2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

横須賀しょうぶ園へ行って来ました.植物園としてはそれほど広くありませんが,園内の植物は藤,石楠花と花菖蒲に絞られています.中でも広い場所が取られているのがハナショウブ. 一体何種類植えられているか? ほんの一部だけしか開花していない品種がある一方,すっかり咲きそろったものもあって,十分楽しめました.まわりを囲む樹木たちも元気に育っていて,中でも,メタセコイアはシンボルツリーと言えるほどになっています.梅雨空のうっとうしい気分を晴らしてくれる午後でした.

午後は,どんよりした天気ながら,雨は降らず.横須賀しょうぶ園へ行って来ました. 道路が整備された今は,鎌倉からは,車で行くのがおそらく一番早いと思いますが,今日は,横須賀線で衣笠まで,その後バス(しょうぶ園前にとまるバスは1時間に2本)とい…

五月雨を詠んだ短歌 梅雨空を背景にテッポウユリが咲きました.うっとうしい気分を爽やかにしてくれます. 五月雨に物思ひをれば時鳥夜ふかくなきていづちゆくらむ 紀友則  五月雨は今ふりやみて青草の遠(おち)の大野を雲歩みゆく 太田水穂  さみだれの雨間の夜なり灯を受くる草木の葉うら深き闇もつ 初井しづ枝  おとろへて蛇のひものの骨を嚙むさみだれごろのわが貪着よ 坪野哲久  さみだれはあしたさみどりひるはしろゆうべうするり夜のふけて金 松平盟子

テッポウユリが咲きました. 青空も似合いますが,雨に濡れながらも,梅雨空を背景に,すくっと咲いているさまは,うっとうしい気分を爽やかにしてくれます. 中部地方以西は,全地域で梅雨入りが発表されました. 関東地方の梅雨入りも,例年より早めで,「…

ガクアジサイ(額紫陽花)を詠んだ短歌  今の季節,目立つのはアジサイ. ガクアジサイがちょうど見頃になっていて,道行く人を楽しませてくれていました.  色うすきがくあじさゐの花咲けり一叢竹(ひとむらたけ)のなびく傍(かたはら) 岡麓  萼の花昨日よりもまたうなじさげてあせゆく色にわびし長雨 九条武子  切り落とせる空ともまがひがくあじさゐ青く咲きゐる山に分け来ぬ 阿部静枝  石垣にとりつきて咲く紫の額あじさゐのすみし朝のいろ 小野昌繁

今日は一日中雨模様.中部地方以西では梅雨入りとのこと. 夕方買い物の途中に通ったホテルのレストラン前の植え込み.とてもきれいに整備されていて,いつも感心します. どこの庭でも厄介者になっているドクダミ.花はきれいなことは多くの人が認めていて…

落花生2 落花生はアンデスの東が起源とされ,この栽培種が野生種間の雑種から生まれたことが明らかになりました.落花生は,世界で二番目に多く生産されている豆で,最も多く生産している国は中国,次いでインドです.落花生の用途で最も多いのは落花生油原料としてですが,その生産が最も多いのも中国,次いでインドになります.中華料理のレシピを調べてみると,宮保鶏丁が最上位に検索されてきます.本場のレシピは材料を揃えるのが大変そうですが,とても美味しそう.鶏肉を炒める油として落花生油が使われています.

落花生の栽培種の起源 現在世界食用にされている落花生は,Arachis hypogaeaという種. https://en.wikipedia.org/wiki/Peanut 落花生は南アメリカ、ボリビア南部のアンデスの東の山麓地域が起源とされていますが,最近,この栽培種Arachis hypogaeaは,A. d…

落花生1 最近はピーナッツと呼ばれることが多い落花生.花の根元からつる(子房柄)が下方へ伸び、地中にサヤを作ることに由来する漢名です.オーキシンの分布が下向きに伸びる指令を与えているとか.国内生産量の10倍が輸入されていますが,世界の消費と異なり落花生油はあまり使われていません.栄養成分としては,他の豆類より脂質が飛び抜けて多く,ビタミンE,ナイアシンを多量に含むのが特徴と言え,全体としては豆類よりアーモンドに近い栄養成分をもちます.

