ショウガ1 新ショウガの季節がもうすぐ.新ショウガとひねショウガの生産方法の違いは?産地や品種は同じなの?改めて調べてみました.ハウス栽培では,春から新ショウガの出荷ができる.新ショウガは,むしろこちらが主力なのかもしれませんね.少なくとも,高知県産の新ショウガのほとんどは,「ハウス新しょうが」のようです.

新ショウガが出回る季節ももうすぐ,

---らしいです.

実は新ショウガがいつで回るのか,余りよく知りませんでした.

新ショウガとひねショウガの違いを改めて調べてみました.

 

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、1年を通して、高知産が5割前後を占め、中国産も周年入荷している。

また、6月から9月は、和歌山産の入荷も多く、大部分が新ショウガとなっている」

という記事がありました. https://www.alic.go.jp/content/000125411.pdf

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https://www.alic.go.jp/content/000125411.pdf

 

周年を通して高知県の出荷量が多い.

和歌山県は生産量全国5位ながら,ほとんどが新ショウガ.それが5月中旬〜9月.

ということのようです.

 

新ショウガとは

新ショウガという言葉が,二つの意味で使われているような書き方がされていました.

http://www.shouga-bu.com/report/pdf/shougabu_report_01.pdf

1. 収穫したてのショウガ.

生産現場では,出荷しようがしまいが「収穫したてのショウガが新ショウガ」.「保管してひねショウガとして出荷」したり,「そのまま新ショウガとして出荷(⇒2)」したりする.

2. 早取りして,保管期間を経ずに出回るショウガ.

=流通・消費にまわされた「新ショウガ」

=私たち消費者が手にとる「新ショウガ」.

 

*追加情報: ハウス栽培する「ハウス新しょうが」(2月〜8月)と,ひねショウガ(根ショウガ)として収穫する前1ヶ月に収穫して出荷する「露地新ショウガ」(9〜11月)があるとのこと.ブログの最後に記載

無農薬新生姜「新生姜の旬っていつなの?」 | 高知県産無農薬生姜販売|四万十情熱「ジンジャーマン」

 

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http://www.shouga-bu.com/report/pdf/shougabu_report_01.pdf

 

ショウガの栽培では,春に種ショウガを植えるそうですが,収穫は一般的には秋.

その頃には「“5次茎”ぐらいまで形成される」とのこと.

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http://www.shouga-bu.com/report/pdf/shougabu_report_01.pdf

 

これを2ヶ月ほど土がついたまま保管したものが,ひねショウガ.

この時,保管温度13 ~ 15 度,湿度高めの設定がよいひねショウガを作るポイントのようです.

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http://www.shouga-bu.com/report/pdf/shougabu_report_01.pdf

 

スーパーなどに並び,我々が手にとる「新ショウガ」は,「早取りして,保管期間を経ずに出荷したもの」ですが,ハウスでつくれば,春から収穫が可能になる.「ハウス新しょうが」と呼ばれているようです.

新ショウガは,むしろこちらが主力なのかもしれませんね.少なくとも,高知県産の新ショウガの多くは,「ハウス新しょうが」のようです.

 

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ハウス新しょうが 龍馬マルシェ -おまかせ下さい!高知のおいしい果物・野菜

「『ハウス新しょうが』は,ハウス内に秋に植え付け加温栽培するため,春からの収穫が可能となります.

収穫後は水洗いし,そのまま出荷するため,肌が白いのが特徴です.

繊維が柔らかくて爽やかな辛味があります」

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新ショウガの品種.

 ショウガは,大ショウガ,中ショウガ.小ショウガに分類できるそうです.

日本で生産されるショウガは大部分が大ショウガで,品種として最も有名なのが「土佐一」.他に八郎生姜,新高知,長崎1号など・

https://www.alic.go.jp/content/000125411.pdf JAやつしろ生姜部会・熊本県八代

 

一方,小ショウガには金時,谷中などが知られ,焼き魚などに添える「ハジカミ」として栽培されるそうです.

そして,

「新ショウガは,小ショウガの食し方を真似て,大ショウガをハウスなどで作り,水分の多い状態で早く収穫したもの」とのこと.

JAやつしろ生姜部会・熊本県八代

 

品種としては,ひねショウガと新ショウガに違いはないと考えてよいようですね.

 

 

追加情報:

「ハウス新しょうが」と「露地新しょうが」

この二つの違いや収穫時期について説明しているサイトがありました.

無農薬新生姜「新生姜の旬っていつなの?」 | 高知県産無農薬生姜販売|四万十情熱「ジンジャーマン」

露地新しょうがを出荷している方の文章なので,露地物の良さを強調している傾向がありますが,実際その通りなのだろうな,と思わされます.

以下引用します.

 

新生姜の旬と出回り時期についてご説明いたします.

新生姜にはハウス新生姜と露地新生姜の2つのパターンがあります.(品種は同じでも)

 

出回り時期で簡単に比べると

2月~4月・・・高知・九州などの,なかでも特に暖かい沿岸部などで,暖房をガンガンかけて栽培した(加温といいます)ハウス新生姜

4月~6月・・・高知・九州などの比較的暖かい地域や,和歌山などの沿岸部で暖房をけっこうかけて栽培したハウス新生姜

7月~8月・・・高知・和歌山などの暖かい地域で,少し加温,あるいは無加温で栽培したハウス新生姜

9月~11月・・・高知をはじめとした生姜産地の,露地生姜を収穫貯蔵する前に,掘り取り出荷する露地新生姜

となっています.

 

2月~8月ごろ出荷のハウス生姜は,新生姜としての出荷専用に栽培したもので,すべて新生姜として出荷されます.貯蔵はできません.

(本来の植物生理とは違う無理な育て方をしているので,貯蔵してもすぐ腐敗します.)

 

普通の生姜は,無農薬であるなしにかかわらず,露地(つまり普通の畑)で4月ごろ種を植えて,秋口の霜が降りる前に収穫します.

そして貯蔵庫に保管されて,残っていた茎が落ち,全体があめ色がかってきてから「根しょうが」として出荷されます.

 

露地新生姜は,

根生姜としての収穫前の1ヶ月程度,畑から収穫しては出荷する新生姜で,そのころはハウス新生姜と同じく白い肌をしています.

(秋が深まり,実が充実するにつれて,少しクリーム色がかってきます.)

 

現在新生姜で出荷されるのはハウスものが主流なので,新生姜の旬は6月ごろ,と思われがちですが,本当の新生姜の旬はこの,10月前後の露地新生姜なのです.

無農薬新生姜「新生姜の旬っていつなの?」 | 高知県産無農薬生姜販売|四万十情熱「ジンジャーマン」