短歌(万葉以外)/詩/ 短歌に詠まれた植物

昨日訪れた大船フラワーセンターでは,梅が見頃を迎えようとしていました.とても沢山の梅の品種を楽しむことができます.私が特に好きな区画「花の築山」は,今の時期は枯れ木の風景を楽しむしかありません.もう一つの好きな区画「森の小道」では,スプリング・エフェメラルに出会うことができました.スノードロップ,そして,初めて出会ったセツブンソウとキバナセツブンソウ.なんと可憐な花たちでしょうか!

昨日訪れた大船フラワーセンターでは,梅が見頃を迎えようとしていました. 満開の所も多かった旧鎌倉市内の寺社の梅に比べると,やや遅れた開花の印象はあります. 風情という点では,寺社の梅には及びませんが,この植物園の売りは,沢山の梅の品種が植え…

「春近し」「春寒し」  青果店に菜花がありました.春近しを感じさせてくれます.“こまやかに思ひはかけて春待ちぬ菜畑の上のうす黄なる雲 斉藤史“ 流れにも青空が “水ぐるま春めく聴けば一方にのる瀬の音も輝くごとし 北原白秋”  梅の花は,「春近し」を思わせる「春待つ」花.同時に「春寒」「春寒き」を感じさせる花.“春寒のふた日を京の山ごもり梅にふさわぬわが髪の乱れ 与謝野晶子” “草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする 源通具”

今日は一日中晴れ. 寒い日と,晴れた日が交互にやって来る中,日に日に春が近づいているのでしょう. 朝,連売(鎌倉市農協連即売所)の店先を覗いてみると,まだまだ冬野菜が並んでいましたが--- 菜花もありました.春近しを感じさせてくれます. こまやか…

青空につられてぶらぶら歩き1.妙法寺の近くで黄花の群生(多分キクザキリュウキンカ)・ハクセキレイに出会いました.寒さは続いていますが妙法寺の境内には春の気配が充ちていました.紅梅,白梅,同じく紅白の椿.そしてキジバト.大好きな苔階段は冬の装いでしたが,杉の木漏れ日に彩られていました. 苔階段緑浅きを杉の木が影かけ彩る二月(きさらぎ)の午後

朝から夕方まで晴れた1日.久しぶりです. 青空につられて,昼過ぎから夕方まで,鎌倉をぶらぶら歩きしてきました. コースは妙法寺〜光明寺〜材木座海岸.そして,帰途,妙本寺に立ち寄りました.のんびり歩いた道中記録を書いてみます. 今日は,妙法寺ま…

葉ぼたんは,冬の園芸植物の王者といった風格をもっています.現在は品種も多様で,品質も安定していて楽しめます.改良はほとんど日本でなされてきたとのこと.しかし,初めは,江戸時代「食用として」移入されました. 葉ぼたんはへだたりをりて見るゆゑか炎(も)えたつごときその牡丹色 吉野鉦二  冷えびえと霙(みぞれ)が洗ふ戸の外の明るさ占めて葉牡丹はあり 木俣修   葉牡丹を置き白き女の座りゐる窓ありにけり夜ごろは寒く 佐藤佐太郎 

銀行前の花壇にハボタンが植えられていました. ビオラ,マラコイデスと一緒に,寄せ植えのようになっていましたが,他の花たちを圧倒しているようにみえます.冬の園芸植物の王者といった風格ですね. お正月の植物として久しく愛されていたものの,現在のF…

シクラメンは,冬の花壇に欠かせない花となっていますが,これは園芸家の努力のたまものであって,園芸店で購入できるからこそ.家で夏越した鉢には,花どころか蕾もありません.シクラメンが広く普及するのは,世界的に見ても第二次世界大戦後で.日本では昭和40年以降.  一鉢に四百の蕾育つとふシクラメン冬の花として咲く 初井しづ枝  おくりくれる人のこころかシクラメンの赤く激しくもゆる花くび 浅田雅一  真剣に花を捧げて年を越すシクラメンを妻深くいたわる 佐佐木幸綱  付録:シクラメンの近縁植物

冬の庭の定番と言えば,一昔前は,スイセン,ハボタンだったようにに思いますが,現在では,忘れられないのがシクラメンですね. わが家でも,欠かせない冬の花となっています.ビオラを定番として育ててきましたが,ビオラには赤い花がありません.全体を締…

