全国1500万昆虫すごいぜファンの皆さん!
香川照之です.
さあ,昆虫すごいぜのなんと今日は---,なんと特別課外授業で,ここ,栃木県にやって来ております.
何のためにやって来たかというと,とりあえず,前回のVTRをどうぞ.
それは今年5月,香川が昆虫たちへの愛を,熱く語るコーナーでのことだった.
「タガメちゃん.ホントに好きなのタガメちゃん.陸の王者がカマキリだとすると,水の川の田んぼの王者がタガメでございます」
「先生ですね.あれは11歳の夏だと思います」
『タガメを買ってくれ』と言って,デパートでタガメを購入しました.憧れの水生昆虫タガメを庭の水がめで飼おうとした香川少年には,苦い思い出があった.
「『照之,ご飯よ,照之』と言うのでですね,照之ご飯へ行きます.小学生でまだちっちゃいんで,そのまま眠ってしまったんでしょう.
次の日の朝,どこをどう見ても,こいつがいない!
先生忘れておりました.水の中で生きる昆虫でありながら,羽があって飛び上がるんです.どっか行っちゃたんです.一晩の間に」
そしてここから話は思わぬ方向に.
「あなたに会いに行きたい.どこにいますか?おまえを絶対捕まえてやる!
おまえを挙げてやるからな.待ってろよタガメ!
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=11192
「香川照之の昆虫すごいぜ.タガメのポーズ.課外授業!」夏休み特別編.出動!タガメ捜査一課.(1)
容疑者を捜している.捜査一課長です.犯人見つけた方,是非お便りを」
この呼び掛けに放送直後から数多くのお便りが寄せられた.その数105通.
目撃情報は北は北海道から,南は九州熊本まで.中には具体的な場所やタガメの写真が添えられた,有力情報も.
「北海道の湖で子供の頃タガメを見ました」
「タガメを見つけてつかまえたよ.大きくてかっこう良かったよ」
「案内するので,ぜひ来て下さい」
「ぼくにれんらくをください」
中には夏休みの自由研究で作った「タガメはかせになるぞ!!」という題名の分厚い資料を送ってくれた小学生も.田上が脱皮した抜け殻も入っていた.
そして,
「栃木県にいる所轄の諸君が,いいたれ込みをしてくれましたね」
そう,最も多くのたれ込みがあったのが,栃木県.
その中の一通「カマキリせんせいへ.じいじのおうちでタガメを見つけたよ」
早速捜査員が聞き込みに向かった.「お手紙くれた大晴君はきみ?」「はい!」
こちらが手紙を書いてくれた大晴(タイセイ)君と夕花(ゆうか)ちゃんのきょうだい.タガメを良く目撃しているという.
「水の中にいました」「なにかを捕まえている感じでした」「この辺は結構いるのかね?」「はい,います」
「カマキリ先生,来て.ここにタガメいました」「捕まえに来て下さい」
「この見事な田園風景.これが日本です.盛り上がりますね.これが皆さんのお口の中にお米となって入っていくんですよ.ねえ,感謝しましょう.ありがとうございます.田んぼ」
「もうね,これだけ緑深い所に来たのは久しぶりですね.小学校の頃ですね,栃木県の黒磯という所にうちの学校が合宿所を持っていたんです.毎年夏に黒磯に行くんですよ.その時を思い出す興奮だね.わたしは今日は12歳.12歳の力を見せてやる」
我々は,専門家の力も借りて大晴君の家からほど近い,タガメが潜伏していそうな場所を特定した.果たしてホシは見つかるのか?
というわけで,
「香川照之の昆虫すごいぜ.タガメのポーズ.課外授業!」夏休み特別編.出動!タガメ捜査一課.
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まずは今回手配中のホシ,タガメの特徴から.
