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相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で,46人が殺傷された事件から今日で半年となります.私たちは,ウェブサイトウェブサイト「19のいのち」を開設しました  “障害者殺傷事件 半年 懸命に生きた19人”NHK総合首都圏ネットワーク

相模原 障害者 差別 抵抗 テレビ ドキュメンタリー,情報番組,ニュース等

「障害者殺傷事件 半年 懸命に生きた19人」

 1月26日(木)NHK総合  午後6時10分~ 午後6時52分 首都圏ネットワーク

www4.nhk.or.jp

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相模原市知的障害者施設津久井やまゆり園で,46人が殺傷された事件から今日で半年となります.私たちはこの事件をどう伝えていけばいいのか,この間模索し続けて来ました.

この事件では理不尽に奪われた命を思い,この半年,全国から追悼する人たちが相次いで訪れました.きょうも花を手向ける人たちの姿がみられました.そこには二度とこのような事件があってはならないという思いが込められています.

その一方で,殺人の疑いで逮捕された元職員の植松聖容疑者.「障害者は不幸をつくることしかできない」と供述.さらに「施設の入所者は会話できないなど,過去に自分の身近にいた障害者と比べて違っていた」などとして,重い障害のある人たちに対して,差別意識を持つようになったという趣旨の供述をしていることも,新たに分かりました.

私たちは,こちらのウェブサイト

(ウェブサイト「19のいのち」

19のいのち -障害者殺傷事件- TOP | NHKオンライン )

を開設しました.

犠牲になった19人について,警察は名前を公表してきませんでした.19人には,それぞれの人生があったはずです.そうした思いで私たちは取材を重ね,少しずつ見えてきたお一人お一人の人柄や面影をこちらにまとめました.数々の思い出の品,そしてご遺族の承諾が得られた方については,似顔絵を描きました.

 

70歳の女性です.

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19人それぞれのエピソード | NHKオンライン

およそ50年,津久井やまゆり園で暮らしてきました.女性はお兄さんのことが大好きだったということで,一緒に手をつないで散歩する姿が印象的だったといいます.

こちらは49歳の男性が大好きだった囲碁をイラストにしました.

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19人それぞれのエピソード | NHKオンライン

囲碁の月刊誌をプレゼントすると,とても喜んで,夢中になって囲碁の手を考えていたといいます.

 事件から半年,一人一人が懸命に生きてきた軌跡でした.

犠牲になった19人の命,その中にいつもラジオを肌身は出さず持っていた男性がいました.

66歳の男性で,笑顔がすてきな人気者でした.

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19人それぞれのエピソード | NHKオンライン

男性の支援を続けてきた元職員,太田顕さん.いつも明るく接してくれる男性の姿が印象的だったと言います.

「笑顔で写ってますね.いつもこんな感じ」

男性は太田さんとよく散歩に行きました.そんなときの大好きなラジオを片時も手放すときはありませんでした.

「ラジオは肌身離さずっていう感じで,『(音を)消してね』って言われて消してポッケに入れて持ち歩いて,目的地に行ってまた取り出して,こうやって聞いています」

ラジオを聞くときの男性の笑顔,太田さんはそんなささやかな幸せを奪った容疑者が許せないと言います.

「彼の動作を見ていてほっとするような,癒やされるような思いはありました.(容疑者が話すように)何ももたらすこともなく,不幸だけというのは,全く間違っていると思いますね」

 

犠牲になった19人の中には,「周囲から頼られる存在」となっていた人もいます.

「こんにちは」

そう証言するのは,元職員の細野秀夫さん.

細野さんが10年間担当していた67歳の男性です.

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19人それぞれのエピソード | NHKオンライン

男性は細野さんを慕ってシーツ交換や畑仕事などもよく手伝ってくれたといいます.施設の中では準職員と言われ,頼りにされていました.

「夜勤の朝,起こしに来てくれる.『先生,5時だよ.起きるんだよ』『おうありがとう』って言って.いい相棒だったね」

この男性の思い出の品は湯飲みです.男性が大好きだった北島三郎さんのコンサートに二人で出かけたときに買ったものでした.

「茶碗を二個買うんですよね.『一個でいいんじゃないの』という話をしたら,『これは先生に記念にあげるんだよ』って言って」

細野さんは今もこの湯飲みを大切に使い続けています.それを見るたびに行き場のない悲しみを感じると言います.

「なんでこういういい人をね.殺してしまうという.その心境が分からないね.これが本当にね.形見になっちゃったとは.ちょっとね.胸が詰まりますよね」

 

19人の命の重さをどう考えるのか議論も始まっています.(専修大学

「いうまでもなくて,こういう事件は前代未聞ですよね」

大学の講師の西門純志さんです.西門さんはかつて津久井やまゆり園に勤務.支援に携わった7人が今回の事件で亡くなりました.この日は特別講義を開き,犠牲者一人一人にかけがえのない人生があったこと,そして今回の事件を社会がどう受け止めるべきか学生と議論しました.

西門さん「匿名とされて名前も顔も分からずに『19人』という数字だけが一人歩きしている.被害者とか犠牲者とか情報があまり出てこないなかで,容疑者の『障害者はいなくなればいい』とかそういう言葉が一人歩きしている」

学生「僕個人の意見としては,名前を出したらどうなるのかと考えても,そんなに大きく変わらないのではと思うところがあるんですよね」

学生「名前出した方がその個人をクローズアップしたり,焦点を当てられて,その人の人生について語れることができるのかなって」

さらに別の学生は,障害者を差別するような意識は社会にも潜んでいるのではないかと指摘しました.

学生「インターネットでも容疑者の考え方に同意するような人も何人かいたりして,社会がそういう風潮である--」

学生「やっぱり世の中,自分たちの側に,受け入れるキャパシティーがないのは事実なんですね」

学生「障害者はいなくなればいい,ということなんですけど,同じ社会で生きていく中で,それは一つの個性と捉えて,同じように生活していかねばならないと思いました」

障害者一人一人の個性を尊重しない風潮,社会に潜む差別,西門さんは社会がこれからも向き合っていかなければならない課題だと訴えました.

西門「異様な特異な犯人による犯行ということで、そういうレッテルを皆が,そういう意識があるから風化されやすい.これだけ大きな事件というのは,個人ではなくて,やっぱり社会全体の問題であって,じゃあ私たちはどのような社会を目指し考えればいいのか--」

学生「やっぱり障害者がらみの事件だと話題にしづらいこともあると思う.自分の意見をさらけ出して,この事件を教訓にいろいろできるんじゃないか」

学生「やっぱり自分は関係がないと思いたいってところで,遠ざけて--.せめて自分たちは,それを一生懸命考えたり,話し合ったりできればと改めて考えました」

---以下略