「さむい」を表す漢字「寒」は,会意文字=「宀と,人(ひと)と,茻ぼう(草のむしろ)と,冫ひよう(さむい))」. 「さむい」という意味以外に,「季節の名」=大寒+小寒=「冬,立春までの約30日間」の意味も表しています.寒の雨,寒の水,寒の夜もこの季節に関連した言葉になります.最近はあまり使われなくなつてきているように思いますが---. うつし身は現身ゆゑになげきつとおもふゆうべに降る寒の雨 斎藤茂吉  シリウスの志(し)にしたがひて大寒の風ちぎれとぶ八衢(やちまた)に立つ 雨宮雅子

今朝も鎌倉は氷点下. 植木鉢の土は,二日間凍ったままでした.寒さに弱い植物は屋内に避難させました.地植えのものはそのままですから,寒さに弱いものは,上部が枯れたようになってしまいます.例えばまだ花をつけていたパイナップルセージは,あっという…

フリージアとクロッカスの売れ残りが安売りされているのを見つけ,購入.弱っていたフリージアも何とか息を吹き返してきています.調べてみると,フリージアは,クロッカスにとても近い種.系統樹上ですぐ隣の節に分類されています.知名度では,春を告げる花クロッカスに全く及びませんが.  「クロッカスが咲きました」という書き出しでふいに手紙を書きたくなりぬ 俵万智

よく訪れるフラワーショップの片隅に,フリージアとクロッカスの売れ残りが安売りされているのを見つけ,購入. フリージアは,弱り切った苗でしたが--- 鉢に植えて1日.何とか息を吹き返したようです.まだ,葉が傾いたままですが. クロッカスは,何回か…

鱈ちりに最適の季節.魚屋にはタラも沢山並んでいました.手間いらずの塩鱈を購入.ちなみに塩鱈はアメリカ産,生は北海道産でした.タラは,日本で獲れる量の2倍ほどが輸入されています.トップシェアはアメリカ.塩鱈はほとんどがアメリカ産であることに納得.鱈の生を一尾で売っているのは私は見たことがないのですが,かつては売られていたのでしょう(今でももちろん所によっては売られているでしょうが).こんな短歌が詠まれています. 腹裂けば虹たつごとし寒鱈の臓腑はよよと流れ出でけり 馬場あき子

寒い日が続きます. 温かい食べ物が恋しくなって,鍋物を三日も続けてしまいました.昨日は「鱈ちり」とおもってスーパーへ出かけたら,遅かったせいか売り場に見当たらず.代わりに養殖鯛を購入. 今日は間違いないように,鎌倉一の魚屋へ. タラも沢山並ん…

寒い中,気持ちを温めてくれるものの一つが植物たち.木瓜の赤い花がかなり咲いています.寒木瓜の系統?クリスマスローズも一株は花を開きました.その他の冬定番の花たちが主役を競っています.椿も咲き始めました. 侘助は世阿弥が説きし老体のたはやすからぬ幽玄の花 中原綾子  夕方,雨の中,妙本寺のクロネコは餌をもらいに現れました.予想通り.

寒い一日.一月になって最も寒かった気がします.しかも雨. 寒の入りから10日.もうすぐ大寒ですね. 寒い中,気持ちを温めてくれるものの一つが植物たちの花々,そして実. 昨年,植木屋さんが,半ば強引にもってきてくれたボケがかなり咲いてきました.寒…

大根の様々な品種 「鎌倉市農協連即売所」では,スーパーなどではあまり見かけない赤大根,紫大根も販売していました.赤大根には,伝統野菜もあり,レディサラダ,紅くるりなど,沢山の種類の種が販売されています.現在の一般的な大根は,厳密に言えば白くはない「青首大根」.宮重大根の欠点を克服した「耐病総太り」という品種が開発されて(1974年)以降,スーパーなどの売り場を席巻しています.  夕されば大根の葉にふる時雨(しぐれ)いたく寂しく降りにけるかも 斎藤茂吉

「鎌倉市農協連即売所」(連売所)では,スーパーなどではあまり見かけない赤大根,紫大根も販売していました. 赤大根 ぶり大根のレシピもネット上にはありますが,甘酢に漬けたり,ピクルスにしたりする食べ方が一般的でしょう.美しく美味しいのですが,…

御霊神社(ごりょうじんじゃ)から,極楽寺坂・成就院,鎌倉海浜公園坂の下,実朝歌碑まで,散策してきました.御霊神社は,鎌倉七福神・福禄寿のお宮.本堂の横の宝物殿に,福禄寿のお面があります.例祭での「面掛行列」に使われるもの.極楽寺坂まで歩くと,こぢんまりと美しい真言宗のお寺・成就院があります.坂を下って実朝歌碑まで.久しぶりの海は美しく,沢山の鵜(多分カワウ)が波よけで休んでいました.気持ちのよい一時を過ごしました.

