詩歌(万葉以外)/ 短歌に詠まれた植物

藤袴  七草の一つフジバカマの話題をいくつか.1. わが家の藤袴は園芸種の白花ですが,一般的には赤みが混ざった花を咲かせます.園芸店で売られているものの多くはサワヒヨドリとの交配種が多いそうです. 2.フジバカマの学名は,二つあります.3. 「藤袴」の異名「蘭(らに)」  萩の花 尾花葛花(くずはな) 瞿麦の花 女郎花 また藤袴朝顔の花 山上憶良  宿りせし人の形見か藤袴忘られがたき香ににほひつつ 紀貫之   蝶二つ激しく翅を開閉す「万葉の園」ふじばかまの花 日野裕子 

秋の七草の一つフジバカマの話題をいくつか. 萩の花 尾花(をばな) 葛花(くずはな) 瞿麦(なでしこ)の(が)花 女郎花(をみなへし) また藤袴(ふぢはかま) 朝顔の(が)花 山上憶良 万葉集 巻八 一五三八 1. 様々なフジバカマ? わが家のフジバカマが開花…

コスモス  普通のコスモスの和名はオオハルシャギク.あまりピンとこない名前ですね.明治期,小学校に栽培法を付記して頒布してから急速に広まり日本の秋を代表する花になったとか.花の名前が「宇宙/秩序」. ながながと折れたるままに先青みわづかに抬(もた)げてコスモス咲けり 若山牧水  たわたわに吹かれ乱るるコスモスは風道の中にあるにやあらむ 宮柊二  四十代この先生きて何がある風に群れ咲くコスモスの花 道浦母都子

フラワーショップの店先に,コスモスが並んでいました. 普通のコスモスCosmos bipinnatuとキバナコスモスCosmos sulphureus. オオハルシャギク - Wikipedia キバナコスモス - Wikipedia どちらにも,沢山の園芸品種が開発されていて楽しめます. https://y…

「秋の雑草・庭の花」3 おなじみのエノコログサ.本当にネコをじゃらして遊んだ方も多いのでは?カナムグラは「葎」というイメージにぴったりの雑草.カラムシとナンバンカラムシがすぐ近くに生えていました.苧麻です.秋の花「紫苑」.平安時代から愛され,古今集にも枕草子にも,その名前が取りあげられています. しをに   読人知らず  ふりはへて  いざふるさとの  花見むと  こしを匂ひぞ  うつろひにける 古今集

台風は,関東地方を直撃することはなく,通り過ぎました.しかし,ここ何日かは雨or曇. 今日は,台風接近以前に撮った写真から. 「秋の雑草・庭の花」3 「秋の雑草・庭の花」1 yachikusakusaki's blog 「秋の雑草・庭の花」2 yachikusakusaki's blog まず…

ヒガンバナ属Lycoris には,ヒガンバナ,シロバナマンジュシャゲの他,13〜20種が属しています.ナツズイセン,キツネノカミソリ----.原風景を形づくる花の一つですが近代に至るまで短歌に詠われることはありませんでした.冬の光さしそふ野ベの曼珠沙華青々としたる一むらの草 斎藤茂吉  彼岸花咲きて閉ぢたる山峡(やまかげ)を婚礼の列,葬(はふり)に似て歩む 斉藤史  子が折りて遊びし花か枕べに灯影吸ひつつ曼珠沙華の花 宮柊二

昨日はシロバナマンジュシャゲ(シロバナヒガンバナ)を中心に,彼岸花についてのいくつかの話題を取りあげました. ヒガンバナ属Lycoris には,ヒガンバナ,シロバナマンジュシャゲの他,13〜20種が属していて,園芸用に開発された品種も数多いとされていま…

鎌倉宝戒寺まで,萩を見に行ってきました. 関東地方では,萩の名所として名前が挙がる寺院です.来週の週末見頃かと思います. 萩むらにすでにこもらふ虫のこゑ朝な夕なを隣りて住めば 北原白秋  青あをとうちなだれつつ繁りたる萩一叢の庭のするどさ 宮柊二  もみじするやさしき季節ひらくごとひそかに零(こぼ)るる山萩の紅(あけ) 川口美根子