4月に小豆を取り上げてから,インゲン,エンドウ,ダイズを話題としてきました. 今日・明日は落花生を取り上げます. 落花生1 最近はあまり聞きませんが,南京豆とも呼ばれます. 日本には、はじめ,中国から入った (17世紀 https://kotobank.jp/word/ラ…

ニワフジは「あい色染料」属? おんめ様(鎌倉大巧寺)にはニワフジが植えられていています.ニワフジはコマツナギ属Indigofera.Indigoferaの語源はインド産のあい色染料Indigo.同属のタイワンコマツナギなどからIndigo染料が取られ,化学染料が作られるまでは世界を席巻していました.歴史は古く,2016年にペルーで発見されたインディゴ染めの布が6,200年前にさかのぼると報告されました.“ブルージーンズの「青」は、6,200年前のペルーで初めて作られた”(ワシントンポスト)

おんめ様(鎌倉大巧寺)にはニワフジが植えられていています.5月に開花して,今は最後の花が咲き終わろうとしているところ. 花の形が藤に似ているため庭藤と名前がついたのでしょうが,木全体の形,葉,そして花の色は,どちらかというと萩に似ていると思…

ユキノシタ(雪下.虎耳草)を詠んだ短歌  ホザキナナカマドが咲きました.ご近所にも小さな白い花が咲いています. 集めてみました.シロツメクサ,クリ,ネズミモチ,アワモリショウマ,ノリウツギ,ユキノシタ. 雪のした花咲きたりと風ありて揺らぐに見出づそのかそけきを 窪田空穂  朽ちそめし軒の下端(したは)のゆきのした濡れそぼち咲く五月雨のころ 原阿佐緒  ほの紅き虎耳草の葉は水雪(みづゆき)を透してぞ冴ゆ日の照るときに 木俣修  虎耳草しろき花もつ蔵かげに子を抱ききて嘆きたりしか 岡野弘彦

夕方近く,庭に出てみると,ホザキナナカマドが咲き始めていました. あまり見かけませんが,このような花が咲くとは知らず,ナナカマドと間違えて購入した株.小さな白い花が集まって咲くさまは,かなり見応えがあります. シモツケに近縁といえば近縁の花…

柘榴(ざくろ)の花を詠んだ短歌  宝戒寺の庭に柘榴の花が咲いていました.他の花ではなかなか見られない朱色で,吉岡幸夫氏ははねず色のはねずを柘榴としています. 長かりしわが昏々(こんこん)を照らすごと柘榴は朱(あけ)の花に満ちたり 木俣修  つやつやと青きに交るくれなゐの柘榴の花よ雨はあがりて 千代国一  まなじりを上げておもえば短か夜を柘榴の花の散りつくす風 馬場あき子  力あるくれなゐを虚空(そら)に開くかな柘榴の花となるを得しかば 稲葉京子

今日は,昨日の寒い雨から一転して,暖かな晴れた1日.夕方散歩は,少し早めに出て,宝戒寺まで. 本殿横の柏槇は,いつ見ても立派です. 鎌倉の寺院に多い樹木.大きさでは建長寺や円覚寺に及ばないものの,樹形の美しさではどこの木にも引けを取りません.…

ほたるぶくろを詠んだ短歌  おんめさまにホタルブクロが咲いています.別名ほたるばな.つりがねそう.とうろうばな.ちょうちんばな.戦前の短歌では釣鐘草と詠まれています.みちのくに穉(いとけな)くしてかなしみし釣鐘草の花を摘みたり 斎藤茂吉  むらさきに梅雨の雨間をあざやけしあら草むらのほたるぶくろの花 宮柊二  蛍ぶくろの花ほうと吹き生けむとす若かりし母のなしし如くに 大西民子   しとしとと空の濁りはしたたりて蛍ぶくろの花序につらなる 道浦母都子

