古事記/植物

カツラ/古事記3 神の依りつく木カツラ.たたらの神・金屋古(かなやご)神の御神木としても崇められ,たたらが盛んであった地方には大木が残されています.名称の混乱(桂は中国ではモクセイ/ニッケイ)の原因となったカツラの香は,葉に含まれるマルトール.ショウユノキ,コウノキの別称もあるそうです.そして,老木は大木に. 巨樹ランキング・トップ20に,2カ所のカツラがランクイン.

カツラは神の依りつく木; 古事記では--- アマテラスの使者のキジのナキメが止まり, 釣り針を探してワタツミの宮へ行ったホヲリ(ヤマサチビコ)が登ってトヨタマビメを待っていました. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/24/222554 ht…

カツラ /古事記2 古事記のカツラはモクセイであるとする説があります.中国ではモクセイ(桂花)やニッケイ(肉桂)を表すときに用いられる「桂」を,“万葉の時代から平安時代にはカツラとあて違え”ていました.しかし,モクセイが日本に渡来したのは15世紀ごろ(湯浅浩史).そうだとすれば,古事記の香木/楓は現在のカツラと考えて間違いないと言ってよいでしょう.また,かつらは,中国伝説で,月の世界に生えているという木.黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば /万葉集

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 古事記では,二つの場面で登場するカツラ. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/24/222554 1. アマテラスが「この葦原の中…

カツラ / 古事記1 愛らしいハートの形の葉で知られ,秋の紅葉も美しいカツラ.古事記では二つの場面で登場します.一つは,ウミサチビコ.ヤマサチビコの物語.「泉のほとりに大きなカツラの木が立っておろうから,その木の上に登って座っておるとの,ワタツミの娘がそなたを見つけて---」「ナキメは天より中つ国に降り到り,アメノワカヒコの家の門に植えられた大きなカツラの木の上に止まり」カツラは神聖な神の依りつく木とされていました.“植物をたどって古事記を読む” 

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日とりあげるのは カツラ 愛らしいハートの形の葉で知られ,秋の紅葉も美しい. カツラとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 【…

タケ/古事記2 ホヲリ(ヤマサチビコ)に与えられた「タケを隙間なく編んだ小さな籠の船」は,ワタツミの宮へ,なくしてしまった兄ウミサチビコの釣り針を探しに行くためのものでした.三浦氏「目のない(マナシ=目なし)竹籠であり,海中に潜ることのできる潜水艦のような船をイメージしているのだろう」 .ワタツミへ向かったホヲリは,三年(みとせ)もの間その国に住みついて,トヨタマビメとともに暮らします.三浦氏曰わく「けっこういい加減な男である」.“植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 竹2 (竹1 http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/22/231333 ) ホヲリ(ヤマサチビコ)に与えられた「タケを隙間なく編んだ…

タケ  古事記には,タケは幾度となく登場するようです. 三浦祐介訳 口語訳古事記の索引によれば,5カ所.初めて登場するのは,ホヲリ(アマツヒコヒコホホデミ・ヤマサチビコ)が兄ウミサチビコの釣り針をなくし,探している場面.シホツチは,すぐさま隙間なく竹を編んだ小さな籠の船を造っての,その船にホヲリを乗せて,教えて言うたのじゃ.“植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日とりあげるのは タケ 古事記には,タケは幾度となく登場するようです. 上記口語訳古事記の索引によれば,5カ所. ほかに,タケノコ=タ…

ワカメ2 古事記によれば,燧臼(ひきりうす)がわかめの茎で作られたとのこと.一方万葉集には,「磯の和布(わかめ)」「瀬戸の若海藻(わかめ)」と自然界のワカメが詠み込まれています.古事記や万葉集には,食用としてのワカメは記載されていません. では食べられていなかったのか?というと,もちろんそんなことはありません. 日本人は,縄文の頃からわかめを食べていたと推定でき,奈良時代には租税としても納められていました.

