ナデシコが好きなこともあり,そして,ナデシコ目には,観賞用になっている草花,食べられる草花が結構あるような気がしていました.
ということで,ツルムラサキのブログで,ナデシコ目の主な植物をまとめ,
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/09/16/000335
以降,
スベリヒユ http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/09/17/002914
ハゼラン http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/09/29/005025
を取り上げてきました.
そして,今日からは,ホウレンソウ.
http://www.japan-soil.net/BOOKLET/TK25/TK25_A4.pdf
と思い,調べ始めたのですが,なかなか,うまくまとめられません.
明日からゆっくり,ということにして-----
今日はホウレンソウの語源と歴史.
ホウレンソウの語源.
漢字では,菠薐草.
難しい漢字ですね.
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説では
:漢の時代に中国に伝播し,ペルシア(菠薐(ほうれん)国)から入ったので,菠薐草の名がついたという.
(法蓮草とあてているのを見かけたことがあります.ウェブ上にもちらほら.少しでも名の通った国語辞典には,掲載がない漢字です.現在の所,非公式な当て字と考えるべきでしょう)
:「ほうれん(菠薐)」は,唐宋音で,ネパールの地名.
「菠薐」がペルシャを意味するのか,ネパールの地名を意味するのかははっきりしませんが----
「『唐の太宗の647年にネパールから献じられた』と記述され」,と続けています(ホウレンソウの歴史 参照).
日本国語大辞典の記載で正しいようですね.
いずれにしても,中国で「菠薐草」と記述され,日本では唐宋音が用いられて,呼称が「ほうれんそう」となったということでしょうか.
英語ではspinach[spínitʃ]
この語源は,「古フランス語espinache;おそらく,ペルシャ語のaspānāḵ⇒アラビア語を経由したことばから」とのことですが---
Middle English: probably from Old French espinache, via Arabic from Persian aspānāḵ.
https://en.oxforddictionaries.com/definition/spinach
この説明にも疑問点があるようです.
spinach | Origin and meaning of spinach by Online Etymology Dictionary
ホウレンソウの歴史
英語版/日本語版ウィキペディアにも歴史の記述がありましたが,より詳しく,文献もきちんと提示しているニッポニカよりホウレンソウとは - コトバンク
ほぼそのまま引用させて頂きます.なお,文章は,です/ますに書き換えました.
ホウレンソウの野生祖先種は,カフカスからイランの北西部にわたる地域に自生します.イラン(ペルシア地域)が起源地で,その後,イスラム教徒によって東西に伝播(でんぱ)しました.
西へは,11世紀までにスペインに,14世紀にイギリス,16世紀にはフランスほか全域に,そして,アメリカには1806年以後にヨーロッパから入りました.
東へは,シルク・ロードを経て漢の時代に中国に伝播し,ペルシア(菠薐(ほうれん)国)から入ったので,菠薐草の名がついたと言われます.しかし,10世紀ころの『唐会要』には,唐の太宗の647年にネパールから献じられたことが記述されており,実際には7世紀ころ唐の時代に渡来したものと思われます.
日本には『多識篇(たしきへん)』(1612)に「唐菜(からな)」の名で載るのが最初で,それによると,16世紀ころ東洋種が中国から渡来したことになります.
一方,西洋種は文久(ぶんきゅう)年間(1861~64)にフランスから導入されたのが最初で,その後,アメリカから明治初年に再導入されました.しかし,西洋種は日本人の嗜好(しこう)にあわず,その当時は普及しませんでした.[田中正武]