2023-01-01から1年間の記事一覧

エクレア(Éclair) フランス語読みに近づければエクレール(Éclair)になります.「稲妻」を意味します:ケーキが「一瞬で食べられる」ため? フランスで1850年頃生まれたペーストリー(パティスリ).チョコレートのクリーム&アイシングが一般的ですが,現在のフランスでは様々な味や華やかなデコレーションのエクレールが味わえるようになっていて,その傾向は世界に広がっています.

NHKBSの番組「オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送)」をこのブログで取り上げ, https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/17/235513 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/18/235651 〜 https://yachiku…

ポインセチアを詠んだ短歌  フラワーショップは,既にクリスマス・正月仕様.ガーデンシクラメン.ハボタン.ビオラ.クリスマスローズとシキミア.マンリョウ「紅孔雀」.そして,様々な色と模様のポインセチア.やはり赤が似合うと私は思いますが---.メキシコでは「Flores de Noche Buena」(聖夜の花)と呼ばれるそうです.美しき花かとも朱にきはまりしその葉を見ればあはれポインセチア 宮柊二  保護色と思う心の色であるポインセチアの赤を着て会う 俵万智 

11月も最終日. フラワーショップは,既にクリスマス・正月仕様. 鎌倉で,多分,一番新しい品種を揃えているお店の店先を撮影させてもらいました. ガーデンシクラメン,ハボタン. ビオラ. クリスマスローズとシキミア. マンリョウ「紅孔雀」 そして,様…

昼すぎに,鎌倉おんめ様(大巧寺),本覚寺,妙本寺に参拝.夕方訪れることが多かったお寺で清々しい午後を過ごしました.道中とこれらのお寺で撮った秋の実・花,紅葉/黃葉の写真を並べます.妙本寺の大銀杏のたたずまいを是非見て下さい.  金色のちひさき鳥のかたちして銀杏散るなり夕陽の岡に 与謝野晶子  かがまりて銀杏の葉ひろふまだ二歳 ほらほらこんなに大きいよ 島有道  我れがゐて銀杏が立ちてそのほかはみとめたくなきまでに秋澄む 馬場あき子

よく晴れた,寒さもそれほど気にならない過ごしやすい1日.昼すぎに,鎌倉おんめ様(大巧寺),本覚寺,妙本寺に参拝.夕方訪れることが多かったお寺で清々しい午後を過ごしました. (妙本寺での結婚式の前撮りが,もう少し少なければ,もっと清々しかった…

万葉集には「夕焼け」は詠まれていない!?  今日は強風下浜へ降りることなく夕焼けを撮影.この2週間の夕焼けの画像を集めてみました.同じ構図でも画像は異なります. 海神(わたつみ)の豊旗雲(とよはたくも)に入日さし今夜の月夜(つくよ)さやけくありこそ 中大兄  あかねさす日の暮れゆけばすべをなみ千たび嘆きて恋ひつつぞ居る 作者不詳  夕焼小焼大風車のうへをゆく雁が一列鴉(からす)が三羽 北原白秋  夕映えの雲あかくしてそことなく浜なでしこの安房の国見ゆ 与謝野晶子

風の強い1日でした. 夕方由比ヶ浜まで出かけたのですが,浜には人っ子一人いません.浜に降りようとすると目に砂が飛び込んでくる! 夕焼けは,海岸の国道から撮影. 11月13日のブログ記事でも触れましたが,11月になってから晴れた日の夕方散歩は由比ヶ浜…

冬来る を詠んだ短歌2 「真冬なみの寒さ」が,今日は一転,小春日和に! それでも黄葉は進み,昨日出かけた英勝寺では,ヒイラギが満開. 電柱の白き碍子にいと細く雨はそそげり冬きたるらし 北原白秋  いと寒き冬に 入りゆくしづけさを思ひてゐるは,さびしきものを 釈迢空  あたらしく冬きたりけり鞭のごと幹ひびき合ひ竹群はあり 宮柊二  ひとり居に浜木綿を置き夜ごと見るながきは黄ばみ冬に入るさま 高野公彦

