NHKBSプレミアム「食材探検 おかわり!にっぽん」10月3日は「くり~岐阜・恵那地方~」
実りの秋.その代表選手,栗. ぱっくりと開いた伊賀から出てきた姿はまるで宝石のようですね.
品よく和菓子でいただくと,素朴で滋味深い甘みがたまりません.日本の秋の喜びですね.
この栗菓子.日本各地にその土地その土地の味があるそうで.
やってきたのは山並みが連なる岐阜県東部の恵那地方.
「いいですね.歴史を感じますね」
はあ,風情あるたたずまい.
それもそのはず.江戸時代,京都と江戸を結んだ中山道が通り.多くに人が行き交ったところ.
かつての宿場町に旅人たちがこぞって食べたという栗菓子が伝わっているそうです.
「ん?何か栗きんとんって書いてある.いや〜栗きんとん好きなんですよね」
え〜,栗きんとん.あのおせち料理の?
岡崎さん「こんにちは.あっ,どうも.看板が大きくて.栗きんとん置いてらっしゃるんですか?」店主近藤薫さん「はい,ございますよ.どうぞよろしかったら」
「栗きんとんですか?」「そうなんです」
「これがですか?」「そうです」
「えっ,想像と全然違うんですけど」「そうですね.栗と砂糖のみを使用した和菓子になります」
「私の想像してたのは.あんがちょっと絡んでるような---」「黄色い,おせちの中の栗きんとんを想像されるかと思うんですけれども」
「そうなんです」「恵那ではこういう形の栗きんとんになります」
名前は一緒でも姿は全然違いますね.
恵那名物くりきんとん.取れたての栗でつくる生菓子だそうですよ.
「いや,初ですよ.これ.ん〜,濃厚ですね.栗そのものをいただいているような」「そうですね.おまんじゅうは苦手なんですけど,この栗きんとんなら食べられるというお客様が沢山見えます.素材を生かした,ほのかな甘さの栗の香りを楽しめる,ということだと思います」
原料はもちろん地元産のくり.蒸した実を集め,砂糖を加え,釜で温めながら練り上げていきます.
一つ一つ茶巾絞り.手間がかかってますね.栗きんとん一つ作るのに,生栗が四個.ギュッと甘さが詰まって,当時の旅人はほっぺたが落ちたでしょうね.
店主「恵那は宿場町になりますので,山栗でおもてなしをしようと,栗きんとんが生まれたと思います」
「一口いただいたら,秋の装いがほわっと出るという」「まさにね.旬のものでございます」「ん〜,おいしい!」
恵那の栗きんとん
恵那市観光協会 :: 栗きんとんによれば,
東美濃地域の特産恵那栗をふんだんに使った上品な秋の味覚.クリと砂糖とで炊き上げて,茶巾しぼりでクリの形に整えてつくる.クリの収穫が始まる9月ころから冬にかけて手作りで製造される.
その歴史をひもとくと,岐阜県加茂郡八百津町の緑屋老舗(明治5年創業)が製造したのが最初と言われる.
その後,木曽路への玄関口である中山道の中津川宿・大井宿方面に伝わり,製造販売されるようになって,広く世に知られるようになった.市内では15軒を超えるお菓子屋さんが,使うクリの産地や品種にこだわり,伝統の製法によって店ごとの個性を出している.
なお,岐阜県は,クリ生産では日本で第四位.一位は茨城で,丹波栗で有名な篠山のある兵庫県は12位と生産量は落ち込んでいるようです.
和菓子の「栗きんとん」.
私も全く知りませんでした.
しかし,和菓子ファンには既にかなり広く知られているようで---
キッコーマンのサイトでは,栗のレシピの人気第2位.(キッコーマンなので,砂糖以外にみりんと醬油を加えていますが)
AJINOMOTOのサイトでは,栗デザート第四位に「栗茶巾」としてほぼ同じものが.
また,抹茶を半分混ぜて見た目をきれいにしたレシピ(ほりえさわこさん)がサントリーのサイトに.ここでは,作り方をかなり丁寧に解説.
「栗きんとん」旬の果物 | サントリーウエルネスのウエルネスキッチン
様々な栗菓子がありますが,この「栗きんとん」.かなり魅力的.菓子作りまではなかなか手が回りませんが,いつの日にか---.
番組で紹介されたクリ料理・菓子
くりごはん,くりまんじゅうの錦秋(きんしゅう)あんかけ,甘ぐりとベーコンのアヒージョ,くり赤飯,茶碗蒸し,くりの渋皮揚げ,マロングラタン,くり春巻き
と盛りだくさんな栗料理を紹介していました.
今回のレシピとして公開されていますが,公開期間はもうすぐおしまいだと思います.一ヶ月後にはバックナンバーとして再度掲載されると思います.
www4.nhk.or.jpバックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK
他の料理の中では,栗ご飯が魅力的でした.ご飯に入れて土鍋で炊く.これは一般の方法と同じ.
ただ,なんと,「ぎんなんいり器」で5分焼いた栗を使う.渋皮がすぐにむけ香ばしい!
ご飯に入れなくても,そのまま焼き栗としてもおいしそうでした.これもいつの日か挑戦してみたいもの---.しかし,「大きなぎんなんいり器」は焼き栗にも使えるんですね.
クリ属には主な種が四つ.
日本,中国,ヨーロッパ,北米で皆,種が異なるんですね.
日本の栽培種は大きい点はとても優秀ですが,柴栗から改良された品種で,渋皮が剥きにくいのが欠点とか.