ゴボウ(2) 旬のごぼうをもっと美味しくする技(食材探検おかわりにっぽんより):皮はそぎ落とさない / 水にさらさない / 細かくすることで香り香りが立って,うま味も引き出せる . +ゴボウの栄養/歴史

今日も,食材探検 おかわりニッポン,NHKBSプレミアム2月6日「ごぼう〜茨城・行方地域〜」から.

昨日の ごぼう(1)ゴボウ鍋はとても美味しそうでした  食材探検 おかわりニッポン - yachikusakusaki's に引き続き----.

f:id:yachikusakusaki:20180207225544j:plain

http://www4.nhk.or.jp/okawari/3/ 

 冷たい地面の下で,じっくり育ち,旬の美味しさを貯めこんだ美味しいごぼう

 

もっと美味しくする技

これを教えてくれたのが,日本料理人 伊豫田 伸祥(いよだ・のぶよし)さん.

曰く「ゴボウの魅力は,自然を感じさせるような,香りと抜群のうま味」

そして,うま味,香りを残すポイントは,なんと

 

  ポイント1.ごぼうの皮はそぎ落とさない.表面を洗うだけ.

  ポイント2.うま味成分・ポリフェノールを十分残すため,水にさらさない.

 

▽“特製ごぼうタレ”とこれを使った“かきの炊き込みご飯”.

f:id:yachikusakusaki:20180209003407j:plain

回のレシピ - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK バックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK 

 

 “特製ごぼうタレ” ⇒鍋にも,カレーにも.入れることでコクが増し,味が深まる.

<材料>

ごぼう(200g)、水(200ml)

ごぼうと水を同じ重さにする.

<作り方>

(1)ごぼうは土を洗い流し、乱切りにする.

(2)ごぼうと水を、なめらかになるまでミキサーにかける.

  ポイント3.ミキサーで細かくすることで香りが立って,うま味もとことん引き出せる)

(3)鍋に入れ、強火にかける.

  ポイント4.強火でえぐみをとばし,うま味を凝縮)

(4)沸騰したら、落としぶたをして、さらに中火で2分間煮詰める.

(5)火を止め、粗熱をとれば完成.

 

“かきの炊き込みご飯” 

<材料>(5人分)

特製ごぼうタレ(270ml)、米(4合)、しょうが(15g)、かき(10個)、せり(お好み)、だし汁(400ml)、酒(20ml)、しょうゆ(20ml)、みりん(小さじ2)

<作り方>

(1)だし汁、酒、しょうゆ、みりんを入れて、一度沸騰させて冷ましておく.

(2)しょうがは細かく千切りにして、針しょうがにする.

(3)土鍋に、米と(1)、特製ごぼうタレ、かき、針しょうがを入れ、全体になじむよう軽くかき混ぜる.

(4)ふたをして強火にかける.

(5)沸騰したら弱火で10分炊く.

(6)全体を混ぜ、お好みでせりを入れる.

※炊飯器でも同様に出来ます.

回のレシピ - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK バックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK 

 

▽とっておきの一品「ごぼうのつくね」.

鶏肉に刻みゴボウが混ぜ込まれています.

大和芋(30g)、かたくり粉(40g)、塩(3g)、こしょう(1g)、卵(1個)、細かくみじん切りしたごぼう(150g) を入れて混ぜ合わせてタネをつくり(4人分),

8等分して小麦粉をまぶし,フライパンで焦げ目がつくまで焼いた後,

200℃のオーブンで5分間焼く.

f:id:yachikusakusaki:20180209001227j:plain

 回のレシピ - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK バックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK 

「ゴボウの香りが強いですね.ふ〜って」「うま味がかめばかむほど味わい深くって」と岡崎さん.

  

ゴボウの栄養.

何と言っても食物繊維.水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています.

特に水溶性食物繊維イヌリン(果糖がたくさんつながった“多糖”)は,様々な作用が期待されていて,注目の的.

多くの宣伝が見つけられます.例えば,食物繊維の分類と特性|大塚製薬

しかし,完全に証明するのはなかなかやっかいで,“効能”のいくつかは,まだ「可能性」の段階と考えておいた方がいいかもしれません.

f:id:yachikusakusaki:20180209013701j:plain

食品成分データベース

 

ゴボウっていつ頃から?

ごぼうの原産地はヨーロッパから中国にかけてと言われています.

では日本にはいつ頃渡来したのでしょうか?

 

国立歴史民俗博物館の「日本の遺跡出土大型植物遺体データベース」

検索 | 日本の遺跡出土大型植物遺体データベース で“ゴボウ”を検索すると;

19件ヒット(“近似種”を除く).すべて,種子または果実.

その中に 縄文時代が8件あり,中でも最も早期のものは福井県鳥浜遺跡とされていました.

すでに縄文時代には渡来していたことは明らかなようです.

 

食材辞典http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/A2003/Gobou.htmによれば,平安時代には食用として広まっていたようで,

 

「中国から渡来したと考えられます。そうとう昔に渡来したらしく、縄文初期の貝塚からもゴボウの種が発見されたという話です。 古くはキタキス、またはウマフフキという名で呼ばれてました。
西暦900年ごろ中国から牛蒡という名で"再び"紹介され、 この後200年の間に食用として広まってアザミ(当時、根や葉が食用にされていた)に取って代わりました」

とのこと.

引用文献は,和名抄"(倭名類聚抄923~930),延喜式の内膳司(927),類聚雑要抄(1146)としっかりしているので,上記はかなり確かな記述と思われます.

また,ゴボウは種子が薬用に用いられますが,聚雑要抄(1146)には、 ゴボウが朝廷の献立に用いられた記録があるとのこと.

早くから野菜として食べていたんですね.

 

なお,幾つかのサイトでは,「日本では自生していない」としていますが,日本語版ウィキペディアの紛らわしい記述「日本では自生していないが---」ゴボウ - Wikipedia  が,そのまま拡散したように思います.

ゴボウは,簡単に野生化するとのこと(というより,栽培される前は野生のものを食べていたのでは?).

例えば,江戸時代には野生のゴボウの葉を食べていた!

http://gobouhana.exblog.jp/12326916/によれば,

備荒草木図(びこうそうもくず 天保4 [1833])という書物に

「野山に自生するものは、葉をゆでて食べると良い」

と書かれているそうです.ごぼうは、根だけではなく、葉も利用されていたんですね.

また,「札幌市民のオアシス『円山公園』で、ゴボウが大量に繁殖している」という記事が一昨年ありました.

ゴボウ大量繁殖…原始林 迫る外来植物 : 北海道発 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

そして,https://matsue-hana.com/hana/gobou.htmlによれば,「食用として栽培されるが、路傍などに野性化する」とありました.

少し植物を見分ける力のある方なら,野山に自生したゴボウを見つけることができそうですね.

 

http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/02/10/034134

yachikusakusaki.hatenablog.com