おんめさま(鎌倉大巧寺)にホタルブクロが咲いています. ただ,楽しみにしていた,八重のどくだみの中の花は一株だけでしたが. 二年前のおんめさまの画像では,このように絶妙のバランスで咲いていたのですが--- 蛍の季節に咲くホタルブクロ.姿も名前も…

桑の実を詠んだ短歌 線路脇の土手に桑の実がなっています.マグワ(カラヤマグワ)?ヤマグワ?種類を見分けられませんが,通るときは,手の届くところの黒くなった実を一粒二粒口に入れています. たらちねの母の辺(べ)にゐてくろぐろと熟める桑の実を食ひにけるかな 斎藤茂吉  桑の実を食みし記憶に重なりきてをさなく恋ひしひとのおもかげ 木俣修  生あたたかき桑の実はむと桑畑に幼き頃はよく遊びけり 佐藤佐太郎

近くの横須賀線の線路脇の小径に,沢山の植物が,雑多に生い茂っています. ほとんどが,いわゆる雑草に当たるものですが,どなたかが植えたと思われる植物,どこかのお宅の庭から逃げ出してきたと思われる植物もあって,季節ごとの花や実を見ながら通るのを…

大豆4 大豆の世界への伝播 世界で最も多く生産されている豆で,食用,搾油後の飼料等,多岐に利用されている大豆.しかし,世界に広がったのは比較的遅く,ヨーロッパへは,1700年代前半.大豆の世界への伝播には,醤油と日本で栽培されていた大豆が大きく関わっていました.大豆が欧米に伝えられる前に,醤油は高い評価を得ていましたが,大豆から作られることを知っている人はいませんでした.転機をもたらしたのが,長崎出島に滞在したケンペル.大豆と大豆食品について詳しく紹介しました.

大豆の英語soybeanの"soy"が,醤油と深く関わった(語源ともされる)言葉であることは,広く認められていますが, https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/soy https://www.etymonline.com/word/soybean 大豆の世界への伝播は,日本の大豆食…

大豆3 醤油の歴史  醤油は,日本において,万能の調味料としての地位を占め,醤油なしでは日本料理は成立しないと言われています.醤油は,味噌とともに穀醤(豆醤)から変化発展したものです.日本で,醤油の原形である「醤」の名前が登場するのは大宝律令で,「醤油」の名前は室町時代に登場します.そして,醤油を製造する企業が成立し,日常の料理に醤油を使用することが,商品経済に依存して生活している都市民から始まり,200年以上の歳月をかけて,日本の料理の味は味噌味から醤油味へと変化していきました.

日本人の食生活には,なくてはならない食品,大豆 昨日の味噌に続いて,今日は醤油の歴史を取り上げます. 大豆から作られた醤油は,日本において,万能の調味料としての地位を占め,醤油なしでは日本料理は成立しないと言われています. 醤油の出荷量は近年…

大豆2:豆腐と味噌の歴史  豆腐:「乳腐」にヒントを得て,中国で発明され,精進料理の発展に寄与.日本で初めて豆腐が記載されたのは1183年,その後,中世,最も豆腐が食べられたのは禅宗寺院でした.江戸の中頃には都市部には多数の豆腐店が出現し,一般的な食べ物になりました. 味噌:大豆発酵食品の原型が生まれたのは,漢代中国.日本の大宝律令に「未醬(みそ)」=味噌の記述があり,中世において,副食(「なめ味噌」として),または,調味料(味噌煮等に)として用いられていました.味噌汁の普及は戦国以降.

