オリオン座4 オーリーオーンの死については四つの物語があるとされています.そのうちの二つはオーリーオーンを女神に愛される美貌の狩人として描いていますが,後の二つの物語では,粗野で傲慢な男.前2者の一つホーメロスのオデュッセイアから.神々の嫉みで殺されるオーリーオーン.

最も広く親しまれている星座の一つオリオン座.

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Star Myths | Theoi Greek Mythology 

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オリオン座 - Wikipedia 星座図鑑・オリオン座

 

中国や日本でも,オリオン座に由来する名前,表現,信仰がありました.古代ギリシャでも,オリオン座は,代表的な星座と見なされていたようです.

オリオン座3 - yachikusakusaki's blog

 

このオリオン座は,古代メソポタミアから,星座として描かれていました.ただし,ギリシャ神話のオーリーオーンが狩人であるのに対し,“アヌの真の羊飼い”として./ オーリーオーンは,おおいぬ座の犬を連れ,うさぎ,おうし,または七人のニンフを追いかけているとされ,また,サソリによって追いかけ続けられています.

オリオン座1  yachikusakusaki's blog

オーリーオーンという名前が,何を意味しているかは不明.出生に関しては三つあるうちの「父親はポセイドーン」が最有力.そして,海洋神の息子だけあってか,波の上を走る能力を持っていました.

yachikusakusaki.hatenablog.com

オリオン座2 - yachikusakusaki's blog

 

オーリーオーンの死

このオーリーオーンの死については,更に様々な物語が伝えられています.

the Theoi projectでは,四つの物語があるとしています.

ORION - Boeotian Giant of Greek Mythology

そのうちの二つはオーリーオーンを女神に愛される美貌の狩人として描いていますが,

後の二つの物語では,粗野で傲慢な男.

 

今日は女神に愛される美貌の狩人として描いた,最も古い物語を紹介します.

アルテミスに愛されたオーリーオーンは神々の嫉みで殺されました.とニンフが証言しています.

 

the Theoi project サイトにあるencycopediaの記述の1から.ORION - Boeotian Giant of Greek Mythology

彼の死のわけについては,それは,クレタ島かヒオス島でしたが,様々違ったことが述べられています.

The cause of his death, which took place either in Crete or Chios, is differently stated. 

1. ある者が言うには,エーオース(暁の女神)が,オーリーオーンの美貌に恋して,彼を連れ去りました.しかし,神々はこのことに怒り,アルテミスがオルティジャ島で射殺してしまいました.

 According to some Eos, who loved Orion for his beauty, carried him off, but as the gods were angry at this, Artemis killed him with an arrow in Ortygia (Hom. Od. v. 121)

 

この内容は,かの有名なホーメロス,オデュッセイアの一節に描かれています.状況をわかりやすくすために,やや長めに引用します.

 

ホーメロス オデュッセイア

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ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫) 文庫 – 1994/9/16

ホメロス (著), 松平 千秋 (翻訳) より



第5歌

(ゼウスは)わが子ヘルメイアス(ヘルメス)に向かって,「----申しつけるが,忍耐強いオデュッセウスの帰国を叶えてやるという,我らが不動の決定を,髪美しき(うるわしき)仙女に伝えよ.----」

アルゴス殺しの異名のある神々の使者(ヘルメス)は,仰せを畏み(かしこみ),直ちに美しい(うるわしい)サンダルを足に結ぶ-----

----遙かなる彼の島に着くと,すみれ色の海から陸に上がり,ゆくほどに髪美わしき仙女の住む巨大な洞窟の前に出る.----

「-----ゼウスはその男を,一刻も早く旅立たせてやれと,そなたに命じたのです.この男には,身内たちから離れて,この地で果てる宿命はなく,故国に帰って棟木高き屋敷へ戻り,親族と再会する定めになっているのです.」

こう言うと,美貌の女神カリュプソ(カリュプソー)は,身を震わし,ヘルメイアに翼ある言葉をかけていうには,

「あなた方神々は,なんと残酷な方々なのでしょう.あなた方ほど嫉み深い者は,他にはおりますまい.女神が人間の男に抱かれるのを快く思われない.

それも隠し立てをしてではない.明らさまに自分の夫に選んだ場合でもです.

以前,指ばら色の暁の女神(エーオース)が,オリオンをわがものにした時もそうでした.

安楽にお暮らしのあなた方神々は,いつまでもそれを許そうとなさらず,その果ては黄金の座にいます純潔の女神アルテミスが,オルテギュエの島で彼を襲い,優しい矢で命を奪ってしまわれた.

それにまた,髪美わしきデメテルが募る思いに負けて,三たび鋤く畑で,イアシオンと愛の契りを結ばれた時も,ゼウスの目をいつまでも免れることができず,ゼウスは灼熱の雷火をふるって彼を殺してしまわれた.-------」

 

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