今日は昨日出かけた長谷寺近くの御霊神社(ごりょうじんじゃ)から,極楽寺坂・成就院,鎌倉海浜公園坂の下,実朝歌碑まで,散策してきました. 御霊神社は,鎌倉七福神・福禄寿のお宮でもあります. https://www.google.co.jp/maps 以下,撮ってきた写真の…

新年の歌  初日の出は,今年は美しかったようです.明治〜昭和の歌人は詠います:春ここに生(うま)るる朝の日をうけて山河草木みな光あり 佐佐木信綱  はつ春やほの紫の天地にいなゝき高し牧(まき)のあけぼの 釈迢空  今しいま年の来(きた)るとひむがしの八百うづ潮に茜がかよふ 斎藤茂吉  ただ独り,野に佇む新年を詠んだ歌も:すすき野の冬のさびしさあたたかさ音なく人なく年新たなり 馬場あき子

昨日,友人から初日の出の写真が送られてきました.お借りして掲載します. 関西は少し雲があったようですが---美しい.久しく見ていませんでしたが,来年は久しぶりに拝むことにトライしてみようかと思わされました. 春ここに生(うま)るる朝の日をうけて…

妙本寺まで,今日は宵闇散歩.除夜の鐘の告知が惣門に.参拝者に鐘をつかせてくれるようです.除夜の鐘が全国的なものになったのは,それほど古いことではないようです. その前は,朝晩に撞く「百八の鐘」という習慣があったとのことで,全国的になったのは,NHKの「除夜の鐘」というラジオ番組のおかげという記事がありました.かなり信憑性が高そうです. 除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。 千万年も、古びた夜よるの空気を顫(ふる)わし、 除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。---中原中也(1938)  

大晦日の今日もまた,夕方散歩は妙本寺まで.かなり時間が遅くなってしまったので,宵闇散歩です. 惣門に立てかけてあるのは,除夜の鐘の告知.妙本寺は,参拝者に鐘をつかせてくれるようです.ずいぶん前になりますが,他のお寺で撞いたことを懐かしく思い…

里芋が美味しい季節です.最近は里芋の「肉ジャガ風」にはまっています.サトイモの歴史は古く,縄文後期から弥生前期には渡来.以来,農耕儀礼,儀礼食に多く用いられ,今でも,月見には欠かせません.正月のお供えにも.英語ではTaro.アフリカ,オセアニアの熱帯から温帯地方を中心に広く栽培されています.  里芋のこの新芋の胡麻あへはとろりとろけて口にのこらず 吉植庄亮  里芋の汁あつくして父と吸う夜目にふるるもの皆秋となる 馬場あき子

煮ころがし,胡麻和え,筑前煮,芋煮 ---- 里芋が美味しい季節です. 最近は,この里芋でつくる肉ジャガ(サトイモですから,「肉ジャガ風」と言われているようです)にはまっています.炒めることで里芋の煮崩れと表面のヌメリを抑えるのがポイントの一つか…

強い寒風の吹く冬晴れの日の散歩.鎌倉鶴岡八幡宮とおんめさま(大巧寺)へ行ってきました.強い風の中,鳶は青空を舞つていましたが,鳩は一列に並んで風を避けていました.そんな極寒の12月の一日でしたが,おんめ様には早くも臘梅が開花.  なにゆゑに慰まぬかとわれを刺す寒風にやがて麻痺してしまふ 北沢郁子  うつし手に折るとも素心臘梅は神のいろをぞ咲くやこの花 高橋幸子  枯芝に垂りたる梅の錆枝にひたき啼きゐて冬晴れの風 若山牧水

日中,ほとんど雲のない晴れた日でしたが,北風が強く,肌を刺すような冷たさでした. 冬とはいえ,12月の鎌倉でこの寒さは久しぶりのような気がします. 日本海側は災害並みの豪雪だとか.被害が少ないことを祈ります. そんな,強い寒風の吹く冬晴れの日の…

