栗 基本情報4 栗/ chesnutの語源と植物としてのクリの分類 クリ属の学名Castaneaは,クリを意味するギリシャ語からきたラテン語古名に由来.実はchesnutも同じ語源から.栗が典型的な象形文字なことはよく知られているとのこと(私は知りませんでしたが).クリ属はシイ属とごく近縁.少し離れたところにドングリの木々=ナラ属のカシ類,コナラ,クヌギ.

沢山の栗が,青果売り場に並ぶ季節.

梅沢富美男東野幸治まんぷく農家メシ!先週10月13日は,選「くり~埼玉県日高市~」.

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縄文時代,栗はクルミと並んで主食の地位にあり,日本書紀ではその栽培が奨励され,万葉集古事記にも取り上げられています.

栗 基本情報1 日本のクリ第一回「- yachikusakusaki's blog

日本栗は日本と朝鮮半島に生育する品種で,ヨーロッパや中国のものとは異なり,シバグリが選別・改良されて生まれたとされています.

主要生産県は茨城,熊本,愛媛.現在の主力品種は「筑波」「丹沢」「銀寄」.

「渋皮がむきにくい」という日本栗の欠点を改良した品種も生まれてきています.

栗 基本情報2 日本のクリ第二回.- yachikusakusaki's blog

 

世界に目を向けると 栗は,南欧,トルコ,東南アジア,東アジアで何千年も主要な食べ物でありつづけました.アレキサンダー大王や古代ローマ人はヨーロッパを縦断して栗の木を植樹.

生産国をみると,現在は,中国がダントツの1位.かなり水をあけられた2位,3位にはトルコ,韓国. 日本も健闘して第8位.

yachikusakusaki.hatenablog.com 

以上,作物としてのクリの歴史と現状に続いて---

今日は,

語源と植物としてのクリの分類

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https://twitter.com/hidakacity_pr/status/945490395101663232

 

栗/漢字・属名・英語名 chesnutの語源

クリは,

バラ類 Rosids,真正バラ類I Eurosids I,ブナ目 Fagales,ブナ科 Fagaceae,コナラ亜科Quercoideae,

クリ属 Castanea,

 

クリ属の学名Castaneaは,クリを意味するギリシャ語からきたラテン語古名に由来するとのこと.

学名・種小名

 

英語のクリchesnut は,16世紀ごろはchesten nut.このchestenの大元はクリ属の学名になっているラテン語のchestanea.

もとをたどれば,chesnutもクリ属の学名を同じということになりますね.

chestnut | Origin and meaning of chestnut by Online Etymology Dictionary

 

種の小名crenatus は,円鋸歯(きょし)状の意味だそうですが,どこに丸い鋸歯があるのか?

引用させて頂いたサイトの方は

「葉っぱに波状の鋸歯があるブナ.これがFagus crenata と呼ばれるのはよく分かる.

しかし,栗への適用趣旨がよくわからない」という内容の解説をされています.

たしかに,ブナの葉は円鋸歯状.

しかし栗の葉っぱのぎざぎざは丸くない!

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クリ Castanea crenata ブナ科 Fagaceae クリ属 三河の植物観察 樹木図鑑(ブナ)

 

一方,

日本語のクリ.音についてはいくつかの説があるようで確定しないようです.

漢字は象形文字

“いがのある実が木になったさまにかたどり.「くり」の意を表す.(角川 新字源 改訂版)”

ネット上にも例示されていました.お借りしたこの図で甲文とあるのが甲骨文字.新字源と少しだけ異なっていますが.

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漢字の起源と成り立ち 「甲骨文字の秘密」: 秋の実りの漢字「栗」の起源と由来:栗のイガまで表現された象形文字

 

クリ属は,やはりそのまま食べることができるシイ属と近縁.

クリ属をその少し先に“ドングリ(団栗/橡)の木”=ナラ属があります.

 

▽“ドングリとはブナ科植物の実 デジタル大辞泉’”という考え方もありますが----

 

▽多くの方々にとって,ドングリはナラ属の木の実でしょう.

 “ドングリとはカシ類・コナラ・クヌギなどのブナ科ナラ属の果実の俗称 大辞林第3版”

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クリ属の種は,次の9種または8種

Chestnut - Wikipedia

既に何回も触れてきたように,

この中に主な食用栗,日本栗,中国栗,ヨーロッパ栗,

そして,かって栽培されていたアメリカ栗も(胴枯病という病気に弱いため現在はほとんど栽培されていない)

 

Castanea crenata –Japanese/Korean chestnut(シバグリ,日本栗)

Castanea mollissima –Chinese chestnut(中国栗)

Castanea sativa –Sweet chestnut(ヨーロッパ栗)

Castanea dentata –American chestnut(アメリカ栗)

 

Castanea henryi –Henry's chestnut

Castanea seguinii –Seguin's chestnut

Castanea pumila –Allegheny chinkapin

Castanea alnifolia* –bush chinkapin

(* treated as a synonym of Castanea pumila by many authors 多くの著者によって,Castanea pumilaと同一種とされている)

Castanea ozarkensis –Ozark chinkapin