昨日の海蔵寺に続いて,今日は,鎌倉宝戒寺まで,萩を見に行ってきました. 関東地方では,萩の名所として名前が挙がる寺院です. 萩の名所 / 関東周辺の萩の名所を紹介 萩の花の名所in関東の鑑賞スポット紹介!おすすめポイントや料金など | 夫婦ふたり旅研…

ソクズは レンプクソウ科 ,ニワトコ属 .ニワトコは,漢字で接骨木.接骨木は生薬名にもなっていて,その時は「セッコクボク」と読むようです.茎は打撲傷やうち身に,花や葉は利尿.セイヨウニワトコ,アメリカニワトコは,熟して黒くなった実を食用に.ニワトコは,古事記・万葉集では「やまたづ」と呼ばれていました. 君が行き日(け)長くなりぬやまたづの迎へを行(ゆ)かむ待つには待たじ 軽太郎女

昨日見かけたソクズ(蒴藋).小さな花が集まっていて,よく見るとなかなか美しい花.実もなかなかかわいらしい. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/08/12/235533 レンプクソウ科 Adoxacea,ニワトコ属 Sambucusの植物で,別名クサニワト…

万葉集のユリを詠んだ歌12種の多くはササユリを,東国の歌ではヤマユリを詠んでいると考えられています.平安〜江戸時代の歌題としてはあまり取り上げられず,近・現代に再び多くうたわれるようになりました. ゆあみする泉の底の小百合花二十の夏をうつくしと見ぬ 与謝野晶子  髪ながき少女(おとめ)とうまれしろ百合に額(ぬか)は伏せつつ君をこそ思へ 山川登美子  さびしさよ甕(かめ)に盛られし百合の向ふに人垣の向ふに君がゐるなり 河野裕子

15種の自生種,8種の固有種がある日本は,「ユリの王国」とも言える国. 第3回 日本はユリの王国 | BloomField - ガーデニングABC - ユリと日本 | ユリ.net https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/06/28/012534 yachikusakusaki.hatenablog.co…

オニユリ おんめ様(鎌倉大巧寺)の小径にオニユリが咲いていました.”古くに中国から「食用として」伝来した”とする説があります.「ゆりね」ですね.百合根としてはオニユリの他,ヤマユリ,コオニユリが食べられているとのことですが.商品として現在出回っているのは,北海道産コオニユリの栽培種.改めて栄養成分を蓮・玉ねぎ・ほうれん草と比べてみました.お確かめください.  鬼ゆりはまことに夏花濃みどりの切れのよき葉も力にみちたり 宇都野研

今日も,おんめ様(鎌倉大巧寺)の花を取りあげます. オニユリです. オレンジ色に黒い斑点.反り返った花びら.遠くからでもよく分かる花姿で,誰もが知る百合. 日本に自生していますが,”古くに中国から「食用として」伝来した”とする説があります. オ…

暑すぎてわが家のムクゲは,すっかり花を落としていますが,街の,そしておんめ様のムクゲ,ハマボウはしっかり花をつけています.ムクゲの属するアオイ亜科の花はいずれも美しのですが,中でもムクゲは,アメリカでも聖書の花の名前「シャロンのばら」と呼ばれ,ブッソウゲ(ハイビスカス)同様,愛されているようです. 花木槿見るものにして母と娘(こ)はいふこともなく只足らひをり 四賀光子

梅雨の戻り?が終わって,再び暑い日がやって来ました. 梅雨明けが早かったせいでしょう.わが家のムクゲは,すっかり花を落としています. 夕方散歩で街に出ると,商店街の一角の白のムクゲが,しっかり花をつけていました.毎年楽しませてもらっています…

ハマユウ2  ヒガンバナ科ハマオモト属に分類されますが,同属の植物のほとんどは熱帯・亜熱帯を原産地とし,浜木綿もおそらくインドネシア原産.ハマオモト属の植物は,百合に似た大きな花をつけるため園芸植物として愛好されています.花の形状,葉の力強さから,古代より日本人の目を引きつけてきた浜木綿は,近・現代でも多くの歌人が取りあげています.  浜木綿の鉢を入れ守り居り午後にしなれば日の光さす 斎藤茂吉

