本物のビーツを手にしたのは初めて.真っ赤な色はナデシコ目特有の「ベタレイン」と呼ばれる色素.「ビーツ」は「ボルシチ」に欠かせない食材とのこと.全く知りませんでした.てん菜とビートが同じ種であることも.

「ビーツ」と表示されていた野菜を手に入れました.

余って安くなったものを買いもとめたもの.初めて手にした食材です.

真っ赤な色.切ってみると年輪のように赤と白の模様が.

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「ビート」と同じらしい! 

日本語に訳すと「てんさい 甜菜」すなわち砂糖大根?

でも,どうもこれは「テーブルビート」と呼ばれているスープ材料らしい.そして,料理用語としては「ビーツ」がより一般的な呼び名のようです.

 

とにかく調理!

植物について調べるのは後回しにして---

一番簡単そうな,「ジャガイモとビーツの冷ポタージュ」

速攻で作るために材料をガス二つと電子レンジを同時に使用して,別々に火を加えることに.水はできるだけ少なくして、あとで牛乳と氷で冷やす作戦.

勝手にアレンジしました.

①ビートはひたひたの水を加えて加熱.水を加えるとすぐに赤い色素が溶け出します.美しい色ですね⇒鶏ガラスープの素を入れてそのまま20分ほど弱火で⇒フードプロセッサーに.

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②タマネギとベーコンはオリーブオイルとバターですきとおるまで炒め,水,スープの素,塩,こしょう,ロリエを加えて弱火で加熱 ⇒タマネギ・ベーコンのみフードプロセッサー

③ジャガイモはラップをして電子レンジで加熱 ⇒上記のスープを入れてフードプロセッサー

④あら熱がとんだら,①②③をそれぞれ適量とって,牛乳を加え,更に氷を加えて冷やして出来上がり.残った①②③は冷蔵庫へ(何に使うかは思案中)

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40分ほどで何とかできました.いい加減に作った割に結構おいしかったですよ.

 

ボルシチに欠かせない食材「ビーツ」

「ビーツ」は「ボルシチ」に欠かせない食材とのこと.全く知りませんでした.

そして,ボルシチはロシア料理だとばかり思っていましたが,元はウクライナ料理だそうです.

ウクライナ大使館のサイト在ウクライナ日本国大使館:エピソード集(日本語)には.次のように書かれています.

~ロシア料理だと思っていませんか?ウクライナが本家です!~

:多くの人にはロシア料理と知られている「ボルシチ(細かく刻んだ野菜を煮込んだスープ)」は,実はウクライナが本家本元。その他にも,カツレツ,サーロ(豚の脂身の塩漬)などがウクライナ・オリジナルだと言われています。また,ロシアと同じ名前の料理でも,ひと味違ったものがあります.

ウクライナボルシチとモスクワ風ボルシチの違いは?

ウクライナボルシチは,具としての野菜(キャベツ,にんじん,タマネギ等)が細かく切り刻んであり,香辛料をたっぷり使い,最後にニンニクを入れます。また,ビート(砂糖大根)を多めに使い,赤色がより鮮やかに仕上がりになっています.また,ウクライナボルシチに欠かせないのが,パンプーシュカと呼ばれる,ふかふかのパンにニンニクを刻んだオイルをかけたものです。パンプーシュカはロシアでは見あたりません.
 モスクワ風ボルシチは,ハムやソーセージが具に加わり,ウクライナ風とはまた違ったおいしさがあります.

 

ボルシチの本格的な作り方は,辻調グループのサイトが詳しい!

辻調おいしいネット / レシピ

最も多く使われてる食材はジャガイモですが,それに匹敵する量の「ビーツ」を細かく刻んで煮込んでいます.

ロシア/ウクライナ料理レストランのボルシチもほぼ同じように作られているのでしょう.

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辻調おいしいネット / レシピ キエフ(京都祇園)-アラカルト-

 

「ビーツ」は,植物の世界ではやっぱり「ビート」と呼ばれています.

ビートには無数の栽培品種があって,「ガーデンビート」と,砂糖生産に使われている「テンサイ(甜菜)」は種として同じ!

全く知りませんでした.

分類は

ナデシコ目 Caryophyllales,

ヒユ科 Amaranthaceae,Betoideae亜科,フダンソウ属 Beta,ビート B. vulgaris

Beta vulgaris - Wikipedia ビート (植物) - Wikipedia

少し前までは,ヒユ科ではなくアカザ科に分類されていたようで,日本語版ウィキペディアのテーブルビートはアカザ科になっています.

そして,テーブルビートの真っ赤な色は,アントシアニンではなく,ナデシコ目特有の「ベタレイン(Betalain):ベタシアニン(赤)とベタキサンチン(黄)」.

この色素の名前は,ビートの属:フダンソウ属 Betaから付けられたんですね.調理した感じでは,アントシアンよりかなり安定した色を見せます.食品着色料としても使われているそうです.ベタレイン - Wikipedia

 

最後にテーブルビートと直接関連しませんが---付録として

:世界のサトウキビとテンサイの生産 統計資料【海外情報】|農畜産業振興機構

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サトウキビを最も沢山作っている国がブラジルとは.これも初めて知ったこと.日本の砂糖輸入相手国トップもブラジルだそうです最近の砂糖の輸入動向|農畜産業振興機構

そして,日本の砂糖国内供給に占める輸入の割合は66%で,国内生産はてん菜糖28%,甘しゃ糖(サトウキビから作られる砂糖)6%.(24砂糖年度)

砂糖の原料について〜てん菜〜 |農畜産業振興機構

てん菜からの砂糖も思っていたよりずっと沢山食べている!