ワカメ 昨日の古事記に続いて,奈良時代のワカメをざっとまとめようと思いましたが,とても退屈な話に終始しそう. 冒頭にワカメの語源を置いて,少し変化をつけてみましたが,退屈なことには変わりない? ワカメの漢字と語源. 海苔,昆布とともに,食用海…

ワカメ1 「ワカメ」は,いわゆる”国譲り”の最終局面,すなわち,オホクニヌシが国譲りを決心し,天つ神からの使者(タカミカヅチ)を迎える館を建て,ご馳走を作り供えてもてなそうとする場面に記されています.しかし,食べ物としてではなく,火おこしの道具(燧臼・燧杵)の材料として「ワカメの茎を刈り取ってきての,それを燧(ひきり)の臼に作り,また,ホンダワラの茎を燧の杵に作り,新たな火を鑽りだして」“植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. ワカメ オホクニヌシが治めて後,葦原(あしはら)の中つ国は,にぎわって穏やかな暮らしが長く続いていました. ところが,ある時,高天の原…

ガガイモ(カガミ)6 キョウチクトウ科の植物たち 新しい分類では, ガガイモは,キョウチクトウ科イケマ属.キョウチクトウ科の中で最もよく知られている植物といえば,キョウチクトウでしょうか.ガーデニング植物として人気ですが,心不全の特効薬となる有毒成分(いわゆる強心ステロイド)を持つ事でも有名.○○○たちにも人気? ガガイモ近縁植物を食草とする美しい蝶たちがいます.食草由来のアルカロイド系毒物質をもつそうです.長距離飛行でも有名なアサギマダラ.沖縄に行けば逢えるかもしれないオオゴマダラ.

“植物をたどって古事記を読む” シリーズとして, ・「長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗って現れたスクナビコナにまつわる話題」や ガガイモ(かがみ)オホクニヌシ(オホナムヂ)が国を作り固めるとき,力を合わせた神がいました…

ガガイモ(カガミ)5 植物としてのガガイモとその仲間たち1 ガガイモがイケマ属とされたのはごく最近のことのようです.キョウチクトウ科に分類されたのはその少し前.ガガイモは毒性があるとの記載が見つかるものの,複数のサイトで「食べられる」とされています.しかし,レシピを検索しても見つかりませんでした. 大部分の日本人は,まだ,半信半疑なのでしょうか?薬効(強精薬・腫れ物等への塗り薬)もあるとされていますが,実際に使っている方は?どれほど使われていたかも?

昨日までは,“植物をたどって古事記を読む” シリーズとして, ・「長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗って現れたスクナビコナにまつわる話題」や ・「ガガイモの名称と漢字」を取り上げてきました. 今日・明日は,締め括りとして…

ガガイモ(カガミ)4 名称と漢字 ▽「かがみ」は,ガガイモの古名. 日本国語大辞典“かがみ”には,「ガガイモの古名」と明記してあります. ▽かがみ(かかみ)は羅摩.ガガイモも羅摩と書きます. さらに,羅摩をカガミイモと読んでも,ラマと読んでも良い. ▽ガガイモの語源はよく分かっていないが,最も信頼できそうな語源は: 「カガミイモ⇒ガガイモ」(大言海) ▽カガミ(⇒カガミイモ⇒ガガイモ)がなぜカガミ「イモ」と呼ばれるようになったのか?不明です.  “植物をたどって古事記を読む”シリーズ

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. オホクニヌシ(オホナムヂ, アシハラノヨコヲ)の国づくりを助けたスクナビコナ. 小人神で,現れたときに乗っていたのがアメノカガミ船(天之…

ガガイモ(かがみ)3 「ガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗ってきた小人神はスクナビコナ」と知っていたクエビコ.挿話の最後で正体が明かされます.「足を歩ませることはできぬが,何から何までこの世のことをお見通しの神である“山田のソホド”」 であると.ソホドは「案山子」の意(古語).そして僧都の古形ともなっています.カカシには,多くの民俗学的な研究がありますが,“神である山田のソホド”とどのようなつながりがあるのかは,調べきれませんでした. “植物をたどって古事記を読む” 

オホクニヌシ(オホナムヂ)の国づくりを助けたスクナビコナ. 長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗り, ガガイモ - Wikipedia “ヒムシの皮をそっくり剥いで,その剥いだ皮を衣に着て依り来た”「小さい大地の神」.小人神でした. …

ガガイモ(カガミ)2 長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗ってきたスクナビコナ.誰も,この神の名前を知りません. そこで,「クエビコがかならずや知っておりましょう」と進言したのが,タニググ.タニグクはヒキガエルのこと.祝詞によれば,地の果てを支配する神.万葉集でも,「たにぐく のさ渡る極み」詠まれ,「ヒキガエルが這って行く地の果てまで」の意を表しているとのことです.“植物をたどって古事記を読む” ガガイモ

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 取り上げている植物は “ガガイモ(かがみ)” オホクニヌシ(オホナムヂ,アシハラノヨコヲ)の国づくりを助けたスクナビコナ. 長さ10センチの…

