ギンナン 銀杏 電子レンジで1分.紙袋に入れて.今は簡単に食べられますね.でも,ギンナン拾いは結構やっかい(ギンナン皮膚炎:アレルギー性接触皮膚炎). そして,おいしいといって食べ過ぎてはいけません(ギンナン食中毒による嘔吐・けいれん:子どもやビタミンB6不足の人は特に要注意)

ギンナン 銀杏

おいしいですね.日本へ入ってきたのも,おそらくイチョウの木より先.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/plmorphol1989/13/1/13_1_31/_pdf

長い間,単なる嗜好品ではなく,「薬効をもつ食べ物」だったのでは?現代では薬として扱うことは稀のようですが,今でも漢方薬関連の一部サイトにはギンナンの乾燥品ギンギョウの薬効の記載が.銀杏(イチョウ)中医生薬解説

 

 とはいえ,現在はスーパーや八百屋に並ぶ食品.分類としては「種実類」として扱われます.

電子レンジで1分.紙袋に入れて.今は簡単に食べられますね.

f:id:yachikusakusaki:20171105224951j:plain

焼いたら,香ばしさも加わって更においしい.ゆでて煮物,茶碗蒸し---.

 

でも,ギンナン拾いは結構やっかい

まずは熟したギンナンの匂い

そして,匂いは我慢してもかぶれるから注意

ということで,

果肉(正確には外種皮というらしい)から分ける作業は---「銀杏に触ってはダメ」.子供の頃,ゴム手袋は貴重であまり使えず,割り箸で剥いていました.

面倒くさいときには土に埋めて何日かしてから種だけ掘り出したことも.

銀杏はかぶれ以外にも

食べ過ぎによる中毒(てんかん様の発作)も発生する可能性があるということで---

以下調べてみました.

 

ギンナンによるかぶ

http://www.derm-hokudai.jp/jp/shinryo/pdf/7-02.pdf 接触皮膚炎|皮膚疾患 症状 対策 治療|品川シーサイド皮膚・形成外科クリニック| によれば,

銀杏によるかぶれは,“銀杏皮膚炎”とよばれているそうで,「アレルギー性接触皮膚炎」の1つ.

ギンナンは,ウルシなどとともに,“抗原となりやすい植物”の代表.

f:id:yachikusakusaki:20171105165512j:plain

ただ,この表には、例えばキクなど,ほとんど注意しない植物名も.

他サイトではキク科植物(菊,マーガレット----),チューリップ,シソまで記載されていて---.広範囲の植物が原因物質に!

ギンナン皮膚炎は“アレルギー性”ということですから,誰もが皮膚炎を起こすわけではない.

銀杏の成分に「感作」された人しか発症しない;1回どこかで触ったことがあって体がそれを覚えている方だけ,2回目以降皮膚炎をおこすということですね.

しかし,ウルシやギンナンのかぶれが多いように素人考えで思っていましたが.もし実際にそうだとすれば,キクなどの植物よりも感作される人が多いということなのでしょうか?

なお,ギンナン皮膚炎を起こす人はウルシにもかぶれる「交叉反応」がみられることが多いようです.https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/62/3-4/62_KJ00008771070/_article/-char/ja/

 

 

ギンナンによる食中毒

昨年の東京新聞に「ギンナン 中毒に注意 食べ過ぎると嘔吐やけいれん」

の記事が掲載されました.

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201611/CK2016112902000180.html

www.tokyo-np.co.jp

f:id:yachikusakusaki:20171106012010j:plain

ギンナン中毒についてはいろいろ調べたのですが,この新聞記事が最も分かりやすくまとめられていました.是非ご一読を.

以下,内容を少しまとめてみますが---

▽日本中毒情報センター(公益法人)には過去10年間に256件のギンナン中毒が報告され,その6割を5才以下の子どもが占めた.

▽症状は

けいれんや目まい、嘔吐などの神経症状.

子どもの場合は七個以上、大人で四十個以上食べると症状が出る恐れがあり,一度に大量に食べなくても、一日数十個を継続して食べた場合も中毒を起こす可能性がある.

 

▽具体例

・二歳男児が昼に、いったギンナンを二十個食べたところ、三時間後にけいれんを起こした.救急搬送され、ビタミンB6を注射する治療を受け、三日後に退院できた.

・五十代男性のケースでは、晩酌で日本酒を飲みながらギンナンを百個以上食べたところ、翌朝になって嘔吐.けいれんを起こして意識を失い、発見した家族の通報で病院に運ばれた.

 

▽中毒のメカニズム

「ギンナンに含まれるメチルピリドキシンという物質が、ビタミンB6と構造がよく似ており、中毒を引き起こす原因との説が有力.脳内で神経伝達物質がうまく代謝できなくなり、けいれんや目まい、嘔吐などの神経症状を起こすと考えられている」(公益財団法人日本中毒情報センターの遠藤容子・大阪中毒110番施設長)

 食糧難時代に多発し死亡例もあった.食生活が改善された1970年以後死亡例はないが,子どもに加え,偏った食生活やアルコールの飲み過ぎなどでビタミンB6が不足がちな人は、中毒症状が出やすいと考えられている.

 

▽昔から「年齢の数以上食べてはいけない」とされてきたギンナン.子どもも含めて、一度に大量に食べないことが第一.

もし食べた後に意識がなくなったり、けいれんを起こしたりした場合は、救急車を呼ぶことを勧める.

 

日本中毒情報センター(相談無料)

大阪中毒110番(24時間対応)=電072(727)2499=

つくば中毒110番(前9~後9)=電029(852)9999=

 

沢山調べた証拠?を最後に一覧で.

http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf Ginkgotoxin - Wikipedia ギンコトキシン - Wikipedia An antivitamin B6, 4'-methoxypyridoxine, from the seed of Ginkgo biloba L. - PubMed - NCBI Ginkgotoxin Induced Seizure Caused by Vitamin B6 Deficiency The human pyridoxal kinase, a plausible target for ginkgotoxin from Ginkgo biloba. - PubMed - NCBI http://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/ginkgo.html