ハマユウ(浜木綿)は,古代より日本人の目を引きつけてきた植物. yachikusakusaki.hatenablog.com その花の形状,葉の力強さ---- 関東南部以西の海岸に自生してきました.原産地を特定した記事は少ないなか,「インドネシア,スマトラ」と特定しているサイ…

ホンカンゾウ(本萱草) 門前に植えられているところを通りかかりました.鮮やかな花です.ノカンゾウ,ヤブカンゾウとともに「わすれぐさ」として知られる植物.中国では「食するとうれいを忘れるという」(字源).山菜のノカンゾウ.もっと人気が出てもよさそうですね. それとなく紅き花みな友にゆづりそむきて泣きて忘れ草つむ 山川登美子

散歩の途中,一軒のお宅の門の横に植えられた花.一輪は既に萎れていましたが,もう一輪はまだ元気に鮮やかな色彩を保っていました. PictureThisの判定は,ホンカンゾウ(本萱草). ノカンゾウの栽培種ですね. ノカンゾウ,ヤブカンゾウ,そしてこのホン…

ヒオウギとシャガ  シャガの名前の元となった漢字「射干」は,中国では和名のヒオウギ(檜扇)を意味する言葉.一方,「射干玉」は,「ぬばたま」と読み,ヒオウギの黒い実のことです.明治以降でも射干を「ひおうぎ」とルビした歌人もいます.:われを責むるごときしづかさ射干(ひあふぎ)の黒き珠美の熟れつつありて 清原令子  どちらを詠んだのか分からない歌も:射干(ひおうぎ)の花のふふまむ頃となり山ほととぎすいまだ聞こえず 斎藤茂吉

シャガとヒオウギ シャラノキ(沙羅樹 ナツツバキのこと) / サラソウジュ(沙羅双樹)同様, https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/07/11/234912 漢名と和名が入り交じって,混乱しかねない植物に,シャガとヒオウギがあります. シャガと聞…

沙羅(しゃら)の木  6月に浄妙寺で出会った「ナツツバキ」の別名です.「サラソウジュ(沙羅双樹)の名で利用されることがあり,真正のサラソウジュ(フタバガキ科)と混同されることが多い」(ニッポニカ). 真正の沙羅双樹は「淡黄色の五弁花を円錐状に多数集めてつける」インド原産の植物.名だたる歌人も,「白い花」=ナツツバキを詠って「沙羅双樹」としてきました.  沙羅双樹しろき花ちる夕風に人の子おもふ凡下のこころ 与謝野晶子

散歩で出会った6〜7月の花/植物の短歌を,古今和歌歳時記(鳥居正博編著 教育社)から取りあげてきました. 蕺(どくだみ) https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/06/01/235217 紫陽花(あじさい) https://yachikusakusaki.hatenablog.com/e…

鎌倉(大船)・常楽寺へ行ってきました.北条泰時を開祖とする由緒あるお寺で,泰時の墓もあります.こぢんまりとした良いお寺です.この時期ということもあり,花は少なかったのですが,駐車場に植えられていたキョウチクトウ(セイヨウキョウチクトウ?)は満開.楽しませてもらいました. 片枝のすがれは、まほに あらはに見ゆ。日だまりに照る夾竹桃のはな 釈迢空

鎌倉(大船)・常楽寺へ行ってきました. 旧鎌倉市内からは離れた大船駅に寄り近いお寺のため,出かけたのは初めてです. 北条泰時を開祖とする由緒あるお寺で,泰時の墓も. 常楽寺(じょうらくじ) https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kids/jh/kjh_sa1…

凌霄花(のうぜんかずら)で知られる鎌倉の寺院に,妙本寺と共に,海蔵寺があります.昨日は,真っ昼間の暑い時間に海蔵寺まで行ってきました.凌霄花は庫裏横に二本植えられ,どちらも満開でした.心字池の畔には半夏生(はんげしょう)が群生していて見事.池の中には睡蓮.本堂裏でトンボを狙うネコの姿も.暑い日でしたが,植物と風とネコが癒してくれた真昼の一時でもありました.葉の白き半夏生見んと誘われて夏日傾く古寺に来ぬ  島田修二