ガガイモ(かがみ)オホクニヌシ(オホナムヂ)が国を作り固めるとき,力を合わせた神がいました. 名はスクナビコナ. “アメノカガミ船”に乗ってやって来て,国づくりを助け,“ふっと常世の国に渡ってしまわれた” と挿話のような形で語られています.カガミは,ガガイモのこと.10センチほどのガガイモの実を二つに割ると船のような形をしています.スクナビコナは小さな大地の神の意をもつ子人神でした.  “植物をたどって古事記を読む”  

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. ガガイモ(かがみ) 八十の神々を追い払い遠ざけ,葦原の中つ国(=地上世界)の主となったオホクニヌシ(オホナムヂ,アシハラノヨコヲ). …

ヒオウギ(ぬばたま),アカネ(あたね),ススキ.この三つの植物が詠み込まれたオオクニヌシの歌.スセリビメの返歌と並べてみると,なかなか素敵な歌であることがよく分かります.“色ごとにかけても並ぶ神はいないほど” と書き記されたオホクニヌシ.歌は,女性の気持ちを射抜いたもの. さすがです.“植物をたどって古事記を読む”  

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. ヒオウギ(ぬばたま),アカネ(あたね),ススキ. たのしい万葉集: 緋扇(ひおうぎ)を詠んだ歌 ヒオウギ(ぬばたま)|東アジア植物記|サカタのタ…

ぬばたま “植物をたどって古事記を読む” アカネとススキが詠み込まれたオホクニヌシの歌. この歌に,もう一つの植物が詠み込まれていることを見落としていました.「ぬばたま」.ヒオウギの黒い実のことです.「黒」や「夜」,またその他の「黒」をイメージさせる言葉を導きます.“ぬばたまの くろきみけしを まつぶさに 取りよそひ おきつとり むな見るとき はばたきも これはふさはず”.

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. アカネとススキが詠み込まれたオホクニヌシ(ヤチホコ)の歌. この歌に,もう一つの植物が詠み込まれていることを見落としていました. しかも冒頭…

アカネとススキ “植物をたどって古事記を読む”  古事記では,オホクニヌシ(ヤチホコ)が,妃のスセリビメ(スサノヲの娘)に送る歌の中で登場.アカネ: 山の畑に 蒔いたアカネを臼で搗(つ)き 染め粉の汁で 染めた衣を すきもなく 粋に着こなし.ススキ :山のふもとの ひと本(もと)ススキよ 首をうなだれ お前が泣くさまは---. 

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日取り上がるのは アカネとススキ 名前はよく知られたこの二つ. アカネ. 植物としてはなじみがなくても,あかね色は聞いたことがある色名. アカ…

ムクノキ3 ムクは椋ではない.「椋」の本来の意味はチシャノキ .ムクノキのもう一つの漢字は樸樹.むらがりしげる樹?/ そして,ホオノキは朴の木ではない. / さらにエノキは榎ではない.この話題は続けようと思えば,どこまでも続けられそうです.

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ” として,ムクノキを取り上げてきましたが,その過程で寄り道して調べた番外編が,今日の話題. 題して 「ムクは椋ではない」 椋の木・樸樹から連想した…

ムクノキ2 オホクニヌシは,椋の実のおかげで,「葦原の中つ国を統(す)べ治め」ることができた?? “スサノヲが倒れた室屋の垂木の一つ一つに結びつけられたおのが髪の毛をほどいているすきに,オホナムジとスセリビメは,遠く遠く逃げることができたのじゃった.” “ そこでオホナムジは,その生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)とをもって,八十(やそ)の神がみを追い払い遠ざけての,坂の屋根ごと追いつめ,河の瀬ごとに追い払(はろ)うて,葦原の中つ国を統(す)べ治め,はじめて国を作りたもうたのじゃ.”

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. ムクノキ2 オホクニヌシは,椋の実のおかげで,「葦原の中つ国を統(す)べ治め」ることができた?? ムクノキ(椋の木) - 庭木図鑑 植木ペディア y…

ムクノキ1 古事記に出て来るのは,ムクノキ自体ではなく,椋の実.「黒く熟してしわの寄った実は,干し柿のようで甘くて美味しい」スサノヲに試されたオオクニヌシは,スサノヲの頭のムカデを取り除こうとするのですが,機転を利かせたスサノヲの娘が椋の実と赤土を食べることをすすめます.

