果物の美味しい季節.
ブドウ,ナシ,モモ,スイカ---
今日はメロンを買いました.
このお店は,とても安い店として知られています.
メロンは赤肉と緑肉がありますが,私の好みは赤肉種.完熟していればどちらもおいしいのですが,熟し方が足りないときの緑肉メロンは今ひとつ.
今まで選んでいた品種は、クインシー.今日の表示はただ「北海道 赤肉」とのみ.
どんな品種が育てられているか,調べてみました.
https://www.alic.go.jp/content/000126287.pdf https://www.kudamononavi.com/zukan/melon.htm http://www.daigaku-seed.jp/hinsyu.html 統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
北海道は高級な夕張メロンが有名ですね.夕張メロンは商標登録の名前だそうで,品種名は夕張キング:
「夕張メロンは、果肉が赤肉系品種でスパイシーカンタロープとアールスフェボリットの一代交配種で、品種名は夕張キングである」登録の公示(登録番号第4号):農林水産省
購入したものはこの様な高級品種ではありません.
他の品種も赤肉のようですが,ルピアレッドならば,そのように表示しそうに思います.ということは,レッド113U?
なお,全種の合計では,茨城県が収穫量,出荷量とも一位ですが,
メロンの王様:温室アールスフェボリット系(いわゆる“マスクメロン”)の生産量は一位が静岡県,二位が愛知県で,茨城県は三位とのこと.
メロンの栄養
赤肉メロンは,見た目や味が違うだけではなく,カロテンが多いことが特徴です.
やや見づらい表ですが,他の野菜,果物と比べてみましょう.
「β-カロテン当量」に当たるところがいわゆるカロテンの量に相当します.
緑肉種メロンのカロテンはとても少ないのですが,赤肉種は多くの野菜,果物を圧倒して,緑黄色野菜の代表選手ホウレンソウに迫る値です.
付け加えると,メロンの栄養成分は,とてもバランスのとれたもので,カルシウムは物足りないものの,カリウムたっぷり.ビタミンCは,カキ・ミカンには及ばないものの,野菜類と遜色ありません.
メロンは野菜か果物か?
当然果物ですよね.実際,上記の栄養成分を調べたときの画面では,
「果実類」をクリックして,果実類の一覧から「果実類/メロン/露地メロン/緑肉種、生」と「果実類/メロン/露地メロン/赤肉種、生」を選んで---栄養成分の一覧をゲット.
日本の「食品成分表」(文部科学省)では,果実類に分類されています.
ところが----
生産量を調べようと総務省統計局のサイト「e-stat 作物統計 果物」で検索すると----
果物はなくて,果樹なら記載がある.
作物統計調査>作況調査(果樹)>確報>平成27年産果樹生産出荷統計>年次>2015年
を開いてみると----
メロンがない!
「確かにメロンは果物ではあっても,果樹じゃないよね.ではどこに?」
なんと,「平成27年産野菜生産出荷統計」の一覧に,「メロン」がありました.「いちご」や「すいか」とともに.
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001164543
「農林水産省では、園芸作物の生産振興を効果的に推進するため、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。従って、一般的にはくだものとは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、
くだものと呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。」
だそうです.
ややこしい!
ここで思い出しました!
「原体験コラム」の記事を.
「 農学の基準では、木本植物に実をつけると果物、草本類に実をつけると野菜と定義します。この分類ではバナナは果物、メロンは野菜です」
(全文は以下で.)
メロンは野菜か果物か? どう考えても果物と思うけど… │科学実験データ│科学実験データベース│公益財団法人日本科学協会
思い出すのが遅すぎ.
ずいぶん時間を無駄にしました.何気なく読んでいるだけで,身についた知識にはなっていませんでした.
「畑の作物は野菜」「果樹園の作物は果物」と覚えておけば忘れない?
そのコラムの続きはとても高尚.
時間があるときにゆっくりお読み下さい.
メロンは野菜か果物か? 答えは一つでないほうがよい │科学実験データ│科学実験データベース│公益財団法人日本科学協会
メロンは野菜か果物か? 答えは一つでないほうがよい
メロンが野菜か果物か,あるいはバナナは野菜か果物か,私たちが認識していないだけで,決まりごととして「〇〇は果物」「△△は野菜」とあるものだと思っている人も多いでしょう.
ところが,答えは一つではありません.学問的な分類にあたっては一応の決まりごとがありますが,経済性などの別の視点でその分類が異なることは先ほどお話しました.
果物や野菜の分類に限らず,立場や環境の違いで,同じものの位置づけが異なることは,日常に溢れています.
すべてがくっきりと明確な線引きができるわけもないのですが,人は何かと分類をしたがるものです.
みなさんも知らず知らず線引きをして自分なりの狭い定義に当てはめることがあるはずです.どうやら,そのような分類をすることで(いろんな場合を想定して)脳を無駄に消費しないようにしているのではと勘ぐりたくなります.
自分の価値観,それに基づく自分のやり方,決まったパターンがあると脳はずいぶん楽ですね.その都度,考えていると疲弊して・・・極度の緊張状態を終日強いられることになり,一日の終わりに興奮状態で眠れないかもしれません.
けれども,狭い見識の中で怠け者の脳にしてしまうことは,とてももったいないことです.
自分の価値観と異なる価値観に触れ,触発されて考えを深めることは心地のよいことです.これといった成果がなくても「聞く耳を持つ」柔軟な姿勢は,自分も周囲もやわらかくします.
他者理解,異文化交流,共存などと硬い文字で難しく考えなくても,日常の暮らしの中でそれらの態度が身に付くのではと思います.
⇒メロン2