昨日の「真冬なみの寒さ」が,今日は一転,小春日和に! https://tenki.jp/forecaster/kubo_tomoko/2023/11/27/26296.html 明日はもっと温かくなるという予報.しかし,金曜日はまた寒くなる--- 「冬来たる」を題材としてのブログの二回目なのですが,実際の…

冬来る を詠んだ短歌1 今日の関東地方は「真冬の寒さ」だったとのこと.11月前半はほとんど見られなかった鎌倉英勝寺の紅葉/黄葉も一気に進んできていました.冬間近. 明け方の枕の上に冬は来て残るともなき秋のともしび 藤原良経  さびしさは冬のはじめぞなかりける木の葉のちりかひ時雨音信(づ)れ 藤原家隆  初冬の澄み渡る空の深みどり松山の松に溶け入るらしも 窪田空穂  しづまりし色を保ちて冬に入る穂高の山をけふ見つるかも 斎藤茂吉 

今日は朝は小雨,その後も晴れることなく曇り.そして何より寒い1日でした. 「真冬の寒さ」とのこと. https://tenki.jp/forecaster/gureweather/2023/11/26/26289.html 11月前半はほとんど見られなかった鎌倉英勝寺の紅葉/黄葉も https://yachikusakusaki…

バームクーヘン2 /スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)7 「ザルツウェーデルならいつも食べてますよ」「電車を乗り継ぎ5時間!着きましたザルツヴェーデルです」一番古い店で,横に薄くそぐように切ったバームクーヘンをいただきます.200年前と変わらぬ作り方で直火で焼くバームクーヘン.窯の温度は300℃に達します.しかし,そんなザルツヴェーデルのバームクーヘンですが,かつて存続の危機がありました.東西ドイツの分断です.ザルツヴェーデルは東ドイツ領に組み込まれます----

オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(NHKBSプレミアム2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. ケルンのカフェアイゲル(Cafe Eigel)店主「そんなにバームクーヘンが食べたければ…

バームクーヘン1 /スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)6 高速列車Thalys(タリス)に乗って,ベルギーからドイツへ.車中でワッフルと並ぶ人気スイーツ・キュベルドンをいただきます.ドイツに入って最初の停車駅ケルン.「ケルンの老舗であるカフェアイゲルで,バームクーヘンを探したいと思います」しかし,バームクーヘンは見当たりません. 付録「ドイツの伝統的なスイーツ」:▽黒い森のガトー,▽(ドイツ風)チーズケーキ,▽ドナウヴェレ▽ビーネンシュティッヒ

オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(NHKBSプレミアム2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. ワッフルを満喫してベルギーをあとにします. https://yachikusakusaki.hatenablog.…

明月院から海蔵寺へ 本格的な黄葉/紅葉はもう少しの木が多かつた行程でしたが,色づいた木々を見ながら楽しく歩くことが出来ました.ハクサンボク,イチョウ,ナンキンハゼ,ツタ,ドウダンツツジ,ハゼノキ,カエデ.そしてケヤキ. とくと来て見てましものを山城の多賀(たか)の槻群(つきむら)散りにけるかも 高市黑人  うらさむき今朝の日和に風たちて欅の枯葉散り騒ぐなり 若山牧水

昨日は秋の深まり探りに明月院へ. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/22/235259 行きは北鎌倉まで横須賀線を利用しましたが,帰りは,浄智寺横を抜けて海蔵寺まで足を伸ばしました. 浄智寺山門です.中へ入っての参拝はしませんでした…

明月院へ行って来ました.カエデの紅葉は,まだこれからかと思いますが,木によってはかなり色づいていました.本堂後庭園から見た,カエデに囲まれた悟りの窓はなかなか.秋咲きのリンドウも庭にマッチしていました. このたびは幣(ぬさ)もとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに 菅原道真  もみぢ散る野原を分けて行く人は花ならぬまた錦着るべし 西行  木がらしにふきなびかへりかへるでの紅葉の諸葉葉先ちぢれて 三ヶ島葭子