キジバト,ヤマバト,ハト(2) 親しまれている鳥はと.名前の響きもいいですね.漢字は二つあって鳩と鴿.後者はあまり使われませんがドバトをかなり限定的に意味しているようです.英語もDoveとPigeonの二つありますが,互換性のある名前で違いはないとのこと.ただし,ついて回るイメージには違いがあるので使い方には注意が必要.ドバトが家禽化されたのは紀元前エジプト.以来,人と様々な交わりが記録されています.  朝籠り鳴く山鳩はわが胸にひそむこだまを知るごとく鳴く 三木アヤ

ハトは,最も親しまれている鳥の一つといえます.ハトという名前の響きもいいですね. 語源については,日本語源大辞典(小学館)には10の説が併記されていますが,よくネット上に取り上げられているのは,大言海等に記載がある「羽音ハタハタトの略か」説.…

キジバト,ヤマバト,ハト(1)  紅葉も最終盤の鎌倉明月院.本堂の裏の菖蒲園の光景は,冬に入ったことを感じさせるものでした.その一番奥の,アジサイの苗木を育てている一角に,つがいのキジバトが仲良くエサを探していました. 古畑の岨(そば)の立つ木にゐる鳩の友呼ぶ声のすごき夕暮れ 西行  飛びかける八幡の山のやま鳩の鳴くなる声は宮もとどろに 源実朝  入日さす山下かげのむら柴に鳩なきかはす秋の夕暮れ 藤原為家

朝晩の寒さが身にしみる昨日今日でした.冬が一気にやって来た気がします. 金曜日に訪れた鎌倉明月院の紅葉も最終盤.人が少なかったこともあって,寂しさをおぼえる景色. 本堂の裏の菖蒲園の光景は,冬に入ったことを感じさせるものでした.見方によって…

カブ/蕪(4) カブは,中国を経て日本にやってきた野菜ですが,原産地は,ヨーロッパあるいはシベリア温帯に渡る地域とされ,世界中で食べられています.和・中華・米英の料理を調べてみると---米英ではローストやグラタンにも.カブの栄養を大根・ほうれん草と比べてみると,根(胚軸)には,カリウム・ビタミンC,カルシウム,食物繊維が大根と同程度あります.一方,葉にはほうれん草と同等の栄養が.根と一緒に食べたいものですね.  前畑にふかぶかと山の日がぬくし老(おい)が着ぶくれて蕪(かぶら)をひくも 臼井大翼

今では一年中食べることができる「カブ/かぶ(蕪,蕪菁)」ですが,11〜12月のものが甘くて最も美味しいと思います.皆さんは? カブは,中国を経て日本にやってきた野菜ですが,原産地は,ヨーロッパあるいはシベリア温帯に渡る地域とされ(ニッポニカ),…

カブ/蕪(1) 「あやめ雪」という美しいカブを購入しました.スープにしても漬物にしても美味しいカブです.大根より古く渡来したカブ.日本書紀では,「蕪菁(あをな)」と記載され,持統天皇が五穀の助けとする作物として栽培をすすめたとのこと.新しい品種が開発され,一方では,各地方独特の品種が沢山あって,現在でも栽培がすすめられています.野沢菜の漬物や聖護院かぶの千枚漬けは全国にその名を知られていて,スーパーでも販売されていますね.各地の特産のカブの画像を集めてみました.

冬野菜が美味しい季節になりました. 今日は,カブを購入.「あやめ雪」という美しいカブ.昨年味わって,スープにしても漬物にしても美味しいことを確認. (写真には一つだけ黄カブが混ざっていますが二色のものがあやめ雪) サカタのタネのランキングでは…

鴨・家鴨を詠んだ短歌(2)  鴨は,人間に最も身近な水鳥といえるのではないでしょうか.多く飛来し,飼育したり猟の対象としたり.そして食べて美味しいとされ,肉・卵を利用するために家禽となったのがアヒル(家鴨). 遠つあふみ浜なのみ湖(うみ)冬近し真鴨翔(かけ)れり北の昏(くら)きに 北原白秋  胴体は笑いの充まんかなしげに首ふり首ふりアヒルは走る 加藤克巳   

鎌倉八幡宮源氏池に今浮かぶ鴨は,オナガガモ. 北の地からやって来ました.最近著しく増加している種とのこと. 鴨(:カモ科カモ亜科に属する鳥の総称)は,人間に最も身近な水鳥と言ってもいいでしょうか. 多くの種が,群れで飛来するばかりか,カルガモ…

