社会/歴史

ビール 6 現代のビールを特徴付けている原料ホップ.9世紀には使われ始めたという記事が残っているそうです.それ以前は,"グルートgruit"が使われていました.古代メソポタミアのビールにも香料が加えられていました.麦芽とホップ以外の副原料が使われているのがむしろ一般的になっているビール(ドイツ以外では).太古に遡って見直せばそれもアリ?(でも安くするために混ぜ物を使っていてはおいしいビールは作れないでしょうが) 付録:日本の酒税法上の「ビール」

ビールの歴史は少なくとも5000年. イランのゴディン・テペ遺跡(紀元前3500~3100年)から,六条大麦の醸造過程で生まれた「炭素のカス」が発見されました. そして,シュメール人の記録(3900年前)からは, 初期の“ビール”は,発芽大麦でつくったパンを,…

ビール5 最古の醸造酒の痕跡は紀元前7000年,今からおよそ9000年前.ワインは紀元前6000年,今からおよそ8000年前.では,ビールはいつ頃まで遡ることができるのでしょうか? 紀元前4000〜3000年にビールを書き記したシュメール人.葦のストローを使ってビールをすすっている様子が描かれ,女神ニンカシの詩にはビールのレシピも.そして,ビールの痕跡も,イランのゴディン・テペ遺跡見つかりました.紀元前3500~3100年,今からおよそ5000年前のものです.

ビールはいつ頃から飲まれているか. お酒は,とても古くから飲まれていたことが分かっています. 初めは自然界に存在する糖類に空気中の酵母が混入して発酵し,偶発的にアルコール含有物が出来たのでしょう(渡淳二 ビールの科学 講談社). 自然科学の手法…

新日本風土記「ビール」4 「ことのほか悪(あ)しきものにて,何の味わいも無く御座候(ござそうろう)」 (1724年,今村市兵衛)//「その味,いたって苦けれど,胸郭(きょうかく)を開く為に妙なり」 (1867年,福沢諭吉)// ビールを飲む最初の写真:ちょんまげ姿の侍立石斧次郎.今から150年ほど前,慶応3年(1867年)に撮影.アメリカの公使が徳川慶喜に謁見した時の通訳を終えて?この斧次郎.1860年通訳見習いとして遣米使節団に随行.トミーと呼ばれもてました!トミーポルカなる歌まで作られて.

風の中に 土の匂いに もういちど 日本を見つける 私を見つける 新日本風土記「ビール」4 https://www4.nhk.or.jp/fudoki/5/ http://www.nhk.or.jp/fudoki/backnumber/ その歴史は,5000年とも言われるビール. 日本人とビールの関係は,いつ頃から始まった…

新日本風土記「ビール」3 京都をホップが動かす.与謝野町で,ホップの栽培が始まったのは,4年前.きっかけは,藤原さんの,ちょっとした遊び心でした.「へ〜と思って.できるんだって感じ」町がバックアップに乗り出したホップ栽培.結果は上々で,最初の年から出荷することができました.与謝野のホップを使ったビールがこちら.「すごい.もう香りが断然違いますね」「僕は,ホップ増し増しビール. ビールは自由ですし,文化です」

風の中に 土の匂いに もういちど 日本を見つける 私を見つける 新日本風土記「ビール」3 続いて,京都. 丹後半島の付け根にある与謝野町は,ひょんなことから,ビールと関わることになりました. 町長の山添藤間(やまぞえとうま)さんです. 「この地域で…

新日本風土記「ビール」2  ビールを積んであの町へ 盛岡の小さな醸造所.大事にしているのは,風味の強いドイツ伝統の味.決め手は麦芽の量.ひとたび仕込みを始めると,10数時間かかります.「ずいぶん大変な思いをしました.自分たちの思ったようには,ビールが売れない」.心がけたのは,お客さんの顔が見える場所に出ていくこと.ビールを楽しむイベントを,県内の33全ての市町村で開いています.8年前の3月11日.イベント会場山田町を目指していました.