妙本寺と共に yachikusakusaki.hatenablog.com 凌霄花(のうぜんかずら)で知られる鎌倉の寺院に海蔵寺があります. どちらも,私の散歩コースです. 昨日は,真っ昼間の暑い時間に海蔵寺まで行ってきました.夕方は閉まってしまうので. 凌霄花は境内右の庫…

夕方散歩で,凌霄花(のうぜんかずら)を見に行ってきました.鎌倉妙本寺まで.二本植えられていて,その内の一本はかなりの大木. 美しく咲きそろっていました. 風ゆらぐ凌霄花(のうぜんかずら)ゆらゆらと花散る門に庭鳥あそぶ 佐佐木信綱  角を曲がれば凌霄花の溢れいし記憶にあえる はずの空白 久々湊盈子 

紫陽花が終わってしまう7月.花が少なくなってやや寂しいなか,ノウゼンカズラが所々で存在感を示しています. 鎌倉の寺院でも見ることができて, 鎌倉花散策 ノウゼンカズラ散策/鎌倉ぶらぶら 中でもかなり知られているのが妙本寺. 夕方散歩で,見に行っ…

ハス(蓮)5  古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)から: 古くは万葉集に登場する蓮.現代に至るまで,詩・短歌の題材となってきました.仏教で特別な意味を与えられていたため,中世〜現代にいたるまで,仏教色の見える詠草も.一方,唐詩には仏教色はなく,自然の景物としての蓮が詠われていました.「芙蓉(ハスの花の異称)は面の如く柳は眉の如し 白居易」 ひとたびも南無阿弥陀仏といふ人の蓮(はちす)の上にのぼらぬはなし 空也  紅蓮(べにはちす)咲けるかたはら花落ちて立てる花托の青うひうひし 葛原繁

蓮について,四回にわたって整理してきましたが,今日は,蓮を取りあげた和歌を古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)からいくつか紹介して最終回としたいと思います. 古くは万葉集・古事記にも登場する蓮.現代に至るまで,詩・短歌の題材となってきました. …

合歓(ねむ)を詠った短歌2 万葉集に詠まれていた合歓は,その後はあまり詠まれなくなりますが,近代以降は有名な歌人たちがこぞって詠っています.合歓の花の独特な雰囲気が詠み人に様々なインスピレーションを与えたと思われます. 合歓の木の感ずるごとく男みなしほれぬはなし人妻とふに 与謝野晶子  合歓の葉の 深きねむりは見えねども,うつそみ愛(ヲ)しきその香たち来も 釈迢空  合歓の花木末(こぬれ)に高くそよぎつつ秘かなるわが思慕をいざなふ 大西民子 

合歓(ねむ)を詠った短歌は,万葉集に三首登場し,その内の紀郎女,大伴家持の相聞歌はよく知られています. yachikusakusaki.hatenablog.com 古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)によれば,その後の古今六帖,新撰六帖にもこの万葉集の歌が取り上げられてい…

合歓の花に昨日出会い,今日は,合歓を詠んだ歌を「古今短歌歳時記 鳥居正博 教育社」からいくつか紹介したいと思っていたのですが---前書きにあった,合歓を詠んだ芭蕉の句で止まってしまいました.合歓を詠んだ芭蕉の句は,奥の細道「象潟」にあります. 象潟や雨に西施が合歓の花 芭蕉  象潟の夏の煙雨の夕暮れに咲くねぶの花に,中国の美女西施が眼をとざしてねむる姿をダブらせたもので,西施の発想は蘇東坡に基づいている.(鳥居正博) 

昨日出会うことができた合歓の花. (合歓は「ねむ」が一般的ですが,「ねぶ」「こうか」ともよみます) https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/06/27/235751 今日は,合歓を詠んだ歌を「古今短歌歳時記 鳥居正博 教育社」からいくつか紹介した…