「タガメという水生昆虫を知らないよい子の皆さんに,もう一度タガメとはなんぞや.タガメとは何であろう?おさらいしたいと思います」
「まず,タガメ,こういう形をしておりますね(フリップを見せる)」
出演は香川照之 & タガメのみ!熱い思いが今回も爆発 香川照之の昆虫すごいぜ! 特別編 ~出動!タガメ捜査一課~ |NHK_PR|NHKオンライン
「実際の大きさは--,鳥が鳴いてますね.いいですね.祝福してますね.私のことを!見つかるよ!見つかるよ!絶対見つかるよ!と向こうへ飛んでいきました」
「さあ,そんなことはどうでもいい.タガメですね.実際の大きさはまあこの位であろうかと思われます.(絵を描きながら)実際は.それをこれ位の大きさにしてますけれど」
タガメはカメムシの仲間.脱皮を繰り返して成長していく.枯れ葉のような色をし,大きいものは体長7㎝ほどにまでなる.
「どこに住んでいるか?水の中です.ただし,どこでも水の中に住んでいるわけじゃないです.とてもきれいな澄んでいる何も人間が人工的に作ったものが流れ込んでいない,きれいな水にしか住みません.そして,生きられません.なので,私たち人間が,どんどんどんどん森林を破壊したり,林に踏み込んだりすることで,この子たち今激減して,減っています」
東京・神奈川などでは,絶滅したとされているタガメ.全国的に数が減り,捕まえるには水がきれいな場所を当たらなければならない.
「で,この水生---,きれいなところに住んでいるにもかかわらず,行動は獰猛(どうもう)です.例えばですね,こうやって大きな魚を(前足で)挟んで,この口,針をここに刺します.刺して,チュウチュウ中を溶かしながら吸う.中の液体を吸うというすごく残忍なことをしますが,これが,彼らの基本です」
タガメは最大の武器である巨大な前足を使って狩りをする.獲物となる小魚やカエルがいれば,そこに現れる可能性が高い.
「そして,このおしりにある突起.これが彼らの呼吸器です.ここを,逆さまになってですね,こうやって杭とかにつかまって,水面がここ(お腹より上)になったりして,ここで(水面に出た呼吸器で),そしりだけ水面の上に出して,ここで息を吸っているという.
第511回「毒ヘビを狩る!田んぼの王者 タガメ」 ─ ダーウィンが来た!生きもの新伝説 NHK タガ (@tomatokero) | Instagram photos and videos
ほとんど忍者.水遁の術という.忍者だと思って下さい.タガメを見たら.ただ,動きはそんなに速くありません」
そう,タガメはおしりの先端の呼吸管だけを水面からだし,動かずにじっと獲物を待つ.忍者のように身を潜め,泥などでカモフラージュしたその姿は,周りにとけ込み,発見するのはかなり難しい.
「もう行こう.行こうよ.こうしている瞬間にもタガメがどっか行っている、とんで行ってしまっている可能性がある.じゃあ行こう」
「か〜!」(カマキリのポーズ)
「さあ課外授業ということで,ちょっと軽めにやってみました.こういう格好に先生なりました.見て下さい」
水の中に住むタガメとの格闘に備え,今回のカマキリ先生は,水陸両用の装備.(胴付き長靴を着用)
「網もってようか.とりあえず」
タガメが潜伏していると思われる場所は,ここから歩いて5分.
しかし---
「もう,このね.草がピッと動くと気になってしょうがないですね.ピッと草が動くのが」
カマキリの習性なのか,突然捕獲モードに.
(網をふるって捕まえたものを見せながら)「ジャノメですね.まさに.蛇の目がある」
早速捕まえたのは,羽に蛇の目のような模様があるチョウ.ヒメウラナミジャノメ.
「モンシロチョウほどぴくぴく来ないですね.ちょっと弱ってるのかな.」(いいながら逃がす)
動くものが視界に入ると何でも反応してしまう.
