訪問看護師,半数が心身の暴力経験 東京新聞 / 介護職,セクハラ経験3割 東京新聞 / 麻生氏,再び「セクハラ罪ない」 閣議後会見で強調 東京新聞/ 相次ぐセクハラ発言 放言のち謝罪,女性議員もあきれ顔 朝日新聞デジタル/ 麻生氏「個人としてもセクハラ行為認定」福田前次官問題 朝日新聞デジタル/ 「セクハラ罪という罪はない」の答弁書,政府が閣議決定 朝日新聞デジタル

訪問看護師,半数が心身の暴力経験 セクハラも 利用者・家族から

東京新聞 2018年6月21日 夕刊

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 訪問看護師が利用者や家族から受ける暴力などのトラブルについて,看護師を派遣する訪問看護ステーション事業者の団体「全国訪問看護事業協会」(東京)が初の大規模な全国調査をした結果,回答者の約半数が訪問先で心身の暴力やセクハラを受けた経験があることが二十一日,分かった.

 

 超高齢化社会への移行が進み,住み慣れた自宅での看護や介護を希望する人が増える中,訪問看護師の役割は拡大.しかし,複数の職員がいる病院内と異なり,訪問看護は一人で利用者宅に行くリスクがあり,専門家は「安全対策が必要」と指摘.協会は予防策や対応をまとめた本を作るなど取り組みを進める.

 

 二~三月に協会に加盟する事業者の看護師と管理者にそれぞれアンケートを送って調査.看護師は一万一千百六十人のうち約三割が回答した.

 

 それによると,これまでのトラブルの有無を項目別にそれぞれ尋ねたところ「精神的な暴力」は約53%,「身体的な暴力」は約45%,「セクハラ」は約48%が経験があると答えた.過去一年間ではいずれも三割前後が経験していた.

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 特に影響が大きかったのは精神的な暴力で「大声で怒鳴られた」「能力がないと言われ,傷ついた」「脅された」の順に多かった.身体的な暴力では「殴られた」や「刃物を見せられた」といった回答があり,セクハラでは「体を触られた」や「アダルトビデオを流されたり,ポルノ雑誌を見えるように置かれたりされた」が例として挙がった.暴力を受けた看護師は約97%が上司や同僚に相談していた.

 

 管理者は五千五百八十人のうち四割弱が回答.全体的に対策を講じる必要があるという認識が明確で,約七割は暴力のリスクが高い場合に二人以上で訪問したり,管理者が職員と面談する体制を整えたりしていた.

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介護職,セクハラ経験3割 利用者や家族から

東京新聞2018年4月30日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018043002000120.html

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 「入浴介助でいやらしい言葉を繰り返された」「介護サービス中にアダルトビデオを流す」.介護サービスの利用者やその家族からセクハラを受けたことがある介護従事者が約三割に上ることが,介護従事者の労働組合「日本介護クラフトユニオン」のアンケートの中間集計で分かった.「利用者ありきの仕事だが,従事者の安全も考えて」と切実に悩む姿が浮き彫りになっている.

 

 労組によると,アンケートは組合員約七万八千人を対象に四~五月に実施している郵送方式の無記名調査.四月二十日までに回収した千五十四人分(女性九百八人,男性百四十六人)を集計した.

 

 セクハラの内容は「不必要に接触をはかる」「性的冗談を繰り返す」などが多い.経験者のうち19%が「誰にも相談しなかった」と答えており,その理由として「介護職は我慢するのが当然という風潮」「プロの介護職なら受け流すべきだと言われる」との声が寄せられた.

 

 セクハラの原因(複数回答)に関しては認知症精神疾患などに伴う症状とは別に,「介護従事者の尊厳が低く見られている」「ストレスのはけ口になりやすい」との回答が六割を超えた.必要な対応として利用者らへの啓発とともに,介護サービス事業所内での情報共有も多く挙がった.

 

 調査を担当した村上久美子さんは「働く環境を良くしないと,介護の人材不足は解消しない.労組として対策を検討し,何とか状況を改善したい」と語った. (石川修巳)

 

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東京新聞:「セクハラ罪という罪はない」 麻生氏、次官辞職で:経済(TOKYO Web)

麻生氏,再び「セクハラ罪ない」 閣議後会見で強調

東京新聞 2018年5月8日 夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201805/CK2018050802000271.html

www.tokyo-np.co.jp

 

 麻生太郎財務相は八日の閣議後記者会見で,福田淳一前財務次官のセクハラ問題を巡り「『セクハラ罪』という罪はない」とする持論を改めて強調した. (桐山純平)

 

 麻生氏は,訪問先のマニラで開いた四日の会見で同様の発言をしていた.この発言を受け,東京・霞が関財務省前や札幌市などで女性を中心に抗議の動きが広がったが,麻生氏は「(セクハラは)親告罪で,訴えられなければ罪ではない.(福田氏が)訴えられているという話も聞いていない」と反論した.

 

 今回の問題で財務省は先月二十七日,矢野康治官房長が謝罪会見を開き,福田氏がテレビ朝日の女性社員にセクハラをしたことを認めている.福田氏のセクハラの事実認定について,記者から改めて問われた麻生氏は「財務省として発表した通り」と述べ,謝罪もしなかった.

