「情報共有と情報発信という体制が一番求められる」五箇氏//「見えないので非常に不安.一方で拡散を止めないといけない.危機感を伝えると不安感がまた増大.バランスをいかにとっていくのか」押谷氏//「社会を守るために自分たちも闘っている.という気持ちをしっかり持って頂いて.不安になる前に,みんなが同じ気持ちで,今,この恐怖に立ち向かっているんだという気持ちを,まず共有して頂く」五箇氏 BS1スペシャル「ウイルスVS人類~未知なる敵と闘うために~」4

BS1スペシャル「ウイルスVS人類~未知なる敵と闘うために~」4

2020年3月19日(木) 午後9時00分(50分),2020年3月28日(土) 午前0時20分(50分),2020年4月1日(水) 午後9時00分(50分)

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https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2416283/index.html

出演者ほか

【出演】東北大学大学院教授…押谷仁,国立環境研究所 室長…五箇公一,作家…瀬名秀明,【解説】中村幸司

 

五箇エビデンスを常に順次集めながら対応していくという,そういうまさに情報共有と情報発信という体制をですね,これが,(感染防御のための組織に)まず一番求められるかな」

押谷「今,我々もですね,本当に全速力で走りながら,考えながらやってるというところで,きちんと,我々が今考えている戦略を説明しきれていないところがあって,ここは,早急に改善しなきゃいけないところだと思うんですけれど.

今起きているとこと,これから起きること,それに対して何が出来るのかということを,正しく知ること.

それによって,みんながそういう情報を共有する.

そのためには,我々ももっと情報発信をしなきゃいけない」

中村「これまでの伝え方を見ていると,やっぱり,国民に納得感の得られるような形で伝えられていない部分もある.

急に,新たな,かなりきついことをお願いするとかですね.あるいは,国民が『おや?』と思っていることに対して,いや,うまくいってない面もあるということを,ちゃんと認めた上で,だから,次の,こういう手を打とうとしてるんだという説明があれば,国民も,なるほどと言って,腹に落ちて,その対策をやっていく気分にもなるし,その必要性も,腹に落ちて,やっていける.

そこら辺が,まだ,うまく伝わっていない.伝えていないというところがある」

押谷「今は,戦略を考えている段階で,ある一定の地域がどういう状況になったらなにをしなきゃいけないのかっていう,そういうメニューは考えていますけども(⇒*),残念ながら,もう少し時間がかかります,それには」

中村「それをやるのは国民ですので,国民が納得できる形で説明して,提示するということが,重要になりますね」

押谷「それは,本来は,政治家の役割です」

瀬名政府の決断が,どうしてそのタイミングでこうなってるのかが,分からず不安である.例えば,会社に勤めてる人なんかは,会社の上層部がマスクをしてこいと言うから,マスクをしてるんだけど,自分でもこれが本当に役に立ってることなのか,自分でもよく分からないけどマスクをしてる.

そういうような,つまり,僕らは,人間っていうのは,多分,安心して暮らしたいっていうのが,非常に,その,行動原理としてあって,安心すればあんまり考えずに済んで行動できるからだと思うんですね.

だけど,不安だと,一つ一つ決断しないといけない.つまり人間らしさを発揮しないといけないから,非常にストレスがかかる」

五箇「今,皆さんコロナ疲れと言われているのは,見えない恐怖と不安感.

それでいて自分は,自分にしてみれば,何かあんまり死ぬ気がしないんだけど,というような安心感.

それ,もう入り混じっちゃってストレスがたまってるわけですよね.

これが一歩外出たらみんな死にますよって言ったら,みんあ,もう震え上がって家にいることは,だれも,そこはもう,何か文句は言わないっていう中で.実際の所,何かいまひとつ不安だけど見えない.その部分っていうのがストレスになってるというところが大きいと思うんですよね」

押谷我々が,今,一番苦慮しているのはですね.

やっぱり,これ,ウイルスが見えない,日常に見えないので,皆さんが非常に不安に思っているということは,よく分かっていて.

ただ,一方でこのウイルスの拡散を止めないといけない.

で,札幌は-----っていうか北海道は一時期かなり厳しい状況になりかけていたので,そうすると,やはり,この危機感を伝えないといけない.で,危機感を伝えると不安感がまた増大する.そのバランスをいかにとっていくのか.

危機感を緩めてしまうと一気に皆さんの行動が危険な方向に向かっていってしまうので,そのバランスをいかにとるのかっていうことが難しくって.

我々が今,日本に住む人たちに考えてもらいたいことっていうのは,それぞれが,この問題を,もっと真剣に考えてほしい.

どうしたら,自分は危険な感染するようなところに,感染する危険が明らかにあるところがあるので,そういうところに行かない.

で,若い人たちは,自分たちが感染しても,おそらく大半の場合には重症化しません.

だけれども,その先には,その人たちがクラスター(感染者集団)連鎖を作ってしまうと,その先には必ず重篤化する中高年の人がいて,高齢者を中心に,たくさんの人が亡くなる可能性がある.

そのことを,やっぱり若い人たちには考えてもらいたいし,で,そういう,一人一人の,何がいけない・ここは大丈夫,っていうところを,一人一人が考えてくれないと,政府が全てを止めるという選択をせざるを得なくなるので.

そうじゃなくて,もう少しスマートに,このウイルスを制御する方法があるはずなので.

だから,世代間の分断をするんではなくて.

若者が広げて,高齢者が亡くなってっていう,そういう対立構造にするんではなくて,若者が高齢者を守るために,どういう行動が出来るのか」

五箇「社会を守るために自分たちも闘っている.という気持ちをしっかり持って頂いて.

まず不安になる前に,今,みんなが同じ気持ちで,今,この恐怖に立ち向かっているんだという気持ちを,まず一つ共有して頂くという.

まず,そういった姿勢をとって頂きたいなと思いますね」

 

続く

 

⇒*

医療現場が機能不全に陥ることも 崩壊防ぐ対策を 専門家会議

NHK NEW SWEB 2020年4月1日 19時28分 より

 

流行状況などから地域を3区分

「感染拡大警戒地域」

判断の指標

爆発的な患者の急増まではいかないものの,

▽直近の1週間に新たな患者の数,感染経路が分からない患者の数,帰国者・接触者外来を受診した人の数が前の週から大幅に増加していること

▽医療体制が限界に近づいていること など

 

対応

密閉,密集,密接の3つの「密」を避ける行動をより強く徹底すること

期間を明確にしたうえでの外出の自粛要請

10人以上が集まる集会やイベントの参加を避けること など

地域内の学校では一斉臨時休業も検討すべき

 

「感染確認地域」

判断の指標

直近1週間の新たな患者の数などが前の週から一定程度の増加幅に収まっていること,帰国者・接触者外来を受診した人があまり増加していない状況 など

 

想定される対策

「3つの密」を徹底的に避ける対策をしたうえで,感染拡大のリスクの低い活動については,実施.

屋内で50人以上が集まる集会やイベントへの参加は控えること

 

「感染未確認地域」

判断の指標

直近の1週間に海外から帰国した感染者を除いて感染者が確認されていない地域

 

想定される対策

屋外でのスポーツやスポーツ観戦,それに文化,芸術施設など参加者が特定された地域イベントのうち,感染拡大のリスクの低い活動は注意しながら実施する