春キャベツの季節.
柔らかくて美味しい.冬キャベツの美味しさとはまた別物のような気がします.
見た目も味も.
春キャベツと冬キャベツ
「春キャベツ」(春玉)
秋に種をまき(秋まき栽培),春から初夏にかけて収穫する.
「巻きが柔らかく,弾力があるもの」を選ぶのが良いとのこと.
「冬キャベツ」(寒玉)
夏に種をまき(夏まき栽培),冬に収穫する.
「巻きが固く、重量感のあるもの」を選ぶ.
特徴や適した調理法は
http://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/201704/6740/
栽培収穫時期の違いが品質に及ぼす影響は大きいのでしょうが,春キャベツと冬キャベツでは栽培種も異なったものになってきているようで---
例えばサカタのタネだけでも27品種のキャベツの種を売っていて,そのうち少なくとも3種は春どり用.ほかにどちらでもOKな品種も.
http://www.sakataseed.co.jp/product/search/result.php?page=2
収穫は,春と冬だけではなく,夏・秋期も行われ,そのための品種もあるようです.
現在では,キャベツは季節を問わず食べることができますよね.
作物統計調査 2016年 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
キャベツはどうして結球する?
キャベツやレタスは「結球野菜」.結球することで,中は柔らかくなり,日持ちする.
どのようなメカニズムで結球するのでしょうか?
おおよそ,解明されているようで,キーとなるのは「オーキシン」とよばれる植物成長ホルモン.
タキイのサイト https://shop.takii.co.jp/flower/bn/pdf/201407_15.pdf から引用すると--
結球野菜も初めは“ロゼット”状に葉ができます.花芽ができる頃になると,オーキシンが盛んに生成されます.
図1左
オーキシンは葉に移動してきますが,結球する野菜では,葉の表に光が当たると裏側に移動します.そして,葉の裏側の細胞が大きくなるため,葉は球の内側に湾曲します.
図2
後からできた内側の葉も,次々に内側に巻き,葉球が形成されます.
とのこと.
しかし,苗の大きさと気温の関係等によっては結球しないこともあるようで,キャベツ栽培のポイントの一つに,
「作型(いつ蒔いていつ収穫するか)に適した品種を選び,それぞれの適期にその時期に応じた苗を植え付ける」
ことがあげられています.
ハクサイの結球は更にメカニズムが複雑なようです.白菜の結球について | みんなのひろば | 日本植物生理学会
家庭菜園で栽培していた友人が「結球しない」と嘆いていましたっけ.
キャベツは,ケールやブロッコリー,カリフラワーと同じ種 Brassica oleracea .
同じ種なのに何と形も味も違うことでしょう!
結球するのはキャベツと芽キャベツ.
芽キャベツは脇芽が結球したものだそうです.
https://www.alic.go.jp/content/000138990.pdf
http://www.japan-soil.net/report/h22tebiki_03.pdf
「原始型ケールから葉が多肉化し,中心葉が結球したものがキャベツに,結球しないものが後に葉牡丹に,腋芽の葉が個々に結球したものが芽キャベツに分化した.
また茎が肥大,塊茎化したものがコールラビに,花茎が肥大化したものが中国で芥藍菜(カイランサイ)に,花蕾が肥厚化したものがブロッコリーに分化し,カリフラワーは原始型ケールからの変異種とされている」https://www.alic.go.jp/content/000138990.pdf