「さあ始まりました.まんぷく農家メシ!今回はですね.徳島の佐那河内村(さなごうちそん)にやってきました.やっぱり山とかがおおいので」「すごいね〜」
「棚田ってことですよね.これ」「そう.棚田.これ,見てください.稲刈り終わっちゃった」
「終わったところもありますし,これからのところもあったりしますから」
いや〜,のどかなところですね〜.どうも,友近です.今回頂くのは,サンマ---ではなくて,こちら,スダチ.
脂がのった焼き魚との相性は抜群ですが,なんと,おみそ汁に,ギュッと絞ったり.取りの照り焼きに皮まで丸ごと使ったり.ビターな大人のスイーツにもぴったり!う〜ん.おいしそう.
今回は,スダチが主役.目からうろこの農家メシ.いただきます!
全国のスダチの9割以上が徳島県で栽培されていますが,中でも,ここ佐那河内村は一大生産地なんです.
特産果樹生産動態等調査 確報 平成27年産特産果樹生産動態等調査 年次 2015年 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
スダチと言えば,すがすがしい香りとさわやかな酸味が魅力ですよね.
「なんか,サンマの塩焼きでスダチかけるとか,そういう意味で---」「主役にならないでしょ」
「だから,スダチで農家メシっていうのどうなのかな?っていう」「私も思いました.お前たち,ちゃんと考えてんのか?えっ?適当に,お前,ネタがないからって,そんな,スダチ鍋なんてあるか?お前」(東野 笑い)
「いや,一生懸命,考えてやってくれてるから,そんな,文句ばっかり言わんと」
さあ,今回頂く農家メシはこちら.
▽1軒目「すだちは何にかけてもごっつい ウマいんじょ!」
「いや,そうだと思いますよ.きっとね」
▽2軒目「しぼるだけじゃない!丸ごと食べられるレシピ」
「え〜」「あるんですね.すだち」「丸ごと!」
▽3軒目「ケンカするほど仲がいい!父と娘のすだちざんまい定食」
「三軒まわりますけど---」「ここだけの話.私ね.酢の物,酸っぱいもの,苦手なんですよ」
「ネギは食べられへん.酸っぱいもん,嫌や.はれ,肉食べさせろ,魚食べさせろ.もう.『農家メシ”!』」「ごめんなさい」
注文が多いですね.それでは出発しましょう.
「行ってきま〜す」
「最初は,スダチは何にかけてもごっつうウマいんじょ」
「それは分かるな〜.だから,昔ね,私,四国でスダチ焼酎っていうのもらった事があって」「はいはい」
「一時期,はまりましたよ」「いいですよね」
1軒目「すだちは何にかけてもごっつい ウマいんじょ!」
「きれいなとこやな〜」「いや,景色は最高じゃないですか」
迎えたのは,すだち農家六年の森下嘉文(よしふみ)さん,妻幸子さん.
「それまでは?」「サラリーマンです」「それまでは,おじいちゃん,おばあちゃんがやってて」「なるほど,後継いで」
「特徴として,ここのスダチはどうなんですか?」「順調になっております」
「いやいや---.順調になってるのも,なんとなく,ど素人の僕が見たら,あ〜順調やな〜思うんですけど,何か,酸味がきついとか,やわらかいですよ,とか,何にでも合いますよ,とか」「あ〜mそうですか」
「そうですよ.ハハハハハ」「何にでも合うんですよ!」「ハハハハハハ」
お父さん適当ですね〜.スダチは柚子の仲間.300年以上前に,徳島県で誕生したと言われています.
スダチも熟すと黄色くなりまが,香りと酸味が弱くなってしまうため,緑色の未熟なうちに収穫しているんですって.
それでは早速,収穫させて頂きましょう.
酸橘(スダチ)とは - 酸橘の読み方・植物図鑑 Weblio辞書
「これもいいですね」「いけますね」「この辺から切っていいですか?」「そうですね」
「お上手やね」
「今,聞いたか?おやじの.今の,親父の言ったこと『お上手ですね』.一芸に秀でる者は何をやらせたってうまいんだよ」「カメラ目線,やめてもらってもいいですか?(笑い)戻って下さい.立ち位置に」
まずは,とれたてのスダチをそのまま頂きます.
「あ〜,もうつゆがジュジュジュ〜っと.すごいわ.果汁がジュ〜っと」「梅沢さん,これ」
「お〜」「どうですか?」「香り,すごい」「すごい.ちょっと」「このまま食べちゃっていいですか?」「大丈夫です.皮まで食べられますから」「あ〜,いいわ.これ,酸っぱくて,いいね」
梅沢さん,大丈夫ですか?
