梅・梅花の名をもつキンポウゲ科の花たち
最後に，バイカカラマツをとりあげます．
「梅/梅花の名前が付けられた植物」６
バイカカラマツ（梅花落葉松/梅花唐松）
キンバイソウ（金梅草），バイカオウレン（梅花黄連）とおなじく，一応，山野草に分類されるようですが，北アメリカ東北部原産の山野草．バイカカラマツとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
日本的な素敵な名前がつけられているので日本産と思ってしまいます．そして，花は美しく可憐．
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属が変更になった結果カラマツソウ属へ
以前はキンポウゲ科バイカカラマツソウ属（Anemonella）とされていました．
2010年“The Plant List（ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ, キュー）"でもまだこの属名が残っているとのこと（Thalictrum thalictroides - Wikipedia）．
しかし，分子生物学的エビデンスなどから，現在はカラマツソウ属に分類されています．
このような経歴を裏打ちするように，バイカカラマツの花は，カラマツソウとは大きく異なり，カラマツソウ属にバイカカラマツと類似した花の画像は捜せませんでした．
（別の属Enemionのfalse rue-anemone；直訳ニセバイカカラマツEnemion biternatum，は花が似ています）
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英語ではrue anemone
バイカカラマツ以外のカラマツソウ属の多くは，英語でmeadow rue（草原のrue）と呼ばれているようです．
一方，バイカカラマツは，英語でrue anemone．アネモネに似ているためにつけられた名前だとのこと．
双方に共通してつけられているrue；ヘンダールというミカン科の植物で，その葉に似ているために添えられているとのこと．
ヘンダールrueは，西欧諸国で特別な歴史を持つ植物らしいのですが，その内容は調べきれませんでした．
méadow rùe
カラマツソウ:キンポウゲ科カラマツソウ属 Thalictrum の植物の総称;葉がヘンルーダ(rue)に似ている;(特に)北米産の T.dioicum.（ランダムハウス英語辞典）
rue
ヘンルーダ:ミカン科ヘンルーダ属 Ruta の香りの強い植物の総称;花は黄色で,葉に香りがある;地中海沿岸,南ヨーロッパ原産;特にヘンルーダ(common rue) R.graveolens は香草(herb)として食用,薬用にする.（ランダムハウス英語辞典）
rúe anèmone
バイカ(梅花)カラマツソウ Anemonella thalictroides（注：以前の学名で今はThalictrum thalictroides by yachikusakusaki);キンポウゲ科の小さな多年草;白色またはピンク色がかった花が咲く;北米原産（ランダムハウス英語辞典）
なお，あまり聞いたことがなかったヘンルーダですが----
以前はミカン科をヘンルーダ科と呼んでいた！
“ミカン科はラテン語でRutaceaeといい，ヘンルーダ属（Ruta）が科を代表する属（模式属）になっているため，かつては日本語でも「ヘンルーダ科」と呼ばれていたが，日本人にとってはヘンルーダよりみかんの方が身近な植物であるため，1960年代半ばから、ミカン科と呼ぶようになった．” (ウィキペディア“ヘンルーダ”）
園芸種も開発され，八重花は艶やか．そして色合いも様々．