日中,とても暖かな風が吹いた今日,明月院へ行った来ました. まだ,11月で,カエデの紅葉にはやや早い時期でしたが,晩秋の風情は十分楽しめました. 北鎌倉駅を降りてすぐの円覚寺.山門手前のカエデは,とても美しく紅葉していました. カエデの紅葉は,…

ワッフル4 /スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)5 ベルギーには,もう一つ,元祖を名乗るワッフルがあるんです.ベルギー東部のリエージュ.もワッフル発祥の地だと言います.ここでは高級品ではなく,庶民が愛した,素朴なワッフルに出会えます.ブリュッセルワッフルがプレーンだったのに対して,リエージュワッフルは砂糖が多いのが特徴です.「リエージュワッフルは,この形と柔らかさが大切です.パリパリではダメなのです.ブリュッセルワッフルとは,全く別のものなんです」

オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/ https://www.google.com/search…

ワッフル3 /スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)4 リールワッフルをいただいた高島さん.「ワッフルの本場」として有名なベルギー,ブリュッセルに向かいました.街中には,約120軒のワッフルを売るお店がありますが,四角いブリュッセルワッフルの元祖を作ったと言われる店があります. やって来たのは,ベルギー西部の街,ゲント(ヘント). 「ブリュッセルワッフルはここで作られているんだよ.このワッフルの型は,創業時から使い続けている」「ワッフルは,このようにパリッとしていなくてはいけない」  

NHKBSプレミアム オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/ ある創業1761…

ワッフル2 リールワッフル/スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)3  高島礼子さんは,フランスリールにある創業1761年のパティスリーで,ワッフルをいただきます.「あっ,こういうもの?あれ?」 まるで小判のような形.しかも薄い.中にはクリームまで入っています.店のオーナー「今でこそ,ベルギーのワッフルが世界的には有名ですが,元々のワッフルとは,当店のように,生地の間にクリームを詰めたものでした」

NHKBSプレミアム オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/ 高島礼子さん…

ワッフル1 スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)2 ロンドンからドーバーまでは列車.フランスカレーまでは1時間半の船旅.高島礼子さんが次なる出会いのワッフルを求めて,初めに向かったのがリール.ワッフルとは「発酵した生地を鉄板で夾んで焼いたお菓子」. 16世紀のブリューゲルの絵画に描かれたワッフルは,パンの様な生地をワッフルの型に流し込んで焼いています.現在では,一口にワッフルと言っても,味も形も生地も色々違うんです.番組では,その違いについて探っていくことになります.

NHKBSプレミアム オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/ ロンドンのセ…

ドーナツ /スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)番外編 NHKBSPオリエント急行 スイーツ列車紀行でドーバーに向かった高島さん.「クロナッツ」を車中でいただきます.「おいしい. 見た目は,クロワッサン的な生地----」 付録 ▽ロンドンで好まれているドーナツ  ▽ドミニクアンセルベーカリー東京撤退  ▽ドーナツの歴史. ▽doughnutとdonut  ▽ドーナツの種類(分類)

NHKBSプレミアム オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/ ブラウンズホ…

クロテッドクリームとジャムとスコーン スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)1  NHKBSプレミアムオリエント急行スイーツ列車紀行 はじめに高島礼子さんが向かったのは,アガサのお気に入りのブラウンズホテル.アフタヌーンティースタンドを注文.はじめにクロテッドクリームとジャムをスコーンに塗っていただくのですが--- ウェイター「クリームが先ですか?それともジャムが先ですか?」  “クリームが先か.ジャムが先か” 実はこれ,イギリス人の重要なこだわりポイント.議論が続いているのです.