「蛙がいますね.(葉の付け根にうずくまって小さくなっているアマガエル)すごいですね.仙人みたいですね.完全にもう---.おまえそこで何をやってるの?何か待ってるの?多分これがいいポジションなんでしょうね」
「いくらでもいるんだけど.(また網をふるって捕まえた蝶:キタキチョウを見て)きれいだねこれ.この内っかわみせて.うわ〜うわ〜.きれいだな.ピクピク来る.うわ〜きれい.ごめんなさい(と逃がす).(指を見せて)この黄色のリン粉」
「いつまで2時間目に止まってるんだ,という感じでございます」
今日はなが〜い一日になりそうだ.
「珍しいチョウ,アサマイチモンジ.触角もいいね.いいボディーしてんね.君.なかなかいい体してるじゃないか」
「これ前回と網いっしょ?これ?」「いっしょです」「今日は相性がいいのかな.それとも,昔の勘が戻ってきた?」
「普通に歩けば5分ぐらいです」
「あっ,そうですか.ハハハハ」
ところが,
「ん?」
本能には逆らえないようだ.
「いや,早く行かないと.ダメだ.寄り道が過ぎる!」
5分の道のりを20分かけて移動.そしてようやく.
「水が見えました.ついに.ついに水発見.えっ.こんなとこのいるの?あっ何か飛んでますね.なんかすごいのが今右に.
出演は香川照之 & タガメのみ!熱い思いが今回も爆発 香川照之の昆虫すごいぜ! 特別編 ~出動!タガメ捜査一課~ |NHK_PR|NHKオンライン
おっ,カエルか?この早く移動したのは蛙だ.あそこに緑のが見えますね.奥にも一匹いるんだけど.カエルがいるということはですよ.蛙がおまえ,俺がビックリするわ.急に動くと.もうびっくりするな」
タガメの大好物,カエルはいるが,雨水でできたこの水たまりに本当にタガメはいるのだろうか?
すると,
「タイコウチ発見,タイコウチ発見,タイコウチ発見.これどうしよう.手でいけ?いけねえよ.タイコウチは.網だな.網くれる?手でいけるな,(手ですくい上げ網に入れて)タイコウチ発見.タイコウチです.きた〜.タガメと同じような水生昆虫の,ま〜おとなりさんみたいなもんで,もちょっと迫力がないって感じ」
タガメと同じ手口で,小魚などをおそうタイコウチ.こいつがいれば,タガメもいる可能性が高い.
「ここいるな」
いきなりのタイコウチ発見で,目の色が変わるタガメ捜査一課長.
「ああいう所の樹の下にいるとにらんでいるんだが----」
そうタガメは水際に生えた草などの根元につかまって水中に隠れていることが多い.しかも泥などでカモフラージュされてしまえば発見は困難を極める.
「タイコウチで止まるわけにはいかないだよ.ちょっとこれは浅くなってきましたね.ちょっと次の」
ここには大小四つの水たまりが存在.次に向かう.
「来た,これはいる感じがしますよ,これはいる感じがする.匂いがプンプンする」
捜査一課長,200%の予感.
「か〜,これは,すごい.ホントに捜査みたいになってきた.こっち絶対いそうなんだけどな」
するとそこに
「カエルの死骸だ.--ということは」
タガメにやられたに違いないカエルを発見.犯人はまだ近くにいるかもしれない.現場付近を慎重に探る.
すると次の瞬間.
「あっ,いた.いました.餌だと思って来たよ.ほら.ほれ,見て 見て 見て!」
捜査一課長の読みが的中.犯行現場から逃げていく虫の姿が.
前に大きく突き出たあし.これはタガメに間違いない.
「ほれ,見て見て見て見て」
「いっちゃったよ.どっか.どっか行っちゃったよ」
40年ぶりのタガメにくぎづけ.そのまま逃がしてしまうという痛恨のミス.
「もう見ほれてしまいました,私.捕獲を忘れてしまいました.犯人を逃がすという大失態をやらかしてしまいました」
(続く
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/08/24/013647