 

 

 

相次ぐセクハラ発言 放言のち謝罪,女性議員もあきれ顔

朝日新聞デジタル 2018年5月12日11時22分

相次ぐセクハラ発言 放言のち謝罪、女性議員もあきれ顔:朝日新聞デジタル 

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 福田淳一・前財務事務次官のセクハラ問題で,女性に「はめられた可能性は否定できない」と繰り返した麻生太郎財務相.批判を浴びて撤回したものの,問題発言は自民党内で相次いでいる.女性に対する心ない発言が後を絶たないのはなぜなのか.

 

 「大臣はよかれと思って発言しているのだろうが,本人のためにもなっていないし,ぼくらのためにもなっていない」

 

 相次ぐ麻生氏の問題発言に,財務省幹部はあきれた様子で語った.別の審議官級の幹部も「発言が火に油を注いでいる」と嘆く.

 

 そんな省内の声を代弁するかのように,再び問題発言が飛び出した11日の衆院財務金融委員会では,財務相経験のある野田佳彦前首相(無所属の会)が麻生氏を「説教」した.

 

 野田氏は「セクハラ罪という罪名はない.パワハラ罪もいじめ罪も,放言罪も失言罪もない.罪名はないけど,社会的には嫌がらせはいけない,人権侵害はいけない,しゃべったことに責任をもたないといけない.そこをわきまえているかどうかが今,問われている」とただした.

 

 麻生氏も同じ首相経験者の言葉に「以後注意したい」「私の発言が足を引っぱることになっていないかというご指摘は,真摯(しんし)に受け止める」と答えた.

 

 この日は,財務省の矢野康治官房長も衆院厚生労働委員会で「弁護士に名乗り出て,名前を伏せておっしゃることはそんなに苦痛なことなのか」との自身の発言を釈明.「女性記者の方は週刊誌に話を持って行き,ご本人が録音テープを持ち込んで記事ができあがっている.問題がなかったと言い張るつもりはないが,テレビに顔写真が出て,ほとんど『クソ野郎』という感じで報道された」と不満をにじませた.

 

 麻生氏と矢野氏の2人は,財務省が9日に開いた幹部向けセクハラ研修には出席していない.

 

 ただ,問題発言の発信源は,財務省にとどまらない.自民党下村博文・元文部科学相は先月22日の講演で,福田氏は「はめられた」とし,被害女性について,「隠しテープでとっておいて,週刊誌に売るってこと自体がある意味で犯罪だ」と発言.同党の長尾敬衆院議員は先月20日,財務省に抗議する女性国会議員らの写真をツイッターに載せ,「セクハラとは縁遠い方々」と書き込んだ.

 

 同党の加藤寛治衆院議員も今月10日,派閥の会合で「結婚しなければ子供が生まれない.人様の子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる」と若い女性たちに話していると述べ,いずれも撤回と謝罪に追い込まれた.(笠井哲也)

 

 

麻生氏「個人としてもセクハラ行為認定」福田前次官問題

朝日新聞デジタル2018年5月15日11時04分

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 財務省福田淳一・前事務次官のセクハラ問題をめぐり,麻生太郎財務相は15日の閣議後会見で「財務大臣としても個人としても,(福田氏の)セクハラ行為を認定したと考えて頂いて差しつかえない」と述べた.

 

 麻生氏は11日の衆院財務金融委員会で,「(福田氏)本人が(セクハラ行為が)ないと言っている以上,あるとはなかなか言えない」と述べ,個人としてはセクハラを認定できないとの考えを示していた.だが,15日の会見で,この発言の真意について問われると,「福田前次官のセクハラ行為があったと判断し,処分を公表している」と強調.そのうえで「財務大臣としてはもちろんだが,個人としてもセクハラ行為を認定した」と話した.

 

 一方,「廃棄した」としてきた森友学園との国有地取引に関する交渉の記録が残っていたと報じられたことについては,「今の段階で,あるともないとも言えない.できるだけ速やかに,この問題に対応していかなければならないと思っている」と述べた.(笠井哲也)

 

  

「セクハラ罪という罪はない」の答弁書,政府が閣議決定

朝日新聞デジタル 2018年5月18日15時26分

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 財務省福田淳一・前事務次官のセクハラ問題で,麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」と発言したことをめぐり,政府は18日の閣議で「現行法令において,『セクハラ罪』という罪は存在しない」とする答弁書を決定した.立憲民主党逢坂誠二衆院議員の質問主意書に答えた.

 

 質問主意書では麻生氏の発言を「不適切」とし,撤回と謝罪を求めた.これに対し,答弁書では「セクシュアルハラスメントに該当し得る行為には多様なものがあり,これらの行為をセクシュアルハラスメントとして処罰する旨を規定した刑罰法令は存在しない」と説明.そのうえで,「セクシュアルハラスメントが刑罰法令に該当する場合には,強制わいせつ等の罪であり,『セクハラ罪』ではない」とした.

 

 麻生氏は記者会見で「セクハラ罪っていう罪はない」と繰り返し,各地で抗議活動が起きた.麻生氏の発言について,野田聖子男女共同参画相は10日の衆院総務委員会で「適切な表現ではない」と答弁した.