NHKBSプレミアム オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送) “ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅” より. https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/ 「スコーン(S…

木枯らし(凩)を詠んだ短歌2  届け物のついでに鎌倉浄光明寺へ.ソヨゴ,カキ,ミゾソバ,アスター,アツバキモガヨラン,ギンヨウボダイジュ,ケヤキ---  焼く餅のふくれ見入れてひとりなり外はくれゆく木枯の風 松田常憲  さんざめき杳く流るる木枯らしの中を手負ひのごと帰り来ぬ 稲葉京子  木枯は多摩十万の枯丘を吹きて知る人なくなるごとし 馬場あき子  こがらしに吹き曝されている君を かばひつつ ともにぬくもっている 佐々木妙二

今日は,風はそれほど強くありませんでしたが,雲の多い1日でした. 午後,鎌倉扇ガ谷に届け物があって,冬に向かいつつある道端と浄光明寺の植物をiPhoneカメラに収めました. ソヨゴとカキ. アスター? 白バラも咲いていました. ピンポンマム? ミゾソバ…

木枯らしを詠んだ短歌1  古くは秋の風も木枯らしと呼ばれたとのこと.しかし,木枯らしの語感は,冬の木々の葉を吹き散らす寒風に,よりふさわしいですね. こがらしも今は絶えたる寒空よりきのふも今日も月の照りくる 斎藤茂吉  こがらしの音やむらしも.向(むか)つ山.山にむかひて居る 心はも 釈迢空  呼吸(いき)すれば,/胸の中(うち)にて鳴る音あり./凩(こがらし)よりもさびしきその音! 石川啄木

昨日は 「全国的に今シーズン最も低い気温を観測し,東京に木枯らし一号が吹いた」 と報じられていました. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231113/k10014256671000.html 木枯らし一号とは, 冬型気圧配置になって吹く北寄りの冷たい強風で,そのシーズ…

枯葉を詠んだ短歌  「今シーズン最も低い気温を観測し,東京に木枯らし一号」とのニュース.境内の枯葉に冬近いことを思わされる夜の妙本寺へ. 秋をいかに思ひ出づらむ冬深み嵐にまどふおぎのかれはは 菅原孝標女  槻(つき)の木の梢あかがね色に見ゆ枯涸葉(かれからびは)に夕日照りさし 岡麓  枯葉採り姑枝あつめて火を焚けばゆゑわかなくに涙あふれ来 吉井勇  ひとひらの枯葉が行方高くあり光りに向ふ鳥ならなくに 河野愛子  わがうちにかそけき枯葉踏みて行く人よ谺(こだま)となりて還らむ 角宮悦子

つい一週間前には,11月の最高気温を更新したと報じていたのに,https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/07/230607 今日は「全国的に今シーズン最も低い気温を観測し,東京に木枯らし一号が吹いた」とのニュース. https://www3.nhk.or.jp/ne…

落葉を詠んだ短歌2  落葉に似た言葉に枯葉があり,地面の落ちた葉はどちらも使えます. シャンソンの「枯葉」は「落葉」でも良さそうですが,イメージ的には「枯葉」がより良いように思われます. 落ち葉終へて眠りに入らむ白樺の林を遠く望む静かさ 植松壽樹  紅きセーター黄のセーターの子らとほり朝の篠懸の落葉さやけく 木俣修  いきどほりしづめしわれのむらぎもにくれなゐの落葉いち枚残る 福田栄一  たどきなく耳を澄ませば身もだえて落葉を急ぐ木々と思ほゆ 大西民子

昨日は,寿福寺のあと,つい先日訪れた川喜多映画記念館〜鶴岡八幡宮まで,再び足を伸ばしました. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/05/235830 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/11/234905 落葉の写真を改めてと…

落葉を詠んだ短歌1 寒さが際立つ中,鎌倉寿福寺まで.常緑樹がほとんどの境内に中,イチョウは黄色い葉を落としていました. 山おろしの月に木の葉を吹きかけて光にまがふ影を見るかな 西行  流れゆく木の葉のよどむ江にしあれば暮れてののちも秋の久しき 源実朝  落葉して月の色のみしろがねのうてなさびたるよるの木枯(こがらし) 小沢蘆庵  石にまどひ木の根にまどひ落葉らはおのがまにまにたむろせるのみ 伊藤左千夫  真冬日のひたと射し照る落葉山越えいそぎつつ心は散らず 若山牧水

