柿 早くもカラスの襲来を受けました! カラスの食べ残しは,くやしいけれど美味.熟柿を思い出しました./ 柿は古くから日本人が食べてきた果物というより「菓子」.カキにはその他にも,「柿渋」の材料としての大切な役割がありました.

柿の実が色づきはじめました.

先の強風の日にいたんだものが先に色づきはじめたのか?例年よりも早いような気がします.

 

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そして----,早くもカラスの襲来を受けました!

 

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カラスの食べ残しは,熟柿のようで,美味.悔しいけれど,カラスはよく知っています.

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わが家の柿は,次郎柿(らしい.親からの言い伝え?).

甘柿ですが,柿の分類からすると「完全甘柿」.

甘柿に完全も不完全もない,と思ったら,「不完全甘柿」「不完全渋柿」「完全渋柿」と分類されるそうです.知りませんでした.

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柿の話/奈良県公式ホームページ

以前,わが家には「不完全甘柿・甲州百目」(らしい.これも言い伝え)がありました

あまり沢山なりませんなりませんでしたが,あの熟柿の味は忘れられません.

今日も友人と「熟柿の旨さ」の話で盛り上がってしまいました.

残念ながら,熟柿を店頭で見かけることはありません.通販で冷凍物を扱っているようですが---.値段も高いし,どこまでみずみずしい味が保たれているか?

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凍熟柿 | とろけるとろあま~佐賀松梅・名尾農園の干し柿

この通販サイトによれば,

「甘さは干し柿をもって最上とする」という言葉が和菓子の世界にあるそうです.干し柿全てではなく,熟柿のみずみずしい甘さを指しているのだと思います.この言葉には納得.

 

 

柿は古くから日本人が食べてきた.

ただし,果物というより,「菓子」と捉えられていたようですね.

http://www.pref.nara.jp/secure/73723/73-1405.pdf

古事記日本書紀に「柿」の字が,天平年間には干し柿を購入した記録が正倉院文書にある.

平安時代には「柿樹」果樹としての柿の木の栽培が始まり,祭礼の菓子として熟柿・干し柿が.

鎌倉時代には砂糖に代わる甘味料としても用いられた.

・江戸時代には地域の特色ある品種が栽培されていた;先の表にある筆柿・西条・御所柿も既に存在

(幾つかの果樹園のサイトでは縄文遺跡・弥生遺跡の出土と言及していましたが,これはどうも「早とちり&不完全情報の拡散」の可能性が大.少なくとも縄文の出土のまとめに柿の記載はありませんhttps://www.rekihaku.ac.jp/outline/publication/ronbun/ronbun8/pdf/187001.pdf

 

 

カキは,植物名としては「カキノキ」が正式名称のようですね.

分類は

ツツジ目 Ericales,カキノキ科 Ebenaceae,カキノキ属 Diospyros,カキノキ D. kaki.

カキノキ - Wikipedia

日本語の「Kaki」が学名につけられている!

原産は中国と言われていますが,ヨーロッパ・アメリカには日本から伝わったためだそうです.

 

カキノキ属にはカキノキの他,最高級の家具・仏壇に使われるコクタンがあります.

カキノキ属 - Wikipedia

また,ゴルフヘッドとしてかつては珍重された「パーシモン」はアメリカカキノキの英語名.

カキノキ自体も量は少ないものの高級木材として扱われることが:

▽幻の銘木「黒柿」

:稀に黒い杢(もく、木目の模様のこと)が現れる渋柿の材.樹齢を重ねていくうちに、土の中の鉄分や、微生物の影響を受けて、中心部から黒く変色したもので,その希少性は高く、1万本に1本くらいの確率といわれている.

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 幻の銘木「黒柿」とは - ザ・家具屋しもむら http://www.golf-fine.com/goods/18490.html

 

カキにはその他にも大切な役割がありました.青い渋柿の果実の汁液を発酵させた「柿渋」.

https://www.osugi.co.jp/kakisibu-hosoku.htm

ペンキが明治期に本格的に導入される前までの木材塗料の主役(「防虫防腐塗料」として「黒塀」などに)であり,また,布や紙の補強材としても広く用いられてきました(例えば,和傘や渋紙).

ペンキ事始「日本古来の塗料(樹脂)」:eペイント 柿渋 / 種類・作り方・塗り方・染め方等補足事項

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黒塀プロジェクト - 『村上のまちづくり』 案内人:吉川真嗣 http://explanation.sakura.ne.jp/kakishibu.html

 

やや人気に陰りが見えてから久しい気もするカキ.栄養も豊富.もっと大切に扱ってあげていいように思います.