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. https://www.amazon.co.jp 今日取り上げるのは椋. ムクドリではなく--- 椋の木1 ムクノキを実際に見たという,確かな記憶がありません.恥ずかしい…

ガマ(蒲)2 八十の神がみとオホナムヂ(オホクニヌシ)は,稲羽のヤガミヒメを妻に娶りたいと思い,稲羽の国へ出かけます. //「その水辺に生えている蒲の穂を取り,その穂を敷き散らして,その上にお前の身を転がし横たわっていれば,お前の体は元の膚のごとくに治るだろう」//このウサギは,ただのウサギではなく,神だったのだと種明かしされる.ウサギ神によって,王になるための,女(稲羽のヤガミヒメ)を得るための資格試験. “植物をたどって古事記を読む”シリーズ(17)

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. https://www.amazon.co.jp 取り上げるのは,ガマ(蒲). 昨日も話題としました.蒲1http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/09/02/00125…

ガマ(蒲)1 ガマ(蒲)は以前は「カマ」.その語源ははっきりしていません.形声文字「蒲」は植物・ガマを指す漢字で,複合語食品名,蒲鉾・蒲焼きは穂に似ていたためと言われています.穂の種の数は約35万.隙間なく並んで穂の軸について一部の種が抜けると,隣り合った綿毛の種が次々と開き,軸から外れて飛び出していきます.ガマの薬効はガマの花粉・蒲黄にあると言われてきました.オオクニヌシが用いたのは,まだ成熟していない花の段階のガマの穂ということになります.

鎌倉おんめさま(大巧寺 だいぎょうじ)の庭には,今年も水鉢の中で育ったガマ(多分 コガマ)が穂をつけていました. たった一つだけでしたが. ガマについては,昨年も取り上げましたが, http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/10/18/022045 …

カガチ/ホオズキ(2) 「その目はアカカガチのごとくに赤く燃えて---」古事記の時代から,日本人に親しまれてきたホオズキ.浅草寺ほおずき市には,今も多くの人々が集っています. 今年,主催者予想の段階で55万人/二日間.起源は明和年間(1764〜72)で,四万六千日縁日の一大イベント.京都清水寺の千日詣りでもホオズキが飾られていましたが,何か特別な意味がある?/ ホオズキ属はトウガラシ属と近縁.食べられるホオズキも何種かあります.植物をたどって古事記を読む(16)

“三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. カガチ/ホウズキ(1) スサノヲは,また尋ねて, 「そやつの姿はどんなか」と問うと 「その目はアカカガチのごとくに赤く燃えて,植物をたどって古事…

カガチ/ホオズキ(1) スサノヲは,また尋ねて, 「そやつの姿はどんなか」と問うと 「その目はアカカガチのごとくに赤く燃えて,体一つに八つの頭と八つの尾があります.また,その体には,コケやヒノキやスギが生え,その長さは谷を八つ,山の尾根を八つも渡るほどに大きく,その腹を見ると,あちこち爛(ただ)れていつも血を垂らしております」 と答えたのじゃ. 植物をたどって古事記を読む(15)

カガチ/ホオズキ(1) “三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日取り上げるのは,ホオズキ. 古事記ではカガチという古名で, “その目はアカカガチのごとくに赤く燃えて” と,あのヤマタ…

五穀(2) 五穀という言葉は,続日本紀(732)に現れるそうです.諸説あるようですが,古事記と日本書紀も含め,米・麦・粟・豆は共通.黍(きび)を入れるか,稗(ひえ)をいれるか,小豆を入れるかの違い.ただし,麦が大麦なのか小麦なのかがはっきりしません.いずれにせよ,日本では米が特権的な地位を占めてきましたが,古代では,麦・粟・豆(大豆/小豆)もとても大切な食料と見なされていたことがうかがえます. 植物をたどって古事記を読む(14)

五穀(2) “三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. https://www.amazon.co.jp 五穀(1) 高天原を追放されたスサノヲは,食べ物をオホゲツヒメに乞います.オホゲツヒメは,鼻・口・尻から…

五穀(1) 高天原を追放されたスサノヲは,食べ物をオホゲツヒメに乞います.オホゲツヒメは,鼻・口・尻から食べ物を出し,作り調えますが---「わざと穢(けが)して作っておるのだと思うての,すぐさま,オホゲツヒメを斬り殺してしもうたのじゃ」「二つの目には稲の種が生まれ,二つの耳には粟が生まれ,鼻には小豆が生まれ.陰(ほと)には麦が生まれ,尻には大豆(まめ)がうまれたのじゃった」 植物をたどって古事記を読む(13) 

五穀(1) “三浦祐介著 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. https://www.amazon.co.jp 今日取り上げるのは,五穀. 神代篇 其の三では,高天原を追放されたスサノヲは,食べ物をオホゲツヒメに乞いま…

