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NHKBS映像の世紀プレミアム「世界を変えた女たち」はヒラリーさんとマララさんのスピーチで締めくくられました.平等の理念の確立・女性やマイノリティーの権利を求める世紀に残る名演説です.

12月3日NHKBS,映像の世紀プレミアム 第3集「世界を変えた女たち」が放映されていました.残念なことに,この放映に気づかず,後半の30分ほどを見ただけ.

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NHKドキュメンタリー

ちょうどベラ・チャスラフスカさんが表彰台でソ連の国旗に顔を背ける場面からでした.ソ連の選手と金メダルを分け合ったときの映像です.その四ヶ月前,ソ連の戦車がプラハの春を制圧したあとのオリンピックの出来事.圧政に立ち向かった勇気ある女性として紹介されていました.

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ベラ・チャスラフスカを覚えていますか? 楽天ブログ

そして,番組の締めくくりは,ヒラリー・クリントンさんの大統領選挙敗北スピーチとノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんの国連演説.ディレクターのセンスに拍手!

彼女たちは女性蔑視・差別の犠牲となりながら,めげていない方々.尊敬に値すると私は思います.

番組でも紹介されていましたが,どちらのスピーチも,平等の理念の確立・女性やマイノリティーの権利を求める世紀に残る名演説とたたえられています.

新聞報道もありました.今でもYoutubeで見ることができ,また全文の紹介もいくつかのサイトで見ることができます.このブログにも記録として残したいので,それぞれのほんの一部を抜粋します.

多くは他のサイトからの引用です.ヒラリー・クリントン敗北宣言日経ウーマンオンライン 

Hillary Clinton -I congratulated Donald Trump... | Facebook  マララさんノーベル賞受賞スピーチ全文

ただ,一部気になる部分は私が訳を手直ししました(かえって悪くなっている恐れあり).マララさんのスピーチはノーベル賞受賞のときのものの方がよく練られているような気がしましたので,その一部としました.

(蛇足:ヒラリーさんが用いたAmerican Dream は,「金持ちになって成功する」というような意味ではないとのこと.簡単に言えばアメリカ独立の理念=独立宣言や合衆国 [合州国 United Stetes of America] 憲法に示された民主主義の理念を指します)

American Dream - Wikipedia(アメリカ版ウィキペディアはかなり洗練されて信頼に足る情報源になってきているようです.残念ながら日本版は遠く及びません)

 

ヒラリー・クリントンさん

 昨夜、私はドナルド・トランプ氏に祝意を伝え、私たちのこの国ために協力すると申し出ました。彼がすべてのアメリカ人にとって、この上ない大統領になってくれることを願っています。

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私たちは、考えていたよりも、ずっと深く分断されているこの国の姿を目の当たりにしてきました。それでもなお私はアメリカを信じ、これからもその気持ちは変わりません。みなさんも同じように信じていてくれるなら、この結果を受け入れ、未来へと目を向けましょう。

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 さらに、私たちの立憲民主主義は、四年おきだけではなく常に政治に参加することを求めています。だからこそ、私たちが大切にする主張や価値観をもっと広めていくために、できる限りのことをしていきましょう。私たちの経済を、一部の富裕層だけでなく、誰しもに機能するようにし、我が国を守り、この地球を保護していきましょう。そして、夢をかなえようとしている人たちの邪魔をする障壁は壊していかなければなりません。

  私たちは,一年半を費やし,国の隅々からの数百万の人々を集めながら「アメリカンドリームは誰にとっても価値のあるものだ」と言ってきました.人種・宗教・男性・女性・移民・LGBT・障害者を問わずすべての人々にとって価値あるものだと

アメリカ市民には、よりよく、より強い、私たちが探し求める公平なアメリカを築くための一端を担い続ける責任があります。私は、みなさんが責任をまっとうすると信じていますし、みなさんと共にあることを誇りに思います。

