鴻上尚史が選びます.

「ジャカジャンジャンジャンジャン,じゃあ,暴風雨体験施設!」

 

ベストオブクールに選ばれたのは,リアルな体験で防災意識を高める暴風雨体験施設でした.

「割と自然災害,各地にあるわけですから,これをやっぱり先に体験,無料でできるってのは,大事なことだと思いますね」

「はい,さあ,良純さん,いかがですか?」

石原「そうですね.1日に一度ね,朝起きて,あっ,こんな空だ,それを一年間続けたら,かなりいろんな空が見れると思うんです.自分の住んでる街から,空を見上げてもらいたいかなっていう気がします」

「さあ,納得して頂けましたでしょうか?皆さんありがとうございました.次回のクールジャパンをお楽しみに」