日本人の食生活には,なくてはならない食品,大豆. しかし,「国内自給率は3~4%程度で、大半は輸入されています」(日本豆類協会)とのこと. ただし,「国産大豆はほぼ全量が食品用に仕向られているため、製油用を除いた食用自給率は2割強となってい…

大豆1 大豆は五穀の一つに数えられてきました.その文献的根拠とされる古事記,日本書紀は,当時から大豆が栽培されていたことを示していますが,大豆が本格的に栽培されるようになったのは鎌倉時代とのこと.以降,日本ではタンパク質供給で大きな役割を果たしてきました.同時に,大豆は重要な油糧作物(油の採取を目的として栽培される作物)であり,食品としてはカルシウム,鉄,食物繊維などの供給にも重要な役割を担っています.

日本人にとって,最も身近な豆,大豆. https://www.mame.or.jp/syurui/feature/syurui_15.html 今日から何回かに分けて,大豆を話題として取り上げます. アズキ(小豆),インゲン(隠元),エンドウ(豌豆)に続く豆シリーズの一環としての話題です. 大…

海蔵寺とその帰り道に出会つた花々/スイカズラを詠んだ短歌  海蔵寺は,落ち着いた雰囲気で,いつ来てもほっとさせてくれるお寺.横の径のお宅のセッコクがしつかり花を付けていました.扇川にはキショウブとキリンソウ.垣根を飾るウツギとテイカカズラ.グミの実.咲き始めた栗の花.スイカズラには三カ所で出会いました.忍冬(にんどう)の花早(はや)咲きぬ川寄(かわより)のみちは照日(てるひ)の光つよくて 岡麓  すひかづら蒸し暑く咲くまれまれに妻をたづさへ行く道のべに 佐藤佐太郎

今日もよく晴れた1日.海蔵寺とその帰り道に出会った花たちの画像をお届けします. 海蔵寺は,ユキヤナギ,ハナカイドウ,ツツジが終わって,花が少なくなっていましたが,落ち着いた雰囲気で,いつ来てもほっとさせてくれるお寺です. ハナカイドウは,リ…

英勝寺の花,竹,モッコク(木斛) 白藤は終わってしまいましたが,境内の小さな花たちは元気いっぱい.キショウブ,ムシトリナデシコ,イモカタバミ,ハルジオン,ニワゼキショウ,オニタビラコ,ヘビイチゴ.通常雑草扱いされている草花を,意図的に残していることに気がつかされました.竹寺と言えば報国寺ですが,英勝寺の竹林も見る価値十分.若竹が美しい時期.木斛は参拝者は気にとめない名木.今の時期は「木斛落葉」.新緑の中の紅葉が美しく見えます. 木斛の芽ざしあかるく初夏の光みなぎる青の大空 金子薫園

今日は晴れた1日. 少し気温が高すぎて,爽やかな五月晴れの1日とは言い難かったのがやや残念. それでも,久しぶりの晴れた空の下,少ない時間ですが英勝寺まで行って来ました. このお寺も花の寺として知られていますが,白藤の花は終わってしまいました…

おんめ様の花/キスゲを詠んだ短歌  大巧寺の小径の手入れの良さと草花の多さにいつも感心します.サツキ,テイカカズラ,ハクチョウゲ,コバノズイナ,ギボウシ,イワフジ,アワモリショウマ,ニオイバンマツリ,ツルアジサイ.そしてマンシュウキスゲ(多分)はキスゲに似た,かわいらしく,かつ,立派な花.キスゲは黄色が美しく,野で出会ったら魅了されそう. 夏の花原の黄菅はあけぼのの山頂よりもやや明(あか)うして 与謝野晶子  ひと恋はばひとを殺(あや)むるこころとは風に乱るる夕菅の花 道浦母都子

昨日夕方,雨の中,鎌倉妙本寺までの散歩の行きがけ,おんめ様(大巧寺)の小径を通りました. 5月に入って,この小径をゆっくり見たのは初めて.いつもながら,手入れの良さと草花の多さには感心させられます. 一番目立っていたのは,5月の定番,さつき…

