ビーツは食べる輸血? 他の野菜とミネラル・ビタミン含有量などを比較してみました. 結論としては: 「食べる輸血」は優れた,でも,中味が伴っていないキャッチコピー.鉄分がそれほど多くない事が特に問題. ボルシチでのビーツの役割=赤い色,そして,栄養素としては現すことができない,味や風味をもたらす野菜.と考えた方がいい? 「食品成分データベース」:なかなか便利です.栄養成分をキチンと知りたい方,そして,おそらく栄養のプロの方にとっても

ビーツを手に入れ,簡単な料理をしたのは昨日.

そして,どんな食材か,少し調べ,ボルシチになくてはならない材料と知りました.

http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/07/10/023311

yachikusakusaki.hatenablog.com

その途中,

ビーツは食べる輸血と言われるほど、リン、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、カリウムが豊富で、さらにビタミンA、C、ナイアシン、ビオチン、そして食物繊維も豊富に含まれているとの事です」と,栄養面の解説が.

辻調おいしいネット / 怖くない、怖くないインターナショナルクッキング 飲む輸血?世界が注目する野菜「ビーツ」の魅力と効能 - NAVER まとめ 「食べる輸血」と呼ばれるほど栄養豊富!ビーツってどんな野菜? | アトレンテ

「食べる輸血」とは,なかなかインパクトのあるキャッチコピーですが,はたして,「食べる輸血」というほどの栄養成分を含んでいるのでしょうか?

 

調べてみました.

(今日は,いつもに増して退屈な文章になりそう.栄養に興味のある方以外は,退散した方が好いと思います)

 

 

「食品成分データベース」

文部科学省のサイトです.よくできているとは思っていましたが,本格的に使ってみることにしました.

「食品成分表」もしくは「食品成分データベース」で検索するとトップにランクされて見つかります.

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フリーワード検索画面が初めに出てきます.

食品成分データベース

検索サイトに移って「一覧から選択して検索」することもできます.食品名がキチンとわからない場合にはこちらを使った方が早い!

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「他の成分を表示したい」をクリックすることで,エネルギー,水分,たんぱく質,脂質,炭水化物以外の栄養素を選択.

「選択した食品に追加したい」クリックで,食品を追加.

他の成分表示の前に追加食品を選ぶ必要があるみたいです.

 

「ビーツ」にいくつかの野菜類を追加して,結果を表示させると---

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ビーツは真ん中辺りに表示されています.

(余談:だいこん皮付き皮ありはほとんど同じ数値.ホウレンソウは取れる時期によってビタミンCが異なる!)

 

大きく表示して,

果たしてビーツが「食べる輸血」の名前に耐えられるだけの成分を有しているかチェックしてみましょう.

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炭水化物が多いのが特徴です.

これは食物繊維も含めた値ですが,ビーツの場合,しょ糖が多い事が知られていますね.てん菜(砂糖だいこん)ほどではありませんが,てん菜と同じ種なんですから!

水分がやや少ないのも特徴といえなくもないですね.

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カブやダイコンに較べるとカリウムが多い.でもホウレンソウほどではありません.

カルシウムはむしろ少ない.

鉄はれほど多いわけではなく,ホウレンソウには,全く及びません.

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ビタミン類.多いと言えるものは一つもありません!

ビタミンB類はまあまあですが,カロテン,ビタミンCは少ない!

食物繊維もまあまあの量含みます.

 

結論としては:

「食べる輸血」:優れた,でも,中味が伴っていないキャッチコピー.

野菜を沢山食べさせためには,この様なキャッチコピーで誘うというのも一手段でしょう.

しかし,他の野菜に比べて特に優れているわけではありません.血液が増えるようなイメージを植え付けるとしたら考え物.鉄分がそれほど多くないことが特に問題.

 

なお,あるサイトでは,

「体内の血管拡張物質としてよく知られている『NO』を含んでいることが,この食品の第一の機能」というような記事が.

詳細を調べる時間がありませんでしたが---

「体の中の生理活性物質」を食品成分として食べることで,その機能が現れると言う事は,一般的にはまずありません.(もしあれば,その食品は,おそらく「薬品」もしくは「毒物」に指定されるでしょう)

昔々,「味の素(グルタミン酸ナトリウム)が頭によい」という話がまことしやかに語られました.脳内伝達物質としてグルタミン酸が機能していることが発見されたあとのこと.今では話題に上ることはありません.

ビーツ中のNOの作用を信じてビートジュースを飲んでいるアスリートがいるらしいのですが,ミネラル補給の助けとしてはOK.清涼飲料水より体によいと思います.でもNOの効果を期待するのは考え物でしょう.

 

ボルシチの栄養

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「食品成分データベース」の優れた点は,栄養計算が簡単にできる所にもあります.

興味のある人は,活用しない手はないでしょう.

ただ検索しただけの時には,各食品100gあたりの数値が表示されます.そしてこの100という数字は変えられる⇒栄養計算ができる!

辻調さんのレシピから,主な材料を選択し(スープ材料以外),一人前に換算して計算してみました.

辻調おいしいネット / レシピ

ただし,塩漬け豚バラ肉は生ハムの数値で代用.サワークリームは割愛しました.

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栄養計算をしてみた結果

ビーツは,沢山使われるためもあり,ボルシチから摂ることができるカリウム食物繊維では,主役の一つとなっています.

でも,赤い色,そして,栄養素としては現すことができない,味や風味をもたらす野菜,がビーツのボルシチにおいての主要な役割と考えた方がよいのでは?

 

それにしても

「食品成分データベース」:なかなか便利です.栄養成分をキチンと知りたい方,そして,おそらく栄養のプロの方にとっても.

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