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そして特に若い人たちに、ぜひ聞いて欲しいことがあります。私は社会に出てからの人生すべてをかけて、自分が信じることのために戦ってきました。成功したときもあれば、挫折を味わうことも、耐えがたい痛みを感じたこともあります。多くのみなさんが、キャリアのスタート地点にいることでしょう。これから先に成功もあれば、挫折もあるはずです。

 今回の敗北は辛いものです。

でもどうか、どうか「正しいことのために戦うのは、価値あることだ」と信じることをあきらめないで。それは、どんなときでも価値のあることです。この戦いに臨み、人生を通して戦い続けましょう。

 すべての女性のみなさん、とくに今回の選挙戦と私を信頼してくださった若い女性の方々、ぜひ知っておいてください。みなさんの代弁者となれたことが、私の最高の誇りであることを。

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 聖書にこうあります「わたしたちは、善を行うことに、うみ疲れてはならない、たゆまないでいると、時が来れば刈り取るようになる」(注 ガラテヤ人への手紙 6:9)

 友よ、お互いを信頼しあってください。飽くことなく、諦めることなく。時は移り変わり、まだすべきことはたくさんあります。

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(英語字幕つき)

www.youtube.com

 

 マララ・ユスフザイさん

国王、王妃両陛下、皇太子、皇太子妃両殿下並びにノルウェー・ノーベル委員会のみなさん、親愛なる姉妹兄弟のみなさん。今日は私にとって、素晴らしく幸せな日です。ノーベル委員会がこの貴い賞に私を選んでくださり、身に余る光栄です。

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この賞は、私だけのものではありません。教育を望みながら忘れ去られたままの子供たちのものです。平和を望みながら、おびえる子供たちのものです。変化を求めながら、声を上げられない子供たちへの賞なのです。

今、私は彼らの権利のために、そして彼らの声を届けるために、ここに立っています。今は、彼らを哀れんでいるときではありません。教育の機会を奪われた子供たちを見るのを、これで最後にするために、行動を起こすべきときなのです。

私は、人々が私のことを、いろんなふうに呼ぶことに気づきました。

ある人は、タリバーンに撃たれた少女と。またある人は、自分の権利のために闘う少女と。そして今は、「ノーベル賞受賞者」とも呼ばれます。弟たちからは「うるさくて、偉そうなお姉ちゃん」と呼ばれているのですが…。私が知る限り、私はただ、全ての子供たちが質の高い教育を受けることができることや、女性が平等な権利を持てること、そして世界の隅々まで平和であることを願う、熱心で頑固な人間でしかありません。

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教育は「権利」から「犯罪」になりました。女の子たちは学校に行くのをやめさせられました。しかし、私をとりまく世界が突如として変わったとき、私が優先すべきことも変わったのです。

私には二つの選択肢がありました。一つは黙って殺されるのを待つこと。二つ目は声を上げ、そして殺されることです。私は後者を選びました。声を上げようと決めたのです。

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2012年、テロリストは私たちを止めようとし、バスの中で私と今ここにいる友人を襲いました。しかし、彼らの考えや銃弾が勝利することはありませんでした。私たちは生き延びたのです。そしてその日から、私たちの声はさらに大きくなっていったのです。

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私は、たった身長5フィート2インチ(157.5センチ)の、単なる一人の女の子、一人の人間に見えるかもしれません。ハイヒールはいて5フィートというのでもよければ、ということなんですけれど…。 しかし、私の意見は、私一人の声というわけではなく、大勢の人の代弁者なのです。

私はマララです。そして、シャジアでもあります。

私はカイナート。私はカイナート・スームロ。私はメゾン。私はアミナ。私は、学校に行けない6600万人の女の子なのです。今日、私は自分の声をあげているわけではなく、6600万人の女の子の声を代弁しているのです。

なぜ女子は学校にいくのかを、なぜ教育は特に女子にとって大切なのかを、人々が聞いてきます。しかし私は、なぜ彼女たちでは駄目だとされるのかという質問のほうが、より重要だと思います。なぜ彼女たちが学校に行ってはいけないのでしょうか。

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国連演説マララ・ユスフザイ【日本語字幕付】