鴨を詠んだ短歌(1)  冬場の鎌倉八幡宮・源氏池は鴨の池になっていました.名前を調べてみると「オナガガモ」.雄と雌は異なる装い.北の国からやつて来た渡り鳥. 葦辺行く鴨の羽がいに霜降りて寒き夕べは大和し思ほゆ 志貴皇子   起きながら明かしつるかなともねせむ鴨の上毛の霜ならなくに 和泉式部  あし鴨のよるべのみぎはつららゐてうき寝をうつす沖の月かげ 藤原定家

先日訪れた,八幡宮の源氏池は,鴨の池になっていました. 正月の池にはカモメも沢山混じつていましたが. 鳥に全く疎い私には,何という名前の鴨か分かりません. 雄と雌は,異なる装い. ネットを調べた結果,オナガガモと判明. https://ja.wikipedia.org…

枯蓮  鎌倉八幡宮源平池へ「枯れ蓮探し」に出かけたのですが,案の定,鎌倉一の観光地の枯れ蓮は,すっかり刈り取られていて,痕跡さえみつかりませんでした.枯蓮は正岡子規以降,俳人が好むテーマとなり,また与謝野鉄幹の詩「敗荷」:「 夕(ゆうべ)不忍の池ゆく  涙 おちざらむや  蓮折れて月うすき---」が.短歌で取り上げられることは少ないとのこと.  茎折れて水にうつぶす枯蓮の葉うらたたきて秋の雨降る 橘曙覧

昨日は,三時過ぎに八幡宮へ散歩. 鎌倉一の観光の名所.最近は平日でも混雑しているのですが,日曜の三時過ぎは意外なほど人が少なく,混雑嫌いには狙い目の時間帯. 目的は「枯れ蓮探し」というややマニアックなもので,源平池が探す対象.しかし--- 案の…

枯れ芒,枯れ尾花を詠った短歌(1)  芒,薄は,元の漢字の意味に「すすき」はありません.枯芒/枯尾花は,俳句では「三冬(さんとう)」の季語で,俳句では好んで詠まれてきました. ともかくもならでや雪の枯尾花 芭蕉  そして「船頭小唄」は高齢者なら誰でも知る歌. 枯すすき折穂なびけり人住めり崖の片側土くずれして 岡麓   枯尾花いまだ枯穂を振れる根には最早今年の芽や萌えつらむ 尾山篤二郎

今日も,昼間はそれほど寒くはなかったのですが,夜になると冬を感じさせてくれます. 昨日から取り上げている枯芒/枯尾花. 改めて,芒,薄,尾花を辞典/字典で調べてみると---いろいろなことが分かります. 芒(字源) なりたち篆文 形声。艸と、音符(バ…

枯れ芒,枯れ尾花を詠った短歌(1)  枯れ木立や落葉,冬枯れは見る人の心に訴えるものがあります.実朝・後鳥羽院も,その姿に想いを重ねています. 今日は,枯れ芒を詠つた短歌を取り上げます. 朽ちもせぬその名ばかりをとどめ置きて枯野の薄形見にぞ見る 西行  花すすき枯れたる野辺に置く霜のむすぼほれつつ冬は来にけり 源実朝  霜枯の尾花ふみわけ行く鹿の声こそきかね跡は見えけり 後鳥羽院

枯れ木立や落葉の話ばかりですが--- 今日もまた.すみません. しかし, 枯れ木立や落葉,冬枯れは見る人の心に訴えるものがあります. 今日は,枯れた芒(薄)を詠つた短歌を取り上げます. 実朝,後鳥羽院.現在の大河ドラマで脚光を浴びている歌人も「花…

枯木立・枯枝・裸木・冬枯を詠んだ短歌(2)  「葉を落とすメカニズム」は,かなり分かっていて,高校の生物でも習います(アブシシン酸とエチレンが協調的に作用⇒落葉). 枯原の夜靄(もや)のなかに影太く立つ裸木にあゆみ近づく 長谷川銀作  枯枝の影をふみつつ歩み行く吾の今宵を知る人はなし 近藤芳美  姫沙羅も橅もはだか木雪上にみるものなべて簡淨なりき 川口美根子 

今年もあと約三週間. わが家でも,新年向けのハボタンも植え終わりました. ナンテンは,赤い実をたわわに実らせています.先日雀がきていましたが,被害はほとんど受けていません. 庭の柿や梅は,かなり前から葉をすっかり落として,「枯木立」に. 「落…

