森繁久彌さんの思い出を語った後,スタジオで「知床旅情」を生演奏した加藤登紀子さん.
「もともと森繁さんも,知床の人のために残した歌なので,歌手が歌うものではなくて,人々が歌う歌なんです.
よかったら一緒に歌って下さい」
加藤登紀子1 「『ひとり寝の子守歌』を歌っていたときに,舞台の袖に森繁さんが来て『僕の心と同じ心で歌うね.君は』って」 NHKごごナマ - yachikusakusaki's blog
続いては美空ひばりさんの話.そして「紅の豚」でマダム・ジーナを演じたときの逸話に.
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出演
U字工事(ゆーじこうじ)/福田 薫・益子 卓郎
昭和の大スターとの思い出を告白(続き)
「うたってましたもんね.子供のときから」
「これは国民的な愛唱歌ですね」
加藤登紀子「本当にうれしいですね.森繁さんが作られてから,私が歌うまで10年あって,それから50年くらいたちましたからね.」
「森繁先生がお作りになって,加藤さんが日本中にお広めになってという曲ですよね」
「このギターがとてもすばらしいです」
加藤登紀子「これ,古いんです.楽器は古いのはすごくいいって言われるのに,なんで女は古いのは」
「本当にね」
加藤登紀子「私も53年歌ってて,歌手になって最初の頃は,みんなに言われたんです.お前さんは長持ちしないだろうなって.気が変わるんじゃない?とか.
もちろん,私の中にも何度もあったんですね.違う仕事をしてみたいなって.
でも,やっぱり,歌を続けて歌ってきたことで,初めて,歌ってこういうものなのかというね.
歌は自分の果たせなかった夢とか.死んでしまったりするじゃないですか,みんな.
でも,その人が残した思いとか,命の代わりに生きてくれるものだなというのをすごく感じますね.長く歌ってきて,本当に歌は歌手として上手に歌うとか,そういうのじゃなくて,いろんな人の生きた気持ちの,それを代わりに歌っているんだという感じが今します」
「森繁さんに続いて加藤登紀子さんに勇気を与えた人が,もう一人いらっしゃいます.美空ひばりさん.どういうことがあったんでしょう?」
加藤登紀子「美空ひばりさんは,70年代,ちょうど同じ部屋でメークしてたことがあったんです.
その時に,
あなたの『ひとり寝の子守歌』,歌わせてもらってますよって.
それで,私,本当に借りてきた猫.小さくなって『有り難うございます』って言って,そのままそれ以上の会話はしなかったんですけど.
『ANAK』って曲も歌って下さって.
ひばりさんが和也さんのお母さんになられた頃,すごくあの歌を聴いて下さっていたそうで.
去年,私,ひばりさんの歌をたくさん歌わせて頂いたとき,和也さんと何度もお会いしてその話を聞いたんです.
本当に私の中では,すごく深いえにしを感じている方なので.生きていらっしゃる間に,お友達なんていえないけど,お話ししたかったなって思いますね」
「あまりCDとかは,お買いに求めにならないというお話しがありましたけど,美空ひばりさんは加藤さんのはずいぶんお持ちだったというお話しをうかがいました」
加藤登紀子「LPをお部屋に置いて下さっていたと聞きました」
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加藤さんの思い出のグルメは
: ロシア風餃子「ペリメニ」
加藤登紀子「シベリアギョーザ.ロシア風餃子なんですけど,満州のほうだけの料理かと思ったら,ポーランドとかウクライナでもこれが名物料理なの.これが本当のギョーザなんですね.
中はひき肉とタマネギだけ.にらとか入れないんだけど.子どもの時からうちの母が必ず誕生日のパーティーとかに,これを作りました.皆で集まって包んで.それで,からしじょうゆとか」
「からしじょうゆですと日本風ですね」
加藤登紀子「これは作って冷凍しておくんですよ.正月でも冷凍しておいて,来たお客さんの数だけ茹でて.それであとスープもできます」
「お鍋にも入れられますね」
加藤登紀子「私たちよく食べるギョーザに比べると,少し皮が厚いです」
「調味料変わってますね」
「まずロシア風で頂いてみましょう」
「食べやすい.もっちりしていて」「サワークリームと合う」
私の母は,20歳で結婚して,ハルビンっていう満州の町に行ってロシア人から料理を覚えたんですよね.だから,家庭料理でも,ボルシチとかよく作ってくれました」
「まさにおふくろの味ということになるわけですね」
加藤登紀子「でも中学の頃に,ロシア料理のお店開いちゃったんです.もちろん,母はコックさんじゃなかったけれど.ロシア人のコックさんが来て.
すごく,ロシアの音楽に触れながら育ちましたね.すごく大事な私の原点ですね」
「からしじょうゆで食べると,全然変わるんですよ.違う食べ物くらい印象が変わる」
「ご飯に合う」
意外な事実!
あのジブリ作品の名曲「サクランボの実る頃」は○○だった
「そのジブリ作品というのは,アニメ映画『紅の豚』.加藤さんがジーナの声を担当してまして,挿入歌で『さくらんぼの実る頃』を歌ったんですけども,これが実は○○だった.ヒントとしたら,収録関係といいますか」
「僕,前に加藤さんにお聞きしたことあるんですけど,お店で歌われたんですよね」
加藤登紀子「映画上映の1年前に,今のレストラン,スンガリーっていうロシア料理のお店にピアノがあって,ステージがあったんですね.そこで,ホテルアドリアーノの風景をビデオに撮ったんです.
そのとき,初めてフランス語の歌詞で『さくらんぼの実る頃』を歌った日なんですよ.撮影するために歌がないとだめだってことで」
「1回,答を発表しましょう.正解はこちらです.意外な事実!
『実は,テスト版だった』.
収録場所が新宿のお店で,知らないままに歌って.それが使われると」
Porco Rosso - Le temps des Cerises - Tokiko Kato
加藤登紀子「知らないままではないんですけど.小さいテープレコーダーで,仮に音楽がないと,画が撮れないから,とりあえずなんでもいいから,歌って下さいよって言われて.
フランス語の歌詞を見ながら歌ってとった音源で.いずれ本チャンを撮ると思ってたんですが,1年後にそれが出ちゃったんです.びっくりして,予告編みたいなのが流れたときに,その時の仮録が出ちゃったんです.
びっくりして宮崎さんに,『これ,本当のレコーディングはいつするんですか』って聞いたら,あの時の歌で十分ですと言って頂いて.
魔法にかかったみたいな感じで.不思議ですね.すごく好きなんですけど.私も.結構,リラックスして歌ってるんですね.
業師ですね,宮崎監督.魔法にかけたんです.きっと私に」
「その時の歌声が一番よかったと言うことですかね」
加藤登紀子「その時に.
よく言われるんですけど.私じゃなくてジーナが,すごく色っぽいじゃないですか.この色っぽさというのは,どうしたら出るんでしょうかってよく質問されるんで.
これは私がやってるわけじゃないんだけど,宮崎さんが
『手をさしのべるときは,男の目をじっと見つめて,男が指先に触れたときにふっとめをそらす』って.
そういう演技とか,歌うときの唇が,男がキスをしたくなるような唇で歌うとか.
そういう指示をなさって.
初めてそういう演出されました.そうやって歌った映像が元になっているんです」
「なんとも言えない,大人の色気が出てますもんね」
「あの唇が,男がキスをしたくなるような」
「分かります.真ん中が開いてるんですよね.口角が開いてないんです」
続く