秋の花とされるツユクサ(露草)ですが--- ツユクサを詠んだ短歌について,古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)から.万葉集では,つきくさ/月草として登場.露草と呼ばれるようになつたのは平安時代ですが,近世はもとより近代においても「月草/鴨頭草」と詠まれることが圧倒的に多かったとのこと.月草のあはれ仮りなる命もてぬれてののちの人に恋ひつつ 藤原為家  をさなきを二人つれ立ち月草の磯辺をくれば雲夕焼けす 伊藤左千夫  今朝ほどはわが道の辺に霧濡れてはなださびしきつゆくさの花 高橋幸子

秋の花とされるツユクサ(露草)ですが--- わが家では早くも咲いていること,そして,昨日の流れから,今日はツユクサを詠んだ短歌について,簡単にまとめてみます. といっても,例によって,古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)の抜粋になります. 万葉集で…

紫陽花を詠んだ歌  万葉集に既に歌に詠まれていたことはよく知られています.しかし,古歌には余り詠まれず,その傾向は近世まで続きます.よく取り上げられるようになつたのは近代になつてから. あじさいの八重咲く如く弥(や)つ代にいませわが背子見つつ偲はぬ  橘諸兄   まかがよふ光りのなかに紫陽花の玉のむらさきひややかに澄む 太田水穂   紫陽花のふふむ雨滴を揺りこぼす言はば言葉がすべてとならむ 河野裕子

日本で古来より生育し,また栽培されてきた紫陽花. アジサイの語源は,特定はできていませんが--- 「あじ(あぢ)」は「あつ」で集まること,「さい」は真藍(さあい)の約で青い花がかたまって咲く様子から名付けられたと思われる.(日本国語大辞典) と…

Dianthus(ダイアンサス属,ナデシコ属)2 日本のナデシコ  万葉集では,26首ものナデシコ(おそらくカワラナデシコ)の歌があります.万葉の時代から既に庭に植えられ,身近な美しい花として親しまれていたようです.ナデシコを人に例えた歌では,女性だけではなく男性をナデシコに例えた場合もあり,「ヤマトナデシコ」が主に女性を指すようになったのは,江戸後期から明治以降とされています.ナデシコは,清少納言が「めでたし」のトップに位置づけた花としてよく知られています.

四季咲きのダイアンサス「アイラブユー」(種としてはカーネーション:Dianthus caryophyllusの一園芸種)の購入をきっかけに, ダイアンサスについて,4日前にまとめはじめました. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/06/07/235446 今日は…

見方によっては美しい花を咲かせ,民間薬等で親しみのあるドクダミは,短歌にも取り上げられてきました.ただし,古歌には見えず,蜻蛉日記にドクダミの古名「しぶき」の記載があるとのこと. どくだみの花のにほひを思ふとき青みて迫る君がまなざし 北原白秋  青臭ふどくだみの花芯立てて咲き群るるかな昨日も今日も 宮柊二

繁殖力が強く,一般的には余り好まれないドクダミですが,民間薬として広く知られ,愛好者も少なくありません. 花もよく見ると白さが際立ち美しいと言え,八重花種は園芸ショップでも販売されています. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022…

初夏の花ウツギ / 卯の花を詠んだ歌   万葉の時代から明治期に至るまで,日本の初夏の花の代表はウツギの花=卯の花だったようです.万葉集に二四も詠まれ,唱歌「夏は来ぬ」は明治から現代まで歌い継がれています.「ウツギの花が春から初夏への季節の変わり目に咲き、また白く目だつことから、暦の普及していなかったころに季節を知る重要な花であった」 五月雨もむかしに遠き山の庵通夜する人に卯の花生けぬ 与謝野晶子

初夏・五月 アジサイには早いものの,沢山の種類の花に出会うことができます. あくまでも私のイメージですが,サツキ,アヤメが古くから親しまれてきた典型的な5月の花.フジ,ハナミズキは桜が終わった4月の花ではないでしょうか. バラ園のバラも5月が見…

気になっていた二編の詩  谷川修太郎訳「ラベンダーは青い」,長田弘「イツカ,向コウデ」  まっすぐに生きるべきだと、思っていた。 間違っていた。ひとは曲がった木のように生きる。 きみは、そのことに気づいていたか? サヨナラ,友ヨ,イツカ,向コウデ会オウ。