鎌倉光則寺・冬の入り口 / 枯木立・裸木・冬枯を詠んだ短歌(1) 冬の入り口の植物たちの画像を載せておきます:紅葉/黃葉,万両・千両,山茶花,蜜柑,石蕗,ネリネ. あはれみし袖の露をば結びかへて霜にしみゆく冬がれの野ベ 西行  枯木立心々のはなれたる二人は添ひて道を歩めり 佐佐木信綱  裸木に花はひそかに咲きてあり地の上(へ)の影のゆれ動くかな 土屋文明

今日は昼間よく晴れて過ごしやすかったのですが,朝晩の寒さは,冬を感じさせます. 紅葉も見納め,ということで,先日訪れた,鎌倉光則寺の画像を載せておきます.冬の入り口の植物たち: 紅葉/黃葉,万両・千両,山茶花,蜜柑,石蕗,ネリネ. 光則寺の代…

十二月・師走・極月を詠んだ短歌  陰暦12月の呼称/異称は、誰もが知る「師走」.陽暦でも借用されています.極月とも.  牕(まど)の外は 師走八日の朝の霜.この夜のねぶり 難かりしかも 釈迢空  綿菓子のはかなき嵩(かさ)をあきなふや師走の空の無限に碧し 馬場あき子  極月の水にしづめる青砥石引上げて砥ぐ霜の柳刃 馬場あき子  恋をすることまさびしき十二月ジングルベルの届かぬ心 俵万智

12月に入って,一週間. わが家の冬の定番ビオラの苗を植えて二週間.大分育ってきています. 陰暦12月の呼称/異称は、誰もが知る「師走」.陽暦でも借用されています. 語源としては「師(僧)が忙しく走り回る月」説が広まっていますが,「為果つ月(一年の…

安国論寺へ / 銀杏落葉を詠つた短歌  安国論寺へ散歩.山門脇の大銀杏は既にかなり散っていて,落葉が積もるように敷石を覆つて美しさを演出.市天然記念物の山茶花はまだかなりは名を残していて楽しむことができましたが,裏山へ続く道も落葉で埋め尽くされていました. 金色のちひさき鳥のかたちして銀杏散るなり夕陽の岡に 与謝野晶子  かがまりて銀杏の葉ひろふまだ二歳 ほらほらこんなに大きいよ 島有道  

12月に入り,冬を感じる日が多くなりました. そんな中,今日の散歩は「やや遠出コース」をとって,安国論寺まで行ってきました. 日蓮が立正安国論を書いたと伝えられる場所に立てられたお寺. 今年4−5回目になるでしょうか.本ブログでも二回取り上げてい…

皇帝ダリア  瑞泉寺まで紅葉/黃葉探しに出かけた際,いくつかの花にも出会いました.その中で,最も目立っていたのが皇帝ダリア.茎が木質化して大きくなる種で,英語ではTree Dahlia.日が短くならないと花芽ができないので,開花期が遅く11月下旬から咲き出します.球根の株分けで増やすことができますが,挿し木も可能. 穴ほりてダリヤを秘めぬ土ふかく生きて孤ならず激しきものは 馬場あき子

昨日,紅葉/黃葉と落葉を探して鎌倉瑞泉寺まで散歩しました. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/ 今日は,その間に出会った花を取り上げてみます.もちろん数は少ないのですが--- 最も目立っていたのがこの花.道中での出会いが二回,瑞泉寺の境内に…

鎌倉の美しい紅葉・黄葉/桜落葉を詠った歌  瑞泉寺までの道中の美しい紅葉・黄葉を探してみました.目立つのは楓でしたが,落葉も含めて目立って美しかったのは大巧寺のヌルデと道中のお宅のハゼノキ.思いのほか美しかったのがエノキとイヌビワの黄葉.荏柄天神の大イチョウの紅葉の見頃はもう少し先かと思います.八幡通りのサクラ紅葉,誰も見向きもしませんが風情があります. いつとなき散れる桜の虫食い葉石の間に重なりにけり 土屋文明

今日もまた,美しい紅葉/黃葉と落葉を探しながら,鎌倉瑞泉寺まで散歩.帰りは鎌倉宮からバスを利用してしまいましたが. 出会った順では無く,印象に残った紅葉/黃葉の画像を順不同でお届けします. 道中,どこでも目立つのは楓の紅葉でしたが,目立って美…