ササ / 小竹 アメノウズメが手草(たぐさ/たくさ)として,手に持って踊るササ.篠とも表されるヤダケ・メダケの種類と考えられます.ササを手にもって踊ることがある伝統歌舞が現代にも残っています.神楽です.「御神楽」の「採物(とりもの)」としてササが認められ,また,「里神楽」巫女舞でも同様です.ただし,現在は,ほとんどの場合,榊が用いられているようですが.植物をたどって古事記を読む(12)

古事記,岩戸隠れの物語にある5つの植物を取り上げてきましたが, 最後は ササ 小竹. アメノウズメが手草(たぐさ/たくさ)として,手に持って踊ります. “三浦祐介著 口語訳古事記” アメノウズメが,天の香山(かぐやま)の天のヒカゲを襷(たすき)にして…

マサキ/マサキノカズラ(テイカカズラ)天のマサキをかずらにして頭に巻いての マサキノカズラは,古今集に記さている植物で,テイカカズラの古名.古事記と同時代の万葉集に,“まさき”や“マサキノカズラ”は出てきません.万葉集では,“つた”と詠まれている植物がテイカカズラだろうと言われていますが----.テイカカズラの名前の由来は,能の「定家」説が広まっていますが----.テイカカズラという名前をガーデニングショップで見ることはほとんどありませんが,ハツユキカズラはよく見かけます.テイカカズラの園芸種

古事記,岩戸隠れの物語にある五種の植物のうち, ヒカゲ/ヒカゲノカズラ マサキ/マサキノカズラ(テイカカズラ) は,“神懸かりする”アメノウズメ”の体を飾り, ササ 小竹 はアメノウズメの手に. “三浦祐介著 口語訳古事記” アメノウズメが,天の香山(か…

ヒカゲノカズラ2 古事記では “神懸かりする”アメノウズメの体を飾っていたヒカゲノカズラ. 現代でも正月飾りに,また,神社の縁起物に用いられ,ヒカゲノカズラを必須アイテムとする祭礼も行われています.しかし,古事記と同時代の万葉集の歌をみると,古代日本では,ヒカゲノカズラは必ずしも神に結びつく植物ではなく,ごく普通に髪飾りなどに用いられていたと思われます.人はよし 思ひ止むとも 玉かづら 影に見えつつ 忘らえぬかも 万葉集 巻二 149  倭姫皇后

万葉集におけるヒカゲノカズラ ヒカゲノカズラ ヒカゲノカズラ - Wikipedia 古事記では “神懸かりする”アメノウズメの体を飾っていたヒカゲノカズラ. 現代でも正月飾りに,また,神社の縁起物に用いられ,ヒカゲノカズラを必須アイテムとする祭礼も行われて…

ヒカゲ/ヒカゲノカズラ1 ヒカゲは,“神懸かりする”アメノウズメ”の体を飾っていました.“アメノウズメが,天の香山の天のヒカゲを襷にして肩に掛けての” ヒカゲノカズラを飾る風習は,現代にもしっかり息づいていています.▽掛蓬莱,▽京都上賀茂神社の縁起物「卯杖」,▽ 奈良市率川神社「三枝祭」では,ヒカゲカズラを頭に飾った舞姫が ▽京都伏見稲荷大社大山祭では,神職の方々がヒカゲノカズラを首に掛けた装束で拝礼します.植物をたどって古事記を読む(10)

古事記,岩戸隠れの物語にある植物は五種. (以前のブログでは,ササ小竹を入れ忘れていましたので訂正しました) ハハカ/ウワミズザクラ マサカキ/サカキ(榊) ヒカゲ/ヒカゲノカズラ マサキ/マサキノカズラ(テイカカズラ) ササ 小竹 すでにこのブログ…

マサカキ/サカキ2 古事記の時代のサカキは,「常緑樹の総称」でした.岩岩戸隠れの場面で用いられた “マサカキ”(サカキ)は,「天の香山に生え」「根つきのままにこじ抜いて」こられたもの.オモヒカネは「タマノオヤがつくった,八尺の勾玉の五百箇のみすまるの玉飾り」や「アマツマラとイシコリドメがつくった八尺の鏡」を「取り垂らし」ますが,八尺の勾玉と鏡は,後にアメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギに与えられます.植物をたどって古事記を読む(9)

現在のサカキ かつては,ツツジ目ツバキ科の植物と見なされていましたが--- 現在はモッコク科(ペンタフィラクス科)のサカキ属に分類されています. モッコク科とツバキ科は系統樹の上ではかなり離れているようですが--- ツツジ目 - Wikipedia かつては,花…