風の中に 土の匂いに もういちど 日本を見つける 私を見つける 新日本風土記「ビール」2 https://www4.nhk.or.jp/fudoki/5/ http://www.nhk.or.jp/fudoki/backnumber/ ビールを積んであの町へ 【ベアレン醸造所】予約・アクセス・割引クーポン - じゃらんne…

新日本風土記「ビール」1  彩り豊かな北海道の実り. 中でもひときわ目を引くのが,この黄金色の輝き.二条大麦(ビール麦)です.「「きれいですね.僕ら毎年作っててもきれいだと思います」// 北海道開拓使;シンボルマークは五稜星.大麦やホップの栽培が始まり,やがて開拓使麦酒醸造所がつくられます.明治9年のことでした.立役者は日本人初のビール醸造技師中川清兵衛.開拓使の廃止後,経営は民間の手に渡り,今に受け継がれています.

風の中に 土の匂いに もういちど 日本を見つける 私を見つける 新日本風土記「ビール」 https://www4.nhk.or.jp/fudoki/5/ http://www.nhk.or.jp/fudoki/backnumber/ 暑い夏 「この誘惑には勝てない」「負けちゃおう」 皆さんが今日も----. 「カンパ〜イ!…

ゴミ問題の記事二つ(東京新聞) 一つ目は私を多いに励ましてくれました.[1]「本音のコラム」 プロの仕事 斎藤美奈子  思わぬものにハマってしまった.片づけや掃除の専門会社がアップしたいわゆる「ゴミ屋敷」を片づける動画である---.// 二つ目は,私を,ただただ,やりきれない気持ちにさせる記事.[2]環境相「原発処理水 放出しかない」 漁業者反発「軽々で不快」 原田義昭環境相が東京電力第一原発の処理水について海洋放出しかないと発言したことを巡り,福島県内の漁業関係者や識者からは「軽々な発言だ」---

ゴミ問題についての記事が 東京新聞朝刊(2019年/令和元年 9月11月 水曜日),二つ掲載されていました. 一つは,私を大いに励ましてくた,次の記事. [1]「本音のコラム」 プロの仕事 斎藤美奈子 思わぬものにハマってしまった.片づけや掃除の専門会社…

 敗戦直後の旧満州(中国東北部)で,岐阜県の黒川村(現白川町)周辺から渡った黒川開拓団の女性が,団幹部の指示でソ連兵に性的な「接待」をさせられた.「(夫がいる)奥さんには頼めん….あんたら娘だけ,犠牲になってくれんかと言われた.団の幹部にですよ」口を閉ざしてきた女性や遺族らは近年「悲劇を語り継がねば」と,行動を続けている. <つなぐ 戦後74年> 性接待 満州で1度死んだ 女性,遺族ら 歴史伝える決意 東京新聞 2019年8月14日 朝刊

<つなぐ 戦後74年> 性接待 満州で1度死んだ 女性,遺族ら 歴史伝える決意 東京新聞 2019年8月14日 朝刊 東京新聞:<つなぐ 戦後74年>性接待 満州で1度死んだ 女性、遺族ら 歴史伝える決意:社会(TOKYO Web) 敗戦直後の旧満州(中国東北部)で,岐阜…

靖国,昨秋 天皇参拝を要請  創立150年向け 宮内庁は断る // 尾を引く,A級戦犯合祀 上皇さま元側近「靖国参拝できる状況でない」  天皇の参拝は創立から五十年ごとの節目以外でも行われていたが,一九七五年の昭和天皇が最後.七八年のA級戦犯合祀(ごうし)が「不参拝」の契機となったことが側近のメモなどで明らかになっている.一部保守層から天皇参拝を実現するためA級戦犯分祀(ぶんし)を求める声があるが,靖国側は応じていない.東京新聞 2019年8月14日 朝刊

