趣味どきっ! お弁当大百科.
日本の味と文化が詰まったお弁当.番組では思わずへえ~となる歴史と専門店の技を取材し「明日あなたの弁当作りに使えるアイデア」を見つける.
今回はおにぎりに迫ります.
専門店に学ぶ「究極の塩むすび」,子供も大人も喜ぶご馳走「肉巻きおにぎり」.
日本の心・おにぎり浪漫(ろまん)
おにぎりって,どんなイメージがありますか?
辻希美「昔っから,ちっちゃい頃からのお母さんの塩加減」
中山エミリ「同じ具材なのに,『熱っ!』ってなるぐらい,熱いうちに手で握ると,なぜか美味しいんですよね」
ブラザートム「そう!そのとおりだ!おばあちゃんがぎゅっと3回ぐらいのが好きなんですね」
中山エミリ「ちょっとお水つけて,で,お塩,こうやって」
ブラザートム「だって,『おまえんちのおばあちゃんの手は,あまいな』言ってたもん」
辻希美「良い言葉ですね〜」
中山エミリ「言われたいですよね.『美味しい手って』」
辻希美「言われたい.すごく良い言葉」
突然ですが,石川県中能登町へ.
途中のマンホールのフタには何故かおにぎりのキャラクターが.
http://www.town.nakanoto.ishikawa.jp/webapps/open_imgs/info//0000000027_0000011729.pdf
中能登町にある「杉谷チャノバタケ遺跡」からは,日本最古のおにぎりとも言われる「チマキ状炭化米塊」が見つかっているんです.
http://www.ishikawa-maibun.or.jp/senter/pdf/iseki_26.pdf 中能登町役場ウェブサイト>行事案内>6月18日はおにぎりの日です。
「チマキ状炭化米塊」には
お米の粒らしきものが見受けられます.この米は古代米の黒米か赤米だと考えられています.
中山エミリ「こんなに生活が変わっても,おにぎりってまだ変わってないんだなと思って.すごいですね.あれ,もう最終形だったんですね」
渡辺あきこさんお手製の「笹の葉に巻いた黒米入りおにぎり」を全員で試食.
古代を意識したラッピング=笹でおにぎりを巻いて,細長く切った笹で結んである.
「モチモチした食感」「お赤飯みたい」「うまっ」「食べ応えもありますね」
おにぎりの歴史
趣味どきっ! 明日使える!お弁当大百科 (2017年2~3月の再放送) | NHK出版
弥生時代中期(約2,000年前)「チマキ状炭化米塊 」
中能登町 杉谷チャノバタケ遺跡の竪穴建物(住居跡)より出土.
奈良時代初期 「握飯」
平安期 「屯食(とんじき」
宮中,貴族の邸宅で饗宴で庭上に並べて下級職員,時に身分ある人に賜った.屯食 - Wikipedia 江戸時代の貞丈雑記(ていじょうざっき)には「屯食とはにぎり飯の事なり」とある.
鎌倉〜戦国
文献や出土品に兵糧としてのにぎり飯が現れる.
江戸期 弁当としてのにぎり飯
「国立国会図書館デジタルコレクション」上の歌川広重の東海道画集 : 地誌のはざまに
明治期 初めての駅弁はおにぎり
鉄道と駅弁の歴史に触れるノスタルジックな企画展『駅弁むかし物語』
究極の塩むすび
先にあげた“東海道五十三次細見図会 藤沢”.
旅人が楽しそうに食べているおにぎり.何か違和感はありませんか?
そう.海苔がない.実は海苔は高級品で,庶民がよく食べるようになったのは,昭和に入ってから.
日本人は長いこと,ご飯だけのおにぎりを食べていたんです.
というわけで,究極の塩むすびを取材.
どんなお米を選んだら良いのか?
五ツ星お米マイスター西島豊造さん:
「張りのあるお米の方がいいんですよ.柔らかいだとかぱらつくお米,余り粘らないお米っていうのは,おにぎりとしては向きにくい.
おにぎりとして一番向くお米となると,やはり,山形の『はえぬき』ですね.これ弾力があるんですよ,ですから,ギュッと握った時に米粒がつぶれないまま,中に空気が入る.時間が経ったときにフワッとした食感になるんですね.
あとは,王道の『コシヒカリ』になってくるんですけど,『コシヒカリ』でしたら少し張りのある産地を選んだ方がいいです.いろんな産地を食べた中で,あの産地,米がちょっと硬いなとか,あの産地は弾力があったなという産地のコシヒカリを探すと,おにぎりとしては非常に向きますね」
明日使えるポイント:お米は「はえぬき」か「こしひかり」.
うおぬま倉友農園 | 新潟直送計画 http://www.gokujoumai.com/onigiriya.htm
地元の人に大人気のおにぎり専門店.
お米の粒はしっかり立っていますが,空気をたっぷり含んでいるので,口の中でホロッと崩れる「究極の塩むすび」.
「お水を入れまして,あんまりごしごししないようにとぎま〜す.ちょっと白い濁りが残っているぐらいが,美味しいお米が炊きあがりますので,あまりきれいにしません」
米をとぎ終えたら,容器にあけます.ここからがポイント!
「このまま冷蔵庫で冷やします」
低い温度でゆっくり吸水させると,内部に均等に水が行き渡り,粒立ちがよいまま粘りと甘さを引き出せるといいます.
「最低でも1時間以上は冷やしてから炊きあげますね」
1〜2時間経ったら,冷蔵庫から取り出し,ガス釜に水ごと移します.
明日使えるポイント:といだ米は冷蔵庫で冷やす.
「冷やしたお水で炊きあがりますと,ふっくらと甘みを増した,美味しいお米が炊きあがるんですね〜」
おにぎりを握ります.
ここで大切なのは,握りすぎてご飯をつぶさないこと.
冷蔵庫で冷やしたことで,粘りが増しているので,握りやすくなっているそうです.
「握りますね〜.まずおにぎりを手にあげまして,3回で形を整えまして,柔らかくふんわりと,中に空気が入るように握らせて頂いてます」
明日使えるポイント:おにぎりの形は3回で整える.
両面に塩をふれば,「究極の塩むすび」の完成です.