くす(樟)若葉を詠んだ短歌 今日の雨の妙本寺の樟は黒ずんで見えましたが,二週間前に撮った画像では,やや黄色がかった緑の若葉が美しく,花も咲いていました.樟の新芽は美しく,常緑樹とは思えません. まひるまの嵐吹きみだる樟わか葉明るき影をふりしきらせり 古泉千樫  樟一本冬すぎし緑の葉を鳴らす庭に茣蓙(ござ)しき伸伸とをり 鹿児島寿蔵  くすのきの稚き芽ぶきに冴えざえと風わたるとき揺るる額髪 岡野弘彦  ためらわず黄金の芽を芽ぶくときくすのきは匂ふバリケードの中 小野茂樹

今日も鎌倉は雨.5月なのに,梅雨のようにな日々が続いています.旧暦に戻ったよう. 一昨日はまだ蕾だった,山紫陽花の花の真ん中の花(真花): 今日は,ほとんど開花しました.紅(確か品種名がクレナイだったと思います)の色も深くなってきています. …

欅若葉を詠んだ短歌  雨に打たれた庭の梅花空木の花,梅の実は,元気いっぱい.並びのお宅のケヤキ若葉の緑も映えていました. 朝空に欅若葉のひとところはつかにゆれて止みにけるかも 三ヶ島葭子  西明(あか)き雲のうごきや欅木の若葉の雨の今やまむとす 松村英一  屋敷木の欅若葉のゆらぐゆゑ病める肌への今朝はすがしき 岡野弘彦 

今日も,夕方まで雨. 晴れやかな気持ちには寝れない天候でしたが,植物たちは雨をよろこんでいるように見えました. 庭の梅花空木の花,梅の実,元気いっぱいです. ほぼ花が終わってしまった麦仙翁(アグロステンマ)も,最後のひと花を咲かせていました.…

椎若葉を詠んだ短歌  五月の鎌倉の山は,一部黄色く盛りあがっているところがあります.椎の木の花と若葉のためと思います.五月の椎の花と若葉はなかなかのもの.  根もとより枝を重ねる大き椎五月のわか葉空にして照る 窪田空穂  椎わか葉あふり燃えたつ焔のした逃れし夜半を幻覚とせむ 土岐善麿  椎わか葉にほい光れりかにかくに吾れ故里を去るべかりけり 古泉千樫  春闌(た)けてひととき匂ふ若葉かな道に陰して椎の老木は 松村英一

5月も二週目に入って,季節の変わり目を強く感じるこの頃です. わが家のヤマアジサイ.まだ,固い蕾のままの株の方が多いのですが--- 一つの株では,花が開き始めました! 下の写真では,まわりの装飾花の部分だけですが,中央部の真花もほころび始めてい…

桜若葉・柿若葉を詠んだ歌  わが家の庭で,緑が美しいのは柿若葉. 透き通ったような緑で,桜若葉を凌駕していると思います. 残されし蕚(うてな)と蕊(しべ)のいろ匂ふ散りて日もなき葉桜なれば 初井しづ枝  柿の木の若葉のうへに紅き月のぼりてさむき夕となれり 島木赤彦  柿若葉ほぐれそめつつをりをりに朝のかがやく風に吹かるる 遠山光栄  柿若葉惚(ほ)うくる母の叱らるる嘆きかくせよ春もすぎゆく 馬場あき子

今日は,夕方,突然の豪雨. 30分ほどで,ほぼ止んできたとき,お向かいの桜若葉に目が向きました.曇り空でしたが緑が映えていました. ソメイヨシノはほとんど実をつけませんが(クローン&自家不和合成のソメイヨシノは,例え実をつけても種子の形成にい…

