パセリは付け合わせとして用いられることが最も多い野菜ですね.
Curly and Italian Parsley? What's the difference?
には次の記述が:
You may know curly parsley best from its role as a garnish on countless diner breakfast platters, where it holds next to a half-slice of orange.
(拙訳 カーリーパセリ(日本で見かける縮れた葉のパセリのこと)が,たくさんのダイナー(食堂)の朝食皿の付け合わせ役としてベストで,オレンジの輪切りの横で女王然として振る舞っていることを知っているでしょう)
ただ私の数少ない経験では,日本人と違ってアメリカ人は付け合わせパセリを食べていたように思います.
食べなくてはもったいないパセリ.
付け合わせのパセリは僅かなので,それほど多くの栄養はとれませんが,同じ量に含まれる栄養素の量・種類は,葉物野菜としては最高と言っていいでしょう.
以下,100グラム当たりに含まれる各種栄養素の量を他の野菜類と比較してみましょう.
野菜ですから,三大栄養素の摂取を期待してはいけません.
ただ,ほとんどないも同然の野菜が多い中,タンパク質は意外に多い.大量に食べればたんぱく源としてもかなりの役割を果たせる数値です.
炭水化物も多いのですが,これは後ほどお見せする食物繊維の量を反映したもの.
ここで少し注意すべきは水分量が野菜にしてはやや少ないこと.そのため,他の栄養素は濃縮されているようなもので.数値は全体に10%ほど多くなって当たり前.
ですが,このような見かけの上昇では説明できない値を示すのがこのパセリ.
ミネラル,脂溶性ビタミンでは,パセリは驚くべき数値を提供します.
カルシウムは,牛乳(110mg/100g)の2倍以上.ただし,牛乳なら100g飲むのはたやすくても,パセリを100g食べるのはちょっと大変.
そして,鉄分.多く含まれることで知られている小松菜・ほうれんそうの2.7 / 3.75倍!
カロテン(ベータカロテン当量),これも名だたる小松菜・にら・ほうれんそうの1.8倍〜2.4倍.
ビタミンK,カリウムも,ここでとりあげた野菜ではダントツ.
水溶性ビタミン,食物繊維も立派な数値をたたき出しています.
多くの方には余りなじみがないかもしれない水溶性ビタミン:ナイアシン,葉酸.高い数値を示します.
そして,誰もが知るビタミンC.食物繊維.この数値は葉菜としてはあり得ないような値と言ってもいいでしょう.
以上のように,パセリは,含まれる栄養素の量からすれば,野菜の王様です.
ただ,この王様.普段は余り威張ることができず,お皿の片隅で偉そうにしているだけ.付け合わせで食べる摂取量からして,パセリからとることができる栄養素の量は無視できる程度でしょう.
たくさん食べられるレシピを自分のものできれば,パセリは本物の王様になることができます.