春の星座,しし座
(2月午前2時頃,3月午前0時頃,4月午後10時頃,5月午後8時頃見える星座 https://www.study-style.com/seiza/spring.html)
古代メソポタミアで獅子の星座絵が描かれ,古代ギリシャでは,ネメアーの獅子とされました.
NEMEAN LION (Leon Nemeios) - Labour of Heracles in Greek Mythology
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/03/26/012705
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/03/27/014610
偽ヒューギヌス「天文詩」には,次のように記されています.
しし座.彼(ネメアーの獅子)は,獣の王と見なされていたため,星々の間に置かれた.
ヘーラークレスの第一の功業は,この獅子とともにあり,ヘーラークレスは素手で殺したと何人かの作家が付け加え,多くの書き手がこのことを書き記している.
"[Constellation] Leo. He is said to have been put among the stars because he is considered the king of beasts.
Some writers add that Hercules' first Labour was with him and that he killed him unarmed. Pisandrus and many other writers have written about this."
Pseudo-Hyginus, Astronomica 2. 24 (trans. Grant) (Roman mythographer C2nd A.D.)
https://www.theoi.com/Ther/LeonNemeios.html
The Theoi project の解説では,星座にあげたのは,ゼウスの妻・ヘーラーとしています.
https://www.theoi.com/Ther/LeonNemeios.html
この獅子を育てたのは,ヘーラー!
最もありそうなことですね.
この獅子を ゼウスの栄ある妃ヘラ(ヘーラー)が育みたまい
人間どもにとっての災厄として ネメアの山峡(かい)に棲まわせられたのだ.
ヘーシオドス 神統記
(ヘシオドス 「神統記」 岩波文庫 より)
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/03/27/014610
ネメアーの獅子は,
曾祖父母,高祖父母に奈落タルタロス・大地の母/地母神ガイア,海洋と地震を司るポセイドーン・見るものを石に変える力を持つメドゥーサを持つ,いわば“由緒正しき怪物”.
yachikusakusaki.hatenablog.com
(系図については,諸説あります.例えば,ネメアーの獅子の父をテューポーンとする説,偽アポロドーロス「ビブリオテーケー」,もありますが,ヘーシオドス「神統記」に記載がある部分については,これに従いました)
この家系では.ネメアーの獅子以外にも,
父 オルトロス,
大叔父 ゲーリュオーン が,
やはり,ヘーラークレスによって殺されたり,捕らわれたりしています.
ヘーラークレス 第十二の功業
CERBERUS (Kerberos) - Three-Headed Hound of Hades of Greek Mythology
ヘーラークレス 第十の功業
ORTHRUS (Orthros) - Two-Headed Dog of Greek Mythology
ヘーラークレス第二の功業
LERNAEAN HYDRA - Nine-Headed Serpent of Greek Mythology ヒュドラー - Wikipedia
ヘーラークレス第十の功業
(系図については,諸説あります.例えば,ネメアーの獅子の父をテューポーンとする説,偽アポロドーロス「ビブリオテーケー」,もありますが,ヘーシオドス「神統記」に記載がある部分については,これに従いました)