寒い1日でした. 大阪では,木枯らし一号が吹いたそうで,明日は更に冷え込むようです.つい最近夏日だったので,寒さが際立ちますが,ようやく晩秋らしくなったということですね. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231111/k10014254891000.html https:…

蔦,柿黄葉,石蕗(つわぶき)を詠んだ短歌. 雨の1日,ご近所の散歩.ツタ・カキの紅葉,ヒイラギ・ツワブキの花に出会いました. 思はずによしある賤のすみかかな蔦の紅葉を軒に這はせて 西行  日をつぎて降りたる雨の晴れしかばうつくしき柿のもみぢ落ちをり 斎藤茂吉  山里の草のいほりに来てみれば垣根に残るつはぶきの花 良寛

今日は,朝から雨交じりの1日. 車で買い物に出かけたこともあり,歩いたのはご近所だけ.それでも秋らしい植物に出会えます. ご近所の車庫のツタ.紅葉が美しい植物です. よく見ると実がなっていました. ツタ Parthenocissus tricuspidata は,ブドウ目…

秋の夜を詠んだ短歌  秋の夜のつめたき床にめざめけり孤独は水の如くしたしむ 前田夕暮  白玉(しらたま)の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり 若山牧水  秋の夜の/鋼鉄(はがね)の色の大空に/火を噴(は)く山もあれなど思ふ 石川啄木  あたたかに香のたつミルクのみながら仰ぐ幾万年の秋の夜の空 鹿児島寿蔵  秋の夜も雑念なかなかしづまらず厨(くりや)の黄なるもやしに似たり 前川佐美雄  秋の夜はおもひきり憂愁にひたるべし友よもうすこししづかにのもうよ 加藤克巳

夕ぐれの鎌倉由比ヶ浜.入日の光は覗いているものの,空は雲で覆われていました. 八幡通を通って帰宅.夜が迫ってきました. 二ノ鳥居まで戻ってきたときには,既に夜. 秋の夜を詠んだ短歌 (古今短歌歳時記より) 今造る久邇(くに)の都に秋の夜の長きに…

イヌホウズキ  英勝寺の庭に咲いているのを見つけました.ホオズキと命名されていますがナス属で,ナス属特有の形をした小さな白花です.黒い実がなるはずです.完熟すれば毒性が弱まるようで,ケニアやタンザニアでは食べられているとのこと.英語名はblack nightshade(猛毒のベラドンナはdeadly nightshade).花も実も小さなイヌホオズキですが,ナス属のタイプ種となっています.

今日のNHKでも,11月の暑さの話題が. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231108/k10014251281000.html とはいっても11月第2週. 鎌倉英勝寺の薄.季節は晩秋であることがわかります. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/06/221725 1…

秋深き・秋ふかみを詠んだ短歌3  11月の「極値」を更新した今日でしたが,秋は日増しに深まり,様々な木の実が色づいています. 秋ふかき今朝のあさけに見し夢のかなしきことは妻にかたらず 石井直三郎  枝も葉も秋深くなりし風にあひて骨のふれあふ音たつる樹樹 五島美代子  秋ふかき磯の径(こみち)の綿あざみ袖にちらしてわれはもとほる 吉野秀雄  うす日射す路地を横切る白い蝶へたへたと弱し秋深みゆく 坪野哲久  明日は散る萩ほのぼのと衰へて父につれなく秋深むべし 馬場あき子

「秋深き」「秋ふかみ」を詠んだ歌を取り上げて3日目なのですが--- 一昨昨日の記録的な暑さを,今日,またまた更新! https://weathernews.jp/s/topics/202311/070155/ https://tenki.jp/forecaster/gureweather/2023/11/07/26006.html それでもやはり11月.…

秋深き・秋ふかみを詠んだ短歌2  木々は色づきはじめ,山茶花の見頃も近づいています.秋は少しづつ深まつてきています. 秋深き山のかげのの柴の戸に衣手うすし夕暮の空 伊勢  諏訪の神のみすゑの子等と秋深き富士見野の花にいにしへ語るも 伊藤左千夫  秋深しこの日も栗鼠(りす)のふるまひを盗み見すなり落葉松(からまつ)林 与謝野晶子  あき ふかき みだう の のき に すごもる と かや に はね うつ はち の むれ みゆ  会津八一 

