ムーサイ Mousai / ミューズ 1
(単数形ムーサMousa/英語ミューズMuse)
琴座の琴=竪琴Lyreの持ち主とされるオルペウス(オルフェウス)の母カリオペーを調べた時,ムーサイについても簡単にまとめました.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/06/13/000500
yachikusakusaki.hatenablog.com
稿を改めてとりあげます.
ムーサイ.つい最近までは知らなかった呼び名.
ミューズなら聞いたことがある----.
ミュージックmusic,ミュージアムmuseumの語源となった女神たち.
music(ランダムハウス英語辞典)
【1】音楽:----
c1250.中期英語 musike<ラテン語 mūsica<ギリシャ語 mousikḗ (téchnē)ミューズの(技法);
mousikḗ は mousikós(Moûsa MUSE より)の女性形
museum(ランダムハウス英語辞典)
博物館,美術館,記念館,資料館:
1615.<ラテン語 mūsēum ミューズの神々を祭った場所,学問または技芸に充てられた建物(特に紀元前280年ごろにアレキサンドリアに設立された学問所を指す)
<ギリシャ語 Mouseîon(Moûsa MUSE より)
the Theoi projectのサイトでは,ムーサイ/ミューズを下記のように解説しています.
ムーサイMousai (単数形ムーサMousa/英語ミューズMuse)
原文英語 DeepL無料翻訳+拙訳
https://www.theoi.com/Ouranios/Mousai.html
音楽,歌,ダンスの女神であり,詩人のインスピレーションの源でした.また,知識の女神でもあり,過ぎ去ったすべてのことを記憶していました.
後に,ムーサイには特定の芸術分野が割り当てられました.
カリオペー(カリオペ)は叙事詩,クレイオー(クレイオ)は歴史,ウーラニアー(ウラニア)は天文学,タレイアは喜劇,メルポメネー(メルポメネ)は悲劇,ポリュムニアー(ポリュムニア)は宗教的賛美歌,エラトー(エラト)はエロティックな詩,エウテルペー(エウテルペ)は抒情詩,テルプシコラー(テルプシコラ)は合唱と舞踊です.
古代ギリシャの壺絵では,ムサイは様々な楽器を持つ美しい若い女性として描かれていました.
後のアート作品では,9人のムサイにはそれぞれ特徴的な属性が割り当てられています.
ムーサイには,他に三人または四人のムーサイ・ティタニデスと三人のムーサイ・アポロニデスがあります.
ムーサイ・ティタニデスは,3人または4人の'elder Musai' (初期のムーサイ) で,往古のティターン女神です.彼女たちはメレテー(練習),アイオデー(歌),ムネーメー(記憶)と名付けられました.
これらのうちの最後の女神は,ゼウスの娘,オリンポスの9人の有名なムーサイの母親であるムネーモシュネー(記憶)と同じ女神とみなされています.
ムーサイ・ティタニデスは,9名のムーサイの原型というのが一般的なとらえ方のようですが,別のムーサイと考えても特に困ることはなさそうです.
また9名のムーサイに役割の記述がいつ頃からなのかは調べきれませんでした.
名前をはっきりと明記した初めの文献ヘーシオドス(ヘシオドス)・神統記(テオゴニアー,Theogony)には,役割分担の記述はありません.
そして古代ローマの時代には役割は確定していたとのこと.
CALLIOPE (Kalliope) - Greek Goddess Muse of Epic Poetry CLIO (Kleio) - Greek Goddess Muse of History