この一週間,二編の詩がとても気になっていました.どのような詩なのかと. 一つは,谷川修太郎訳「ラベンダーは青い」(マザーグースのうた). もう一編は,長田弘「イツカ,向コウデ」(死者の贈り物). 「ラベンダーは青い」は,ラベンダーをこのブログ…

カキツバタ2  あやめより少し早く開花するというカキツバタ.清少納言はこの花にやや批判的でしたが,燕子花図はこの花無しには描かれなかつたでしよう.短歌の世界でも万葉集から近世に至るまで短歌の歌題として詠みつがれてきています. かきつばた扇つかへる手のしろき人に夕の歌書かせまし 与謝野晶子

今年は,何とかカキツバタを間近で見ようと思い立ったのですが--- かきつばた(杜若・燕子花)1 yachikusakusaki's blog 遅すぎたようですね. わが家のアヤメは今日の雨と暑さが効いたのか,一つの花も見えなくなりましたが--- 大和市自然観察センターのホ…

かきつばた(杜若・燕子花)1  実は,まだ間近にカキツバタを見たことがありません.今年こそはどこかで--とは思つていますが.「アヤメ属のなかではもっとも古くから栽培された」「日本原産」とされるカキツバタ.アヤメ(花あやめ)と異なつて,万葉集,古今集でも詠われています.杜若衣(きぬ)に摺りつけますらをの着そひ猟(かり)する月はきにけり 大伴家持  か: からころも き: 着つつなれにし つ: つましあれば は: はるばる来ぬる た: たびをしぞ思う 在原業平 

5月はアヤメ,カキツバタの季節.といっても,カキツバタを近くで見たことのない私. Iris laevigata - Wikipedia ハナショウブを中心とした菖蒲園で見ることができるのでしょうか?多くは,より華やかなハナショウブ中心のようにも思いますが--- 実はまだ菖…

庭の菖蒲(あやめ)が開花しました.私の感覚ではアヤメは初夏を代表する花.今日は「あやめ」を詠んだ歌をいくつか取り上げます. ただし,古歌では「あやめ」といえば,今のショウブをさすことがほとんど.  五月雨に水まさるらしあやめ草末葉(うれは)隠れて刈る人のなき 源実朝 //  風の音たえたる庭に光と影あつめつつそよぐ文目草(あやめ)ひとむら 宮柊二

アヤメが咲きました. 例年並みの開花日かなと思います.そして,アヤメが咲くと「もう春は終わった」と感じます. 5月は暦の上では夏.今年の立夏は5月5日. ただし,5月は「初夏であって」「夏ではない」という矛盾したイメージを持っていますが. (…

「百花王」「花の王」と称される牡丹.牡丹の語源・名称,文化史,文学,等まとめてみました. 牡丹散ってうちかさなりぬ二三斤 蕪村   白牡丹といふいへども紅(こう)ほのか 虛子  わが春の二十(はたち)姿と打(うち)ぞ見ぬ底くれなゐのうす色牡丹 与謝野晶子   近よりてわれは目守らむ白玉の牡丹の花のその自在心 斎藤茂吉

鶴岡八幡宮のぼたん園では,早くも牡丹が見頃になっていました. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/04/27/235253 豪華さから「百花王」「花の王」と称される牡丹(日本国語大辞典).日本各地に牡丹の名所は知られています. ニッポニカに…

松の花は,よく見るとなかなか美しい姿をしていて,元気をもらえる花です.松が短歌によく詠われているのは知つていましたが,松の花は?万葉集にも,後の勅撰和歌集,さらには明治以降も,数は多くないものの,しっかり詠まれていました!  うす曇る空に並み立つ松の花伸び急ぐ日を我らも忙(せは)し 窪田空穂

鎌倉は今日も曇り空で,夕方からは雨. 春とは思えない寒い日が続いていますが,植物の季節の営みを乱すほどではありません.晩春の花たち,藤,つつじは続々と咲き始めています. 一方,この季節にたくさん咲いているのに見逃されている花が沢山あります. …