ミズキ(水木)を詠んだ歌/ヤマボウシとミズキ ヤマボウシがはす向かいのお宅に咲いていました.今日見ると紅く色づいてきていてハナミズキそっくり.どちらも先日出会った水木と同じミズキ属.落ち着いた上品な花たちです. 色あさき水木の花の匂ひいづる春もさつきとなりにけるかも 今井邦子  さむき日の光の中に滴りて水木は立てりわれも来て立つ 生方たつゑ  枝ごとに吹かれゐる水木の白き花ひとつの谷をへだてて見ゆる 遠山光栄

わが家のはす向かいのお宅に,ヤマボウシが咲いています. 華やかさはないのですが,落ち着いた上品な花ですね. 昨日撮影したときには白花だったのが,今日見ると---1日で色づいていました.もともと変色する性質なのか,それとも園芸品種だからなのかはよ…

えんどう(豌豆)3 イタリアとフランスのエンドウ豆料理. イタリア,フランスのエンドウ豆料理を調べてみると,ほとんどが,生のグリーンピースの料理でした.ヨーロッパ全体に生のエンドウ豆が広まったのは17世紀,フランスに急速に広まった以降とのこと. 'Italian & peas & recipe'で検索するとほとんどが,Itarian Peaという料理でした.'French & peas & recipe'で検索すると見た目はイタリアと似ていましたが,バターを使うなど味は異なると思われる料理がみつかります.

昨日は,イギリスのエンドウ豆料理の一部を紹介しました.今日は: イタリアとフランスのエンドウ豆料理. 現在のイタリア,フランスのエンドウ豆料理を調べてみると,ほとんどが,生のグリーンピース(冷凍を含め)の料理でした. エンドウはヨーロッパで最…

えんどう(豌豆)2  「豌豆」と「pea」& エンドウ豆のレシピ/イギリス編 「豌豆」は中国語.「豌」は「えんどうまめ」. Peaの第一義は植物としてのエンドウで,二番目がその豆. エンドウは地中海沿岸〜中近東が原産地とされ,新石器時代の遺跡からみつかっています. マザーグースの歌にあるエンドウ豆がゆ(Pease porridge)は,伝統的なイギリス料理.’british & pea & recipe’ で検索すると,得られる画像のほぼ全てがPease Porridgeに似たMushy peasとな

昨日から引き続きエンドウマメの話題. 今日は,エンドウマメの呼称,簡単な歴史とイギリスのレシピを取り上げます. えんどう(豌豆)2 ▽「豌豆」と「pea」 「えんどう」という日本の呼び名の由来は,ほとんど分かっていないようです.候補としては”葛の異…

えんどう(豌豆)1  乾燥したエンドウ豆をあまりありませんが,サヤエンドウや冷凍グリーンピースはいつでも手に入ります.生産量第1位は,サヤエンドウが鹿児島,グリーンピースが和歌山.乾燥豆の栄養成分は,アズキやインゲンと大きな違いはありません.サヤエンドウ,グリーンピースは,栄養という点ではトップクラスの野菜.枝豆には及びませんがタンパク質が豊富.ミネラルはホウレンソウと比べても,遜色ないと言ってよいでしょう.そして,注目されるべきは食物繊維.グリーンピースはゴボウ,枝豆を上回っています.

先日来,話題としてきた豆.アズキとインゲンを取り上げました. アズキ(小豆) https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/04/18/235722 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/04/19/115500 インゲンマメ(隠元豆) https://yachik…

ムラサキセンダイハギ/ルピナス/金雀枝 紫先代萩の青紫は透き通るように鮮やか.わが家の庭にもフラワーセンターにも花咲かせています.ルピナスがとても近いマメ科植物とは知りませんでした.エニシダも近縁です.春さへも最早あゆみをいそがして金雀枝にほふ天の村星 尾山篤二郎  万流の油注がん六月の日を遥かしと天の金雀枝 前田透  えにしだも散りて藪なす垣内に木ともなれざる身の染まりをり 馬場あき子 