「う〜ん」(梅干し顔の梅沢さん.遠くから東野さん「酸っぱくていいわ」)
「そんな顔芸,覚えたんですか?」「疲れもね,やっぱりとれますね」
「疲れとれるならいいけど」「食べて下さい,ホントに」
「いや,ホント,酸っぱいっすね」
それでは,スダチのお料理を作って頂きましょう.
「今日は奥さん,何を作って頂けるんでしょうか?」
「今日はね,焼きシイタケ.スダチをかけて」「あ〜,おしょうゆと.いいじゃないですか」「この時期最高じゃないですか.肉厚じゃないですか」「これも佐那河内でとれたシイタケ」
「立派な!」「絶対うまいわ.あの,こっちの言葉で,ごっついうまいんじょ,じって?」
「方言?」「方言」
「何でも,じょ,つける?」「女性がね.女性の言葉です.うまいのよって.おいしいのよって」
このあたりでは.焼きシイタケにスダチは欠かせないんですって
ごっつい,うまいんじょ.
「お見合いなんですか?」「いや,恋愛結婚です」
「誰かの紹介で?」「おや,紹介もないない」
「おとうさんが?」「ほれられた」
「おとうさんが?奥さんが『ん?』って.うそ〜んって.(笑い)そんな勝手なこと言うわって.テレビでね.奥さんの方から,あ〜すてきな人ってなったって事になってますけど」
「ん?はい,そういうことに」「まあ,そういうことにして下さいよ」「あははははは」
料理1: すだちを搾った焼きしいたけ
レシピ - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
材料: しいたけ,すだち,しょうゆ(それぞれお好みの量)
作り方:
(1)石づきを切り落とし,ひだがある側を上にして焼く.ひだに水分が出てきて,かさに焼き目がついたらできあがり.
(2)ひだにしょうゆとすだちを搾っていただく.
「でもほら!汁が,ちょっと,ピカピカ----」「このエキスがおいしい」
しょうゆをかけ,スダチをギュッと絞ればできあがり.マサニ秋って感じですね.
「どうですか?」「スダチかけたら,ひと味もふた味も変わりましたよ」
「酸味でいい感じになってますか?」「いいですね」「おいしい」「おいしいですか.ありがたいです」
「このすだちの香りがたまりませんね」「おしょうゆとシイタケの香りのあとにスダチが来るんですよね.ほんで,酸味がほどよくきつくって.いいです.おいしい.めちゃうまいです」
「あんなに,酸っぱい酸っぱいって言ってたのに」「こうやってかけたら,おいしい」「めちゃめちゃいい」「このまま食うから大変な事になるだけで」「何でもいろんなものにかけたりとか,何か,てっさとかもそうですよね.やっぱ,白身魚とかにも合うじゃないですか.薬味としても」「これ,天然のポン酢だから」「なるほどね」「じょうずにおっしゃる.ありがとうございます」
続いてのお料理は?
「これは何ですか?」「おみそ汁なんです.ごく普通の.毎朝食べてる」
「スダチを使ったみそ汁ですか?そんなのあるんだ」「普通のみそ汁なんですけど,すだちを,輪切りを載せたり,ちょっと絞ることによってまろやかに」「お鍋にも柚子使ったりしますもんね.あの香りの」
料理2: すだちを搾ったみそ汁
レシピ - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
材料: みそ汁(お好みの具材),すだち(お好みの量)
作り方:
(1)みそ汁に,輪切りにしたすだちを浮かべ,すだちを搾っていただく.
すだちをジューと絞れば,おみそ汁が大変身するそうです.さあ,どんなお味なんでしょうか?
「香りとおみその味がまろやかになるかな〜って」「来ました.ミソとね,すだちの香りがプ〜ンと口の中に入ってきます.いいじゃないですか.はじめのみそ汁飲むより,高級に感じますね」
「へ〜,そうなんですか.あっホンマや.ちょっと濃くなって,何か,こくが出ますね」「絶対スダチ入れた方がいい.みそ汁に」
「あ,おいしい」「あ,いい」「合う」
ご夫婦の朝ご飯をのぞいてみると---.食卓の真ん中にスダチが山盛り.しらすにも,卵焼きにだってかけちゃいます.本当,食卓に欠かせないものなんですね.
「合わないものはない」「ないし.さわやかな---」「これ,体に良さげですもん」「香りがね.香りに癒やされます」
「なんか,夫婦げんかしても,ちょっと,スダチで癒やされますもんね」「そうですね.そうだといいんですけど」
「憎たらしい旦那に,スダチかけたらちょっとよく感じますよね」「あ〜,まろやかになったりして」「もう,まろやかになっております」
酸っぱいのが苦手な梅沢さんも大満足.何にかけても美味しいすだち.ごちそうさまでした.