2017-10-24から1日間の記事一覧

だが,(非人間的)暗影をいとど濃くそだててきたのは,げんざいのこの社会にほかならない.  言いかえるならば,被告の青年は殺りくの「正義」をうたがわず,メディアは論証ぬきでその正義のゆがみを力なく弾劾している. もういちど,われわれが「人間性」とよんできた「合意と約束」を反故(ほご)にしたのはだれか,自問しなければならない. それぞれの不可視の異界で,いまも不気味な風が吹いている.辺見 庸 相模原事件1年後の視座(3)

だれもが内心うろたえていた.どうじに,狼狽(ろうばい)をとりつくろおうとしていた. 事件の血しぶきにかすむ深奥の風景を,ほんとうのところは,だれしも見たがってはいないように思われた. あのできごとでみながあわてたのは,流された血の多さからだ…