庭に,青紫色が鮮やかな花が咲いています. ムラサキセンダイハギ(ムラサキセンダイハギ属)という名前です.挿し芽が根付いたのに,花はさっぱりだったのですが,今年は花を付けてくれました. 他にあまり見かけることがないと思っていたところ,昨日出か…

シャクヤク(芍薬)を詠んだ短歌 大船フラワーセンターの芍薬を見に行つてきました.とても沢山の品種が揃えられ,十分満足できました.オオタニベニなどの名も. 芍薬のあえかにしかもうす紅にうるほひあまる花に手をふる 太田水穂  押し黙りながむるわれにくれなゐに燃えては熱(ほ)めく芍薬の花 川田順  ほのかなる白のふくらみ庭陰の山芍薬に一花の生(あ)る 千代国一  吾にはげしき夏くる兆し芍薬の花芯にほそきくれなゐ見ゆる 安永蕗子

わが家には,シャクヤクが二株あって,その内の一株はかなり前から咲いています. ほとんど手入れしなくても,肥料を忘れなければ咲いてくれる芍薬は,孝行者です. 「もっと手入れされたシャクヤクを見てこよう」と,大船フラワーセンターへ行って来ました…

卯の花/ウツギを詠んだ短歌(再掲)  3種のウツギ属の赤花ーベニバナバイカウツギ・サクラウツギ・サラサウツギーが,この五日間ほどの間に,全て開花しました! どれもかわいらしい花です. けふも又のちもわすれじ白たへのうの花にほう宿と見つれば 紀貫之  五月雨もむかしに遠き山の庵(いほ)通夜する人に卯の花生けぬ 与謝野晶子  卯の花のこぼれ咲く崖のした道をいくばく登りて小鳥のこゑ澄む 北見志保子  高舘(たかだて)の卯の花清水なつかしも晴れゆく風に土の香の立つ 馬場あき子

バイカウツギが,一輪,咲きました.大好きな花で,毎年楽しみにしています. 5月は,卯月.卯の花の季節ですが,バイカウツギはウツギ属ではなく別属のバイカウツギ属. わが家には,このバイカウツギ以外に,ウツギ属の花が4種あります. 既にほぼ咲き終…

センダン(栴檀)/オウチ(楝)の花を詠んだ歌 栴檀の花が咲いていました.上品な花.古来短歌に詠まれてきたのがよくわかります. 妹(いも)が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干(ひ)なくにも 山上憶良  ゆふぐれになりつつのこる明るさに楝花咲く下にて遊ぶ 岡麓  羽根そよがせ雀楝の枝に居り涼しくやあらむその花かげは 北原白秋  栴檀はうすむらさきの雪のごと花咲きてしあわせなりしかの日よ 石川不二子 

鎌倉本覚寺(日朝様)の境内には,センダン(栴檀)の大木があり,花が咲いていました! 近くで見るのは初めてです. とても上品な花. 古来,多くの歌人に取り上げられてきたのがよく分かります. また,詩人三木露風も「せんだんの花のうす紫/ほのかなる…

若葉を詠んだ短歌 ご近所と妙本寺で出会った植物の若葉と,若葉を詠んだ歌を集めてみました. かげひさす水さへ色ぞみどりなる四方の梢のおなじ若葉に 藤原定家  若葉さすころはいづこの山見ても何の木みても麗しきかな 橘曙覧  もえいでて未だやはらかく広き葉も細葉もなべてひるがへりけり 斎藤茂吉   けぶるがに若葉なまめく山の襞(ひだ)女を思ひわれは入りゆく 岡野弘彦

新緑の山が元気づけてくれる5月です. 今日,ご近所と妙本寺で出会った若葉と,若葉を詠んだ歌を集めてみました. お隣の松とコニファー. 妙本寺の楠. お向かいの椨と庭の椿. 庭の山椒と梅花空木. 線路脇の桑. 妙本寺の蜜柑. 妙本寺の桜. 妙本寺の楓…