昨日,散歩の時に目にした,鎌倉のイチョウ,ケヤキ,そしてハゼノキ.どの木も少しずつ色づいていました. 暖かな陽気が続いていますが,秋は,すこしづつ深まつてきています. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/11/05/235830 立ち寄った…

秋深き・秋ふかみを詠んだ短歌1  鎌倉川喜多映画記念館のイチョウは,遠目には緑濃く見えましたが,下から覗くとかなり紅葉が進んでいました.欅も色づき,ハゼノキの美しい赤い葉も増えてきていました.源氏池にはオナガガモ到来.源氏池からの夕焼けはお薦めです. 佐保山の柞(ははそ)の色は薄けれど秋は深くもなりにけるかな 坂上是則  秋ふかき淡路の島の有明にかたぶく月をおくる浦風 慈円  箱根山ふたごの山も秋ふかみ明ぐれ風に木の葉ちりかふ 曾禰好忠

夕方,紅葉の様子を見ようと川喜多映画記念館へ.その足で,夕日を眺めに鶴岡八幡宮まで行って来ました. 川喜多映画記念館の遊歩道には,イチョウ,ケヤキ,そしてハゼノキがあります. まずはイチョウ. 遠目には,まだ青々していますが,見る角度を変えて…

妙法寺の晩秋の花  「秋も深まってきているはず」なのですが,11月としては,記録的な暑さの今日,鎌倉妙法寺まで秋みつけに. 逆川にはシロバナイヌタデ,ジュズダマ. ハギは最後の一花.ツワブキは咲き始め,センリョウ,サネカズラは美しくいり付いていました.サザンカの横にリス,ホトトギスにはクマバチ.そして,仁王門の前にはノハラアザミ(多分)が咲き乱れていました. もの思ひし頃に知りたるあざみにて棘の痛みを試しなどして 福田栄一

11月に入って4日目.「秋も深まってきているはず」 暦Wiki/季節 - 国立天文台暦計算室 と思い,「秋深き」「秋ふかみ」を詠んだ短歌を取り上げるつもりでしたが--- 今日は,11月としては,記録的な暑さ! https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2023/11/04/2…

菊を詠んだ短歌3  日本語の「きく」は,漢字「菊」の音読み?訓読み?答えは音読み.漢字も音も花と一緒にやってきたようです.英語では近年「mum」が一般的に?  まくらべに黄菊の鉢を置きしから一夜の夢にきみを見にけり 岡野直七郎  宿酔(ふつかよひ)の濁りはくらき目を伏せて何にもの云ふ残菊の花 斉藤史  菊の香に手術のあとの友眠るこの夜ただに惜しひとつ身命 大野誠夫  菊を焚く年々にしていや寒き心の色の白菊を焚く 馬場あき子 

菊という名前 世界で最も菊を愛する中国と日本.ともに名前としては「菊」が使われています. https://www.google.com/search?中国開封菊文化祭 https://www.google.com/search?日本の菊展 日本に菊が渡来したとき(奈良時代後半〜平安時代初期)に,この漢…

野生菊とハマギク 「野生菊」は,「キクに近縁の野生種」.キク属ですが,当然のことながら,園芸種のキクとは別種.ノジギク(白い舌状花+管状花),シマカンギク(黄色い舌状花+管状花),イソギク(管状花のみ)などがあります.海外でも人気があり,ニッポンデージーとも呼ばれるハマギクは,「野生菊」とは別属.トキのように「日本の日本」(Nipponanthemum nipponicum)という学名がつけられています.水色に塗りたる如きおほぞらと白き野菊のつづく路かな 与謝野晶子

野生菊 NHKみんなの趣味の園芸では,菊を以下のように分けていますが,種としては全て同じキク Chrysanthemum ×morifoliumになります. https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-277 大ギク(大菊) …菊花展などで見られる観賞…