靖国,昨秋 天皇参拝を要請 創立150年向け 宮内庁は断る 東京新聞 2019年8月14日 朝刊 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019081402000149.html 靖国神社が昨秋,当時の天皇陛下(現上皇さま)に二〇一九年の神社創立百五十年に合…

うどんの起源①(うどん5) うどんとは「小麦粉に少量の塩と水を加えてこね,薄く伸ばして細く切ったもの.茹でて汁に付けたり,汁と共に煮たりして食べる」中国語では麺条(ミエンテイアオ)の一つ.「うどん」という言葉の初出は室町時代.うどんらしいことば“饂飩”(温飩)は11世紀に. 

うどんの起源を調べようと思い立って,手にした本は 麺の文化史 石毛直道著 講談社学術文庫. この文庫版のもとは,同じ著者による「文化麺類学ことはじめ」.こちらは,かなり以前,単行本で購入したことがあり---- ざっと目を通して,ひろい読みしただけで…

 NHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』はすごかった.何よりも怖ろしかったのは「合法的殺人現場の,人工的明るさと穏やかさ」だ. 1973年のアメリカ映画の中で想像された『未来の安楽死施設』も,現在の安楽死施設も刑場も,『合法的に人を殺す装置を真面目に,人道的に考えると,こういうふうになってしまう』のだ. その形がたまらなく気持ちが悪い.やっぱり不自然なのだ.子供の頃見たSF映画の「公営施設」.現実はもうそこまで来ていた 青木るえか   連載テレビ健康診断 週刊文春2019年6月27日

子供の頃見たSF映画の「公営施設」.現実はもうそこまで来ていた 青木るえか 『NHKスペシャル 彼女は安楽死を選んだ』 連載テレビ健康診断 週刊文春 2019年6月27日 https://www.amazon.co.jp/ NHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』はすごかった. 全身マ…

「無属の人」と「8050問題」 このような事件(川崎殺傷事件)は「拡大自殺」とも呼ばれる.ひろゆき氏は「無敵の人」が増えると予見.私見では,「無敵」というより「無属の人」と呼ぶべき.背景には,個人主義の台頭と「包摂型社会」から「排除型社会」への移行が指摘できる.私たちは三つの「排除への不安」を抱えている.「死にたいなら一人で死ぬべきだ」は社会的排除に苦しむすべての人々の現状を「自己責任」論へと収斂しかねない.「個人的」に「家族だけ」で背負うにはあまりに重い.水無田気流 東京新聞社会時評

「無属の人」と「8050問題」 「家族だけ」では解決困難 水無田 気流 東京新聞 2019年6月12日(水曜日)夕刊 社会時評 「社会から孤立した中高年」を軸に,やりきれない事件が続く.五月二十八日に,川崎市で五十一歳の男が登校時間にスクールバスに乗ろうと…

現在の沖縄県域はかつて琉球国だった.明治日本は琉球国の王権を簒奪して編入,沖縄県を設置した.その事業を琉球処分と名づけている.琉球処分の際,旧琉球国中枢からも多数の亡命者が出た.その一人が旧三司官の富川盛奎.沖縄からの亡命者はその後も続き,その全貌はいまだ明確ではない.沖縄そのものが処分された結果であり,遠い記憶ではないのだ.そして.百四十年を経た今でも,処分される側とする側の構図は,それほど変わっていない.後田多 敦 東京新聞

視点 沖縄から 「琉球処分」から140年 「遠い記憶」ではない 神奈川大准教授 後田多 敦(しいただ あつし)さん 東京新聞 「亡命」という単語から,どんな人物や出来事を思い浮かべるだろうか.そして,それは身近な問題だろうか. 近代沖縄からは,百人を優…

大根基本情報4 最近,その消費にややかげりが見られる大根.いも類を除けば堂々の1位の座が長かったものの,この10年でキャベツに抜かれてしまいました.2012年調査では,最も食べられている野菜トップ.この座も危うい? 付録1.野菜の生産1998 vs 2017(サラダを食べて野菜を食べた気になってしまっている現代人?)  2.2012年日本人の野菜摂取傾向

日本人が古来より食べてきた大根. 世界の生産・消費の90%は,日本と言われています. (東京新聞) しかし最近では,その消費にややかげりが見られるのも事実. 栄養面で取り立てて目立つところがない大根ですが,白菜同様大量に食べることができるのが強…

元マラソン世界選手権代表の女性が窃盗罪に問われ,執行猶予付きの判決を受けた.体重制限に伴う摂食障害が背景にあったと知り,胸が締め付けられる思いがした.私自身も当事者で,思春期の発症から治療を始めた三十歳まで,過食と嘔吐を繰り返してきたからだ.摂食障害の体験を書くのは初めてだ.自分の弱さに振り回されているのは今も変わらず,少なからずちゅうちょしている.それでも書こうと思ったのは,生きづらさに悩む人に「一人ではない」と伝え,多くの人に問題の深刻さを知ってもらいたいからだ.東京新聞社会部 中村真暁

摂食障害当事者として 弱さ受け入れられる社会に 東京新聞2019年(平成31年)1月22日 視点 社会部 中村真暁 元マラソン世界選手権代表の女性が昨年十二月,菓子などの万引を繰り返したとして窃盗罪に問われ,執行猶予付きの判決を受けた.厳しい体重制限に伴…

彼らは,私たちを奮起させる「ために」生きているのだろうか,と. もし今,あのころ一緒に遊んだ養護学級の子どもたちに,何か言うことがあるとすれば,「一緒に遊んでくれてありがとう」以外に,何も浮かばない./ 職場のダイバーシティー(多様性)推進の理想とは裏腹に,この国には悪しき現場主義が横行している. そこにあるのは,理想は実現できないもの,という冷ややかな視線だ.水無田 気流 東京新聞夕刊2018年9月19日

社会時評 「障害者雇用」の二枚舌 横たわる冷ややかな視線 水無田 気流(みなした きりう) 東京新聞夕刊 2018年9月19日 一九七〇年代半ばすぎ.私の通っていた相模原市の小学校には,養護学級が一クラスあり,昼休みによく遊びに行った. 緑色の軟らかい絨…

東京新聞「こちら特報部」より 沖縄知事選挙に関連した話題二つ 1. 沖縄・辺野古新基地 政府の賠償請求示唆 故翁長氏憤り.県民への恫喝が放置されたままの異常な選挙を「本土メディア」はどう報じる. 2.惑わされぬ事実を 地元紙やNPOがフェイク監視.事実をゆがめようとする空気が,世界を満たしている. 

東京新聞「こちら特報部」は,9月12日,13日の二日間連続して,13日告示の沖縄知事選挙に関連した話題を取り上げていました. 前沖縄県知事に対するスラップ訴訟,県知事選を巡るフェイクニュースに関するものです. (東京新聞も,毎日新聞のように,記事の…

反則の構造 斎藤美奈子   悪質なタックルに及んだ日大アメフット選手の会見は,旧日本軍の上官と兵士の関係を連想させるものだった.いや,日本の組織にはいまもこのような命令系統,役割分担で動いているところが多々あるのではないか. 財務省での決裁文書の改ざんも,防衛省での日報の隠蔽(いんぺい)も,森友問題や加計問題にも同様の三段構えの構造を感じる.真実を語った彼の勇気を見習いたい. 本音のコラム  東京新聞 2018年(平成30年)5月23日(水曜日)

本音のコラム 東京新聞 2018年(平成30年)5月23日(水曜日) 反則の構造 斎藤美奈子 ①監督が全体的な方針や方向性を示し, ②コーチが「相手のクオーターバックを一プレー目でつぶせ」などの具体的な指示を